主催者たちの奔走
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/22 06:06 UTC 版)
「ファイア・フェスティバル」の記事における「主催者たちの奔走」の解説
投資家でファッション担当のカローラ・ジェインは、Fyre社がマンハッタンのトライベッカ地区にある豪華なオフィスを借りるための、400万ドルの融資を受け取れるよう画策したとされる。企画した規模のイベントを開催した経験が無いマクファーランドは、大規模イベントを開催した経験のある企業やコンサルタントに意見を聞き、この程度のイベント開催には最低でも5,000万ドルかそれ以上の予算と数年の準備期間を要する旨の意見を聞き非常に驚いたという。マクファーランドらは可能な限り自分で物事を進めようとしたが、ステージを借りる方法は、おそらくGoogle検索で学んだとみられる。 2017年の4月と5月の2週の週末に予定されていたこのイベントでは、500ドルから1,500ドルまでのデイチケットと、航空運賃と高級テントの宿泊施設を含むVIPパッケージが12,000ドルで販売された。客の宿泊場所では「近代的でエコなジオデシック・ドーム」と有名シェフによる食事を約束された。最終的に発表された出演者は、プシャ・T、タイガ、デザイナー、ブリンク 182、メジャー・レイザー、ディスクロージャー、ミーゴス、ケイトラナダ、リル・ヨッティ、マトマ、クリンガンデ、スケプタ、クラップトーン、Le Youth、テンスネイク、Blond:ish、リー・バリッジなど30以上のグループに上った。しかしながら開催数日前という時点で全ての出演予定であったグループおよびミュージシャンらの出演は取りやめられた。さらに、メジャー・レイザーに至っては出演の予定そのものがなかったにもかかわらず出演予定であるとされていたという。また、まったく同じ日にグレート・エグズーマ島にてレガッタが開催される予定であり、島の人的物的資源はほぼすべてこのレース開催に投入されていたため人手不足、物資不足は深刻となった。 すでに5000枚のチケットが販売され、マイアミからイベント会場へのチャーター機が用意されていた。医療サービスとケータリング業者も雇われたが、彼らはフェスの数週間前に撤退してしまった。その後たった2週間で、新しいケータリングサービスが100万ドルかけて用意された。そこでは、地元のシーフードにバハマ風の寿司、そして豚のローストまでも含む本格的な島の料理が提供されるとしていた。 2017年3月に、Fyreはベテランのイベントプロデューサー、ヤーロン・レヴィを雇った。彼は、サイトで宣伝されているようなイベントを開催することは不可能であると感じ、11月にイベントを延期するべきとしたが、Fyreはとにかく春にイベントを開催すると譲らなかった。彼は、期限内に宿泊施設を用意するには、ヴィラは諦めてテントを立てるしかないと言い、チケット購入者にはそれを正直に伝えるよう勧めた。レヴィは、会社から電子メールが用意されていると聞いたらしいが、それが送信されたのかは分からないという。 コムキャスト・ヴェンチャーズ(英語版)は、このアプリに2500万ドルを投資することを検討していた。マクファーランドは、コムキャストの投資金によってイベント開催に必要な資金を調達できるであろうと考えていたが、数日前には辞退されてしまった。伝えられるところによれば、マクファーランドはFyre Mediaを9000万ドルの価値があると評価していたが、コムキャスト側にそれを証明する十分な証拠を提供することができなかったという。 イベント主催者の一人がニューヨーク・マガジンに寄稿した文章によれば、少なくとも3月中旬以降、計画に重大な問題があるので、2018年に万全な状態でフェスを行うため、2017年のフェスを中止することで合意していたという。しかしこの計画は、予定通りにイベントを進めることが決定されたため、土壇場で取り消された。 主催者の一人が、「やろう、そして伝説になろう。」と言ったとも伝えられている。同月下旬にはニューヨーク・ポストのゴシップ記事コーナーであるページ・シックスが、主催者らの統制がかなり乱れておりもはや手に負えないような状態である旨を報道している。 コムキャストとの契約が流れた後、マクファーランドは投資家のエズラ・バーンバウムを介して、16日間以内に少なくとも50万USドルの返済を条件に、Fyreへの一時的な資金調達を行った。これにより短期間のうちに返済のための資金を調達する必要に迫られ、チケットの購入者あてに、イベント期間中は現金もクレジットカードも使用不可であり、代わりにRFID付きのスマートウォッチのようなIDを発行しこれを使用したプリペイドサービスのみ利用化であるとして1000ドル程度をあらかじめチャージするようにと発表し返済資金を集めることを画策した。このような機器の採用は、開催地のWi-Fi環境が貧弱であるために役に立たないと警告されていたにも関わらず行われた。この急遽準備されたプリペイドサービスにより約200万ドルが集まり、後にバーンバウムに起こされた訴訟によると、その40%はマクファーランドに短期ローン返済のために使われたという。
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