不具合・輸送障害事例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/17 16:37 UTC 版)
「九州新幹線 (鹿児島ルート)」の記事における「不具合・輸送障害事例」の解説
騒音問題 新八代駅 - 鹿児島中央駅間の試験走行実施時期から、新幹線が地下を走る鹿児島市武岡地区などでは、予想外の振動や騒音が発生して住民から苦情が続出した。JR九州では該当区間で2004年10月1日から減速運転を行い、鉄道建設・運輸施設整備支援機構による騒音軽減に向けた技術開発試験の一環として薩摩田上トンネル内の路盤改良などの工事に着手した。騒音軽減の効果が確認できた、2011年3月12日より、同トンネル内での減速運転が解除された。 トンネルコンクリート片落下事故 2010年7月23日に九州新幹線運行開始以来初のコンクリート剥落事例が川内駅 - 鹿児島中央駅間の第三梅木トンネルで確認された。内容は上り線の線路脇外側でトンネル入り口にある緩衝工内側のコンクリート片(縦約40cm、横約26cm、厚さ約3cm、重さ約3kg)が剥がれて落下しており、同日午前1時40分頃に点検中のJR九州作業員が発見したが、列車運行への支障はなかった[リンク切れ]。 2012年6月20日には、川内駅 - 鹿児島中央駅間の塩鶴トンネルで100グラムのコンクリート片が落下しているのが発見された。未明に保線作業点検中の作業員が発見したが、列車運行への支障はなかった。 架線支障による輸送障害 2012年3月13日午後4時ごろ、久留米駅 - 筑後船小屋駅間で、架線に農業用ビニールシートが引っ掛かっているのを、同区間走行中のさくら557号の運転士が見つけ緊急停止。上下線で運転見合わせとなった。約2時間後にビニールシートは撤去されたが、さくら557号は送電停止のために押した保護接地スイッチ (EGS)が溶着。停電状態で解除に手間取っている間に、車両の蓄電池の電圧低下で自力走行不能となり、後続列車を連結してようやく運転再開となった。この影響で乗客数人が体調不良を訴え、上下計45本が運休、28本が最大7時間51分遅れ、約9000人に影響が出た。EGSの溶着は山陽新幹線では数年に1回程度起きており、JR西日本では対策を定めているが、JR九州は当時対処法をマニュアル化していなかった。 沿線工事のクレーン車転倒による輸送障害 2012年11月12日午前9時8分頃、新玉名駅 - 熊本駅間の熊本市中央区横手付近において、沿線の鹿児島本線連続立体交差化事業の工事を施工していた大型のクレーン車が、走行中に乗り上げた地面の下にある暗渠(埋設水路)の陥没によって転倒し、クレーンのブームが新幹線下り線の架線に接触した。この影響で新玉名駅 - 新八代駅間の下り線が停電状態となり、下り線は博多駅 - 新水俣駅間で運転見合わせ、程なくして上り線もクレーンのブーム撤去作業のため、同区間で運転を見合わせた。その後クレーンのブームの撤去作業を行い、午後3時15分に運転を再開した。この影響で、上下計54本が運休、16本が遅れ、12800人に影響が出た。運転見合わせの間、博多駅 - 八代駅間の在来線では振替の臨時特急列車が運行され、新八代駅 - 新水俣駅間ではバスによる代行輸送が行われた。クレーン車が転倒した原因について、当該工事を管理していたJR九州は陥没した暗渠に対して適切な防護処置を施していなかったためとしている。また、影響人員が多大だったことから、国土交通省九州運輸局は11月12日付で、JR九州に対して警告文書を発出した。
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不具合・輸送障害事例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 07:40 UTC 版)
騒音問題 新八代駅 - 鹿児島中央駅間の試験走行実施時期から、新幹線が地下を走る鹿児島市武岡地区などでは、予想外の振動や騒音が発生して住民から苦情が続出した。JR九州では該当区間で2004年10月1日から減速運転を行い、鉄道建設・運輸施設整備支援機構による騒音軽減に向けた技術開発試験の一環として薩摩田上トンネル内の路盤改良などの工事に着手した。騒音軽減の効果が確認できた、2011年3月12日より、同トンネル内での減速運転が解除された。 トンネルコンクリート片落下事故 2010年7月23日に九州新幹線運行開始以来初のコンクリート剥落事例が川内駅 - 鹿児島中央駅間の第三梅木トンネルで確認された。内容は上り線の線路脇外側でトンネル入り口にある緩衝工内側のコンクリート片(縦約40 cm、横約26 cm、厚さ約3 cm、重さ約3 kg)が剥がれて落下しており、同日午前1時40分頃に点検中のJR九州作業員が発見したが、列車運行への支障はなかった[リンク切れ]。 2012年6月20日には、川内駅 - 鹿児島中央駅間の塩鶴トンネルで100グラムのコンクリート片が落下しているのが発見された。未明に保線作業点検中の作業員が発見したが、列車運行への支障はなかった。 架線支障による輸送障害 2012年3月13日午後4時ごろ、久留米駅 - 筑後船小屋駅間で、架線に農業用ビニールシートが引っ掛かっているのを、同区間走行中のさくら557号の運転士が見つけ緊急停止。上下線で運転見合わせとなった。約2時間後にビニールシートは撤去されたが、さくら557号は送電停止のために押した保護接地スイッチ (EGS)が溶着。停電状態で解除に手間取っている間に、車両の蓄電池の電圧低下で自力走行不能となり、後続列車を連結してようやく運転再開となった。この影響で乗客数人が体調不良を訴え、上下計45本が運休、28本が最大7時間51分遅れ、約9000人に影響が出た。EGSの溶着は山陽新幹線では数年に1回程度起きており、JR西日本では対策を定めているが、JR九州は当時対処法をマニュアル化していなかった。 沿線工事のクレーン車転倒による輸送障害 2012年11月12日午前9時8分頃、新玉名駅 - 熊本駅間の熊本市中央区横手付近において、沿線の鹿児島本線連続立体交差化事業の工事を施工していた大型のクレーン車が、走行中に乗り上げた地面の下にある暗渠(埋設水路)の陥没によって転倒し、クレーンのブームが新幹線下り線の架線に接触した。この影響で新玉名駅 - 新八代駅間の下り線が停電状態となり、下り線は博多駅 - 新水俣駅間で運転見合わせ、程なくして上り線もクレーンのブーム撤去作業のため、同区間で運転を見合わせた。その後クレーンのブームの撤去作業を行い、午後3時15分に運転を再開した。この影響で、上下計54本が運休、16本が遅れ、12800人に影響が出た。運転見合わせの間、博多駅 - 八代駅間の在来線では振替の臨時特急列車が運行され、新八代駅 - 新水俣駅間ではバスによる代行輸送が行われた。クレーン車が転倒した原因について、当該工事を管理していたJR九州は陥没した暗渠に対して適切な防護処置を施していなかったためとしている。また、影響人員が多大だったことから、国土交通省九州運輸局は11月12日付で、JR九州に対して警告文書を発出した。
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