ラグビーフットボール
歴史と沿革
ラグビーは1820年から30年の間頃にイギリスで始まったとされています。特に、1823年イギリスのラグビー校でウェブ・エリス少年がフットボールの試合中にボールを手に持って走ったことが発祥といわれています。ラグビーとして初めてのルールは1845年に作られました。
日本にラグビーが伝わったのは今から100年以上前の1899年で、以後、大学を中心に発展していきました。東は東京都港区の秩父宮ラグビー場、西は大阪府東大阪市の近鉄花園ラグビー場が聖地といわれ、戦前戦後と多くの熱戦が繰り広げられてきました。国際的には1987年から始まったラグビーワールドカップが4年に一度行われており、日本代表は2011年大会も含め、7大会連続出場を決めています。
国内ラグビーは、各地域の社会人リーグを基盤に発展し、社会人ラグビー日本選手権大会では新日鐵釜石や神戸製鋼が7連覇するなどスタジアムを沸かせてきました。2003年には日本最高峰の全国リーグ「ジャパンラグビートップリーグ」がスタートしています。年末から年始にかけては、全国大学選手権大会や2010年度に90回大会を迎えた近鉄花園ラグビー場で行われる全国高校ラグビー大会などがあいついで開催され、ラグビーは冬の風物詩として多くのファンに楽しまれています。
若年層でもラグビースクールを中心に活動が盛んです。たとえば、タグラグビー(タックルのないタグをつけて行う競技)は2010年から小学校の学習指導要領に掲載されるなど、ラグビー普及の一環として期待されています。
国際的には近年、2016年のリオデジャネイロ五輪から男女7人制ラグビーの正式種目採用が決まり、さらにラグビーワールドカップ2019年大会の日本開催も決定しました。こうしたラグビー界の世界的なうねりの中で、今後の日本ラグビーのさらなる発展が期待されると同時に、国内での普及と強化が急がれています。
競技方法
ラグビーの原則は、主にボールの争奪、攻撃・プレーの継続、防御・ボールの再獲得からなっています。ボールの争奪は接触プレーやスクラム、ラインアウト、キックなどで行われます。攻撃ではグラウンドの縦横のスペースを活用し、ボールをパスし、ボールを持って走り、長短を使い分けるキックを活用して、ラックやモールなどの激しい密集プレーを行います。防御では勇気あるタックルで攻撃を阻止し、ボールの奪取を目指します。
試合中にはさまざまな局面があり、さまざまな選択肢のプレーが可能です。選手に求められるスキルは多様性に富み、いろいろな能力や身体的特性をもつ選手がチームの中で活躍することができます。
さらに、「One for all, All for one」の精神のように、自己犠牲や仲間を信頼してプレーすることも大切な要素です。試合が終わった後は、ノーサイドの精神で、敵味方分け隔てなく、相手に敬意を表し、仲間を大切にすることを尊びます。
ルール
ラグビーは15名、または7名からなる2つのチ一ムが、スポーツ精神に則り、ボールを持って走り、パス、キックおよびグラウンディング(ボールを接地させること)して、できるだけ得点を挙げ、より多くの得点をしたチームが勝者となります。
15人制も7人制も同じ広さのフィールドを使って競技を行いますが、人数が少ない分、7人制はコンタクトプレーが少なく、ボールが大きく動き、ダイナミックなプレーが見られます。
一方、15人制はスクラムやラインアウトなどセットプレーが重要とされ、コンタクトプレーの局面も多くなります。さまざまな状況が発生するので、力が強い選手や足が速い選手など、さまざまな特性を持った選手が必要とされます。
ラグビーの試合時間は前半40分、後半40分の計80分で行われます。ハーフタイムは10分が主流ですが、ルールでは15分以内と規定されており、2011年ワールドカップは12分で行われます。
ボールを前進させるにはボールを持って走ったり、キックを使います。また、味方にパスをして進むこともできますが、自分よりも前にボールを投げることはできません。
・ ノックオン:ボールを前に落とすこと。相手側にフリーキック(FK)が与えられる。
・ スローフォワード:ボールを前にパスすること。相手側にFKが与えられる。
・ オフサイド:主にボールがプレーされている場所よりも前方の敵陣側にいる選手がプレーに参加すると適用される反則。相手側にペナルティーキック(PK)が与えられる。
・ ノットロールアウェイ:タックルをした選手、もしくはされた選手がボールから離れずプレーを妨げること。相手側にPKが与えられる。
・ ノットリリースザボール:タックルされた選手がボールを抱えたまま放さないこと。相手側にPKが与えられる。
* フリーキック…(FK)
比較的軽い反則に対して、反則を受けた側に与えられる。ゴールを狙うことはできない。
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