ユリウス・ノイブロンナーとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > ユリウス・ノイブロンナーの意味・解説 

ユリウス・ノイブロンナー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/01/13 01:51 UTC 版)

鳩カメラ」の記事における「ユリウス・ノイブロンナー」の解説

1903年に、ドイツクローンベルク薬剤師をしていたユリウス・ノイブロンナーは、半世紀前に父親はじめた伝書鳩から処方箋受け取仕組み復活させた。これはファルケンシュタインにあるサナトリウムから飛ばして処方箋運ばせるのだった3年後にこのサナトリウム閉鎖されたため、この仕組みなくってしまった)。彼は75グラム上限として、急を要する配達にはこの方法を使った。また迅速さを旨として、フランクフルトにある薬問屋にも自分を何羽か常駐させていた。ある時、彼のが一羽だけ帰路迷ってしまったのに、4週間後に帰ってきたときには不思議なことにずいぶん栄養状態よかったことがあった。ノイブロンナーはこのことをきっかけにして、自動撮影するカメラ持たせ、その行先をたどるというアイデア思いついた。つまり、伝書鳩アマチュア写真という自分二つ趣味合体させる「ダブル・スポーツ」であった(後に判明したところでは、このときのヴィースバーデンレストラン保護されていた)。 鉄道やそりから「ティッカ」〔イギリスホートン社が製造した懐中時計型の小型カメラ〕で写真撮影する実験成功したノイブロンナーは、ハーネスアルミ胸当て使っての胸に取り付けられる小型で軽いカメラの開発とりかかった。木を使った30から75グラムカメラ使いはこの積荷運べるよう細心の注意払って訓練進められた。空中写真を撮るために、彼は1羽のを家から100キロメートル離れた場所まで連れて行きカメラ取り付けてから放った積荷下ろしてほしいので、ふつう50から100メートルの高度で家までまっすぐに飛んでいく。カメラには空気圧利用して写真撮影されるまでの時間差をつくる仕組みそなわっていた。カメラという重荷背負ったのために、鳩小屋内部入り口広くつくられ床板弾力のある素材使われた。 ノイブロンナーによれば、彼が考えたカメラモデルは1ダースもあった。1907年には、特許申請こぎつけた彼の考案した上空から景観撮影するための方法手段」は、はじめは不可能であるという理由ドイツ特許庁から拒絶されたが、彼が提出した写真本物認められたことで、1908年12月特許認定された(拒絶されたのは伝書鳩運搬能力について誤解があったためだった)。1909年ドレスデン行われた国際写真展1909年フランクフルト行われた国際航空展にノイブロンナーが出展したことで、彼の写真技術は非常に有名になった。ドレスデン集まった観衆は、戻ってくるところをその目で見ることができたほか、この時に持ち帰った写真ポストカードにされた。ノイブロンナーの写真はこの時だけでなく1910年1911年パリ航空ショーなどでも賞を受賞した。 シュロスホテル・クロンベルク(所有者であるフリードリヒ皇后の名にちなんでシュロス・フリードリスホーフと呼ばれた)の写真は、偶然に撮影者の翼の先が入り込んでいたために有名になった。1929年毎週製作されドイツニュース映画一部には、この写真著作権無視して使われていた。 1909年にノイブロンナーが出版した短い本には、彼が考案した5種類カメラモデル解説されている。 1920年パンフレットで、ノイブロンナーは自分パノラマカメラわずかに40グラム程度しかなく、12コマ撮影可能だ説明している。2007年には、ある研究者がこの撮影媒体レンズシャッタースピードについてはほとんど情報がないと発言したことがあるが、ノイブロンナーは自分パノラマカメラフィルムアドックスのものを使っていたとされている。このカメラは、彼の推計によるとフィルム感度ISO 25/15゜から ISO 40/17゜、シャッタースピードは1/60秒から1/100秒であった。フィルム30ミリメートル×60ミリメートル定型カットされレンズ半円形動作するのに逆らい余計な歪みできないように、このフィルム凹形曲げてカメラ入れられた。 1920年に、ノイブロンナーはこれまでの自分10年振り返りそれなりに苦労し、また出費かさんだ鳩カメラという仕事対す報いが、百科事典載ったことと移動式鳩小屋後述)が戦争において有効だという副次的な技術革新への自己満足しかないことを自嘲した。 ノイブロンナーのパノラマカメラベルリンドイツ技術博物館ミュンヘンドイツ博物館展示されている。

※この「ユリウス・ノイブロンナー」の解説は、「鳩カメラ」の解説の一部です。
「ユリウス・ノイブロンナー」を含む「鳩カメラ」の記事については、「鳩カメラ」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「ユリウス・ノイブロンナー」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ユリウス・ノイブロンナー」の関連用語

ユリウス・ノイブロンナーのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ユリウス・ノイブロンナーのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの鳩カメラ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS