メロトロン機種リスト
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Mellotron MkI (1962 - 1963) Chamberlin 660 Musicmasterを元にして作られた最初のモデル。左右に35ずつの鍵盤を持つ。6ステーション×3トラック。55台前後生産され、一部は出荷前にMkII仕様に改造された。 Mellotron MkII (1963 - 1967) Mk Iの改良型。外観は同一だが、ステーション切り替え用チェーンの強化、ステーション切り替え中の鍵盤ロック機構追加、パワーアンプがソリッドステート化。また、リードとリズムの音色配列も変更された。1960年代末にイギリスの大物アーティストが頻繁に使うようになり、伝説的存在となっている。出荷前に改良されたものも含めて300台程度が生産された。 Mellotron M300 (1968 - 1970) 52鍵の小型化モデル。左側18鍵は伴奏用(ピアノとオルガンの低音部も含まれ、リードと音色を一致させることで52鍵の音域を使用することも可能)。内蔵スピーカーは廃止された。6ステーション×2トラックで、音色は専用のものが用意された。トラック選択はロッカースイッチで、ミックスは不可。後期型はフロントパネルから音程調節が取り除かれる。生産数は50台程度で、量産型ではもっとも希少なモデル。 Mellotron M400 (1970 - 1986) もっとも普及した白い塗装のステージモデル。プリアンプがソリッドステート化し、ステーション構造は廃止。代わりに35本のテープを取り外し可能なフレームに固定し、一度に交換出来るようになった。35鍵、3トラック。初期型はモーターの回転数を一定に保つモーターコントロールカード性能が低く、音程が不安定。ストリートリー・エレクトロニクスが部品を供給して作られたEMI製のモデルもあるが、これは鍵盤下部を斜めに切り取って膝が当たらないように改良されたフォルムを持ち、ハードウェアや塗装の仕様も異なる。また、後年Novatron名義で作られたものは黒い塗装が標準となった。合計で2000台以上生産されており、中古市場で見かけるほぼ唯一の機種である。 Mellotron MkV (1975 - 1980) 2台のM400を左右に繋げたようなモデル。しかし、モーターとキャプスタンは左右の鍵盤で共有している。コントロールパネルは鍵盤前面に配置された。全30台程度が生産された。 Novatron T550 (1981) M400の機構を小型化してフライトケースと一体化したモデル。わずか3台のみが作られた。大きさ自体はさほどコンパクトになったわけではないが、テープフレームを2セットとボリュームペダルを収納できるスペースを設けている。 Mellotron 4 Track (1981) M400を4トラック仕様に改良したプロトタイプで、Mellotron USAが4台のみ生産。コントロール部はミキサーとなっており、再生ヘッドを移動させることなく任意の複数トラックをイコライジング及びミックス可能。筐体はアルミニウム合金製。 Mellotron MkVI (1999 -) M400の改良型で、ドイツ製の高品質な鍵盤と真空管プリアンプを採用。低速スイッチを追加。これは基本的には音程が1オクターブ下がるように調整されているが、モーターコントロールカードのつまみを回すことで任意に設定可能。筐体を約5cm高くし、立って演奏しやすいように改良。モーターコントロールカードも新型でより安定性の高いものになった。Mellotron Archives製。 Mellotron MkVII (1999 -) Mellotron Archives製、MkVIのデュアル・バージョンで、いわばMkVの現代版。コントロールパネルはトップカバー前面中央に配置される。 M4000 (2007 -) 新生Streetly Electronics製。M400とよく似た筐体にステーション構造を内蔵。8ステーション×3トラック。「inching」という、テープの再生開始ポイントを変えられるメカニズム、正圧防塵装置搭載。新生Streetly Electronics製。こちらにもデュアル・バージョンの「M5000」が発表されているが、実際には生産されていない(その一方、M400の復刻モデル(モデル名なし)を受注生産)。 M4000D (2011 -) Mellotron社がその著作権を有するMellotronとChamberlinのマスターテープのコレクションの一部を、非圧縮 24bit でサンプリングして製作したデジタル版メロトロンである。新品のMellotron MkVIでマスターテープを利用し、そのままループを組まずに7.5~9.0秒のデジタルオーディオで収録しており、実質的にはPCMシンセサイザーと言える。 メロトロンの代替機種が使用される場合もある。楽器としてのメロトロンは取り扱いにくい面を持つ為、シンセサイザー・サンプラーなどで代用音源・音色などがシミュレートされてきた。シンセサイザー内蔵音源ではメモリ節約および使い易さを狙ってループ処理されているものが多いが、不安定な音源をループ化するのは困難であった。現在はノンループのサンプルも広く出回っており、メロトロン専用機種を含むハードウェア、ソフトウェア、iOSアプリケーションなど、幅広い選択肢が存在している。
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