メタボリックシンドロームの概念のいわば前身で、上半身肥満、糖代謝異常(糖尿病)、高中性脂肪血症(高脂血症)、高血圧が合併した状態をさします。1989年にアメリカの研究者カプラン(Kaplan NM)によって提唱され、冠動脈疾患による死亡率が高く、まさに死の序曲を奏でるという意味合いから「死の四重奏(The Deadly Quartet)」と呼ばれました。
メタボリックシンドロームの概念との違いが曖昧に紹介されることがよくありますが、メタボリックシンドロームでは糖代謝異常、脂質代謝異常、高血圧の上流に、それらの原因として内臓脂肪蓄積を置いている点が大きく異なります。
メタボリックシンドロームは、この死の四重奏をはじめ、シンドロームX、インスリン抵抗性症候群、マルチプルリスクファクター症候群などの一連の概念を最終的に整理したものといえます。尚、特定健診・特定保健指導では、メタボリックシンドロームの和名表記の同義語として「内臓脂肪症候群」の呼称を用いています。
メタボリック‐シンドローム【metabolic syndrome】
死の四重奏
別名:インスリン抵抗性症候群,マルチプルリスクファクター症候群,内臓脂肪症候群,危険因子集積症候群,メタボリックシンドローム
【英】:シンドロームX
メタボリックシンドローム
メタボリックシンドロームとは、肥満に伴って、内臓脂肪が蓄積し、内臓脂肪の働きにより病的な異常がもたらされる結果、軽度の糖代謝、脂質代謝の異常、あるいは血圧の上昇が起こり、個々の病態は軽度でもこれらの病態が重なり合って動脈硬化による心血管病のリスクが高まっている病態を言います。動脈硬化症や心血管病は生命に関わる病態であり、治療後の生活にも大きな支障を与える可能性があることから、その予防は重要となります。 メタボリックシンドロームは内臓脂肪蓄積を背景に糖代謝異常(空腹時血糖値110mg/dl以上)、脂質代謝異常(中性脂肪150mg/dl以上またはHDL40mg/ml未満)、高血圧(最大130mmHg以上または最小85mmHg以上)のうち2つ以上があてはまる場合に診断されます。しかし、適正な摂取エネルギー量を知り、過食を避け、適度な運動を継続することで予防が可能と考えられています。
メタボリックシンドローム【めたぼりっくしんどろーむ】
メタボリックシンドローム
メタボリックシンドローム
「メタボリックシンドローム」の例文・使い方・用例・文例
- メタボリックシンドロームを防ぐ
- メタボリックシンドロームには腹部の肥満やインスリン抵抗性などいくつかの代謝に関わる危険因子の組み合わせが含まれる。
- メタボリックシンドロームになっている人々は動脈硬化,心(しん)筋(きん)梗(こう)塞(そく),脳(のう)梗(こう)塞(そく)などの病気のリスクが高い。
- 政府の概算によると,40歳から74歳までの男性の25%,女性の10%がメタボリックシンドロームになっている。
- このようにして,メタボリックシンドロームにつながることの多い危険因子を回避できるかもしれない。
- 自転車はまた,メタボリックシンドロームを心配する人々の間でも人気を集めている。
- 2月に京都大学などの団体の研究者のグループが,トマトの中の物質がメタボリックシンドロームを防ぐのに役立つことを発見したと発表した。
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