ポインセチアの花言葉
ポインセチアは真っ赤な花で知られるが、赤以外の色の花をつける品種もある。赤以外の色をつけるポインセチアの花言葉は、また違った花言葉をもつ。
ポインセチアの花言葉の由来
(1)クリスマスに飾られる花であることからつけられた説ポインセチアの花言葉のうち、「聖夜」や「聖なる祈り」「幸運を祈る」などといったクリスマスにちなんだ言葉は、ポインセチアがクリスマスに飾られる花であることに由来している。ポインセチアは緑色の葉と赤い苞を持ち、その樹液は白色である。この三色の組み合わせは「クリスマスカラー」と呼ばれている。赤は「イエス・キリストの流した血の色」、緑は「永遠の命や愛」、白は「純潔」を意味しており、イエス・キリストの聖誕祭であるクリスマスを祝う際にはこの三色が象徴的に用いられる。クリスマスカラーを併せ持つポインセチアはクリスマスにうってつけの花と言えるだろう。また、花や苞を上から見るとキリストが生まれた日に夜空に輝いていた「ベツレヘムの星」を連想させる形状であることも、ポインセチアがクリスマスに飾られる花として扱われる由縁の一つである。
(2)ポインセチアの見た目からつけられたという説
「私の心は燃えている」という花言葉は、ポインセチアの苞が燃えるような赤に色づくことからつけられたものだ。冬は花の種類が非常に限られる他、降雪地帯では一面が白い雪景色で覆われる。その中で一際目立つポインセチアの「赤」に、炎のイメージが重なることで、心を燃え上がらせるという花言葉が導き出された。また、ポインセチアの原産地であるメキシコの先住民は赤という色を清純さのシンボルとして崇拝していた。このことから、赤い苞を持つポインセチアには「清純」という花言葉もつけられている。先述したように、樹液が純潔のシンボルである白であるため、これも「清純」の花言葉の由来の一つであると考えられるだろう。
英語におけるポインセチアの花言葉
英語圏においては、ポインセチアの花言葉として「purity(清純)」「be of good cheer(元気を出しなさい)」というものがある。「purity」は先述したように、メキシコの先住民が赤を清純さのシンボルとして崇めていたことに由来している。英語圏の一つであるアメリカはメキシコと地理的に近く、実際にポインセチアも原産国のメキシコからまずアメリカへと伝来し、そこから世界各国に広まっていったため、花言葉も同様に伝来したものと考えられる。また、「be of good cheer」という花言葉も、ポインセチアの赤が人を元気づけることが由来となっている。赤という色は情熱や活気といったイメージを持つ色であるため、赤色を持つ花の花言葉も情熱や活気、元気に関わる言葉がつけられやすい。日本語における「私の心は燃えている」という花言葉と、英語の「be of good cheer」という花言葉の由来の根底には、赤という色に対するイメージが反映されているのだろう。
色別のポインセチアの花言葉
ポインセチアは赤い色の花で知られるが、赤に限らずピンクや白の花をつけるポインセチアも存在する。そして、赤以外のポインセチアは、それぞれ別の花言葉を持つ。ピンクのポインセチアには「思いやり」という花言葉がある。ピンクのポインセチアは2009年に登場した比較的新しい品種であり、別名を「プリンセチア」という。ピンク色の苞が姫君の如き華やかなイメージを与えるところから名付けられており、「思いやり」という花言葉も、ピンク色の苞から受ける柔らかなイメージからつけられたものであると考えられる。また、赤いポインセチアにも存在する「清純」という花言葉はプリンセチアにもつけられている。
白いポインセチアは、「貴方の祝福を祈る」「慕われる人」という花言葉がある。白いポインセチアは複数の品種が存在するが、いずれも「真っ白」という色よりも生成りのような柔らかな白といった色合いである。この色合いが、相手を思いやったり、優しさを称賛する花言葉が与えられた由縁として考えられるだろう。
黄色のポインセチアには、「レモンスノー」と呼ばれる品種が存在する。鮮やかな黄色の苞を持つレモンスノーには「貴方の幸せを祈る」という花言葉がついている。ただしこれについては諸説あり、「レモンスノーには決まった花言葉がついていない」とする資料も存在する。現状では、黄色のポインセチアの花言葉はまだ完全に世間に浸透しきっていない状況と言えるだろう。
ちなみに、青いポインセチアを花屋の店頭で見かける機会も少なくないが、これも花言葉がつけられていない。青は自然に色づかせたものではなく、赤や白などの苞を持つ既存のポインセチアに人工的に色を塗ったものに過ぎないからである。
本数別のポインセチアの花言葉
ポインセチアは、本数で花言葉が変化することはない。観葉植物として親しまれるため、基本的に鉢に植えられている状態やフラワーアレンジメントの状態で出回ることが多いのだ。また、1株のポインセチアは苞の性質上、複数の花がついているように見える。よって、花言葉を考慮に入れてポインセチアの贈与を行う場合も、本数が意識されることは少ない。とは言え、他の花と同様に、贈与の際には4、13などの忌み数となる本数は避けるべきだ。特にポインセチアはキリストの聖誕祭であるクリスマスの象徴として贈られることも多いため、キリスト教の忌み数である13は祝賀ムードに水を差してしまう恐れがある。贈与の前に本数を確認し、13本となっている場合は1本引く、あるいは1本足すなどして忌み数となることを回避し、無用なトラブルを避けるべきであろう。
ポインセチアの怖い花言葉
ポインセチアの原産国である南米でかつて栄えたアステカでは、生贄を捧げる祭壇をポインセチアで飾ったという言い伝えがある。赤は血の色であり、純粋性を示すと考えられていたためであった。こうした経緯などから、ポインセチアには怖い花言葉が存在するという誤解が生じることがあるが、実際の所は先述したように、ネガティブな言葉や恐怖感を煽る花言葉はポインセチアには存在しない。また、2012年に放映された「結婚しない」というドラマの中でポインセチアが象徴的に使われたが、その結果検索エンジンで「ポインセチア」を検索した場合、サジェストに「ポインセチア 結婚しない」というものが登場し、「ポインセチアには『結婚しない』という花言葉が存在する」という誤解を受けた人も少なくない。実際のところはポインセチアに「結婚しない」という花言葉はない。ドラマの作中でも「貴方の祝福を祈る」という花言葉を込めてポインセチアを贈るという使われ方をされていた。
強いて怖い花言葉を挙げるとすれば、「私の心は燃えている」が該当するだろう。それも、怖いと言うよりは「相手への感情が重い」という部類に入るもので、自分が相手に対して情熱的な愛を抱いている、という意味合いに取られることがある。相手側にとっては、特に何とも思っていなかった相手からいきなり熱狂的な愛情をぶつけられてしまった場合、人によっては恐怖を感じることもあるだろう。
とは言え、基本的にポインセチアの花言葉は先述したようにネガティブなものや恐怖を煽るようなものは存在せず、愛情や思いやり、祝福を表現するものばかりである。クリスマスなどに贈与すれば、祝賀ムードをさらに盛り上げることは間違いないだろう。このように、ポインセチアはネガティブな花言葉の心配をすること無く、安心してやり取りを行うことが可能な花のひとつなのである。
※ 花言葉の内容は諸説あります。
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