ナトロン
天然に産出する炭酸ナトリウム水和物の名称。塩湖などから採取できる。古代エジプトにおいて、石鹸、洗剤、あるいは死者をミイラにする際の脱水処理などに用いられた。
京都府長岡京市にある宇津久志古墳群の1号墳では、1980年代に数点の「重層ガラス玉」が出土しているが、2012年にこの重層ガラス玉の成分を解析した結果、加工過程においてナトロンが使用されていたことが判明した。これにより、エジプトを領地としていた1~4世紀の帝政ローマで製造されたものである可能性が高まった。
ちなみに、ナトロンの語は後の「ナトリウム」の語源となっている。
関連サイト:
宇津久志古墳群(うつくしこふんぐん) - 公益財団法人長岡京市埋蔵文化財センター
ナトロン【natron】
ナトロン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/20 13:56 UTC 版)
![]() |
natron | |
---|---|
![]()
Natron (natriumbikarbonat) hevemiddel
|
|
分類 | 炭酸塩鉱物 |
シュツルンツ分類 | 5.CB.10 |
Dana Classification | 15.1.2.1 |
化学式 | Na2CO3·10(H2O) |
結晶系 | 単斜晶系 |
モース硬度 | 1 - 1.5 |
光沢 | ガラス光沢 |
色 | 無色、白色 |
条痕 | 白色 |
密度 | 1.478 g/cm3 |
文献 | [1][2] |
プロジェクト:鉱物/Portal:地球科学 |
ナトロン(natron)は、炭酸ナトリウム10水和物(Na2CO3·10H2O)と約17%の炭酸水素ナトリウム(NaHCO3、重曹とも)を主成分とする、天然に産出する鉱物である。通常、これに少量の塩(岩塩、塩化ナトリウム)や硫酸ナトリウムが混じっている。ナトロンは純度が高ければ色がないので白く見えるが、不純物が含まれていると、灰色や黄色を呈する。ナトロン鉱床は塩湖が乾燥によって干上がったところにできる。歴史上、古くから様々な用途に使用されてきており、今もその鉱物成分は広く利用されている。
現在の鉱物学では、ナトロンは炭酸ナトリウム10水和物のみを指すことが多い。
語源
ナトロンの語源は古代エジプト語の
関連項目外部リンク
|
固有名詞の分類
- ナトロンのページへのリンク