1号墳(平1号墳)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/05/23 04:04 UTC 版)
前方後方墳であり、標高70メートルの羽曳野丘陵の支脈東端に位置する。後方部を東に向け、石川流域の平野部を眼下に望む。墳丘の全域にわたって地表の流出による変形が著しいが、全長約50メートル、後方部辺約30メートル、前方部長約20メートルと推定される。自然地形を活かして築造されており、盛土による整形はほぼなかったと考えられる。葺石、埴輪列、周溝は確認されていない。試掘調査で前方後方墳である可能性が高いと報告され、翌年に実施された測量調査で前方後方墳であることが追認されている。 埋葬施設は試掘調査で検出されており、墳丘主軸と直交する南北軸の木棺直葬であったことが分かっている。試掘調査担当者の報告によると木棺の大きさは長さ2~3メートル幅0.5メートルとされているが、記録保存のための発掘調査(以下、本調査)が行われる直前に、埋葬施設が存在した後方部墳頂が工事業者によってブルドーザーによる削平をうけて失われてしまったため、詳細は不明である。本調査の際に、墳頂の削平によって生じた排土を調査し、器台や子持高坏をはじめとする多様な須恵器と土師器壺、鉄釘、銅製耳飾が採集されている。試掘調査の時点では外部施設や埋葬施設などから5世紀後半の築造と推定されていたが、本調査で得られた墳頂の遺物は6世紀後半のものであった。墳丘表土から須恵器片・土師器片が出土しているが、古墳築造時のものかどうかは不明である。
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