1号型自動列車停止装置(1号型ATS)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 13:35 UTC 版)
「自動列車停止装置」の記事における「1号型自動列車停止装置(1号型ATS)」の解説
京成電鉄・北総鉄道・芝山鉄道および新京成電鉄で使用されている。また、かつては京浜急行電鉄および東京都交通局(都営地下鉄浅草線)でも使用されていた。 1960年(昭和35年)12月、都営地下鉄1号線(現在の浅草線)が京成電鉄押上線との相互乗り入れで開業するに際して採用され、1967年(昭和42年)1月の私鉄ATS通達(S42鉄運第11号)で速度照査段を増やす改良をされた方式。打子式ATS以外では日本で最初のATSでもある。ATSに関しては、上記のうち新京成以外の6者の中では、どの事業者の車両がどの事業者の線路を走っても問題なく作動する(新京成の車上装置は「絶対停止」機能があるため、京成線乗り入れ対応車には切替装置が付加されている)。古い規格ながら、保安度としてはATS-Pに準ずる優れたものである。無閉塞運転中も信号電流がなければ15 km/hの速度照査が行われることが他ATSには見られない特徴であり、唯一の欠点は設計当時の技術の限界により現行のC-ATS兼用の装置と新京成電鉄で採用されている絶対停止機能が無いことであった。 交流50 Hzの軌道電流を常時流しておき、それを0.8秒間遮断することで45 km/h速度照査を、3秒間遮断することで非常制動停止と15 km/h速度照査を車上装置に伝達し、車上装置では、速度超過している場合に自動的にブレーキをかけ、0.8秒断では45 km/h減速した時点で緩解し、3秒断では非常制動で停止し、以降15 km/hで速度照査する。それ以外の速度で照査する場合には、レールに設置した2箇所1対の検知子(その間隔は照査する速度によって調整する)を列車が通過する時間差が基準以下の場合に速度超過と判定して、上記のように軌道電流を遮断する。検知子は任意の場所に設置できるので、点照査であっても連続照査と同等の機能を有する。しかし、車上装置側では、地上での照査速度が45 km/h以上の場合には一律45 km/h、45 km/h未満の場合には一律非常制動と15 km/hの速度照査がかかってしまうので、地上装置で照査した速度に比べて必要以上に減速させてしまうことになる。そのため、下記のC-ATSの導入が進められている。
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