デリカ

大車林

デリカ

英語 Delica

デリカとはDelivery car(荷物を運ぶクルマ)から生まれたネーミングである。その名前が初めて世に出たのは1968年7月のことで、キャブオーバー型のトラックのネーミングだった。その後、69年4月にライトバン、ルートバン、コーチ(マイクロバス)を発売した。コーチは3列シートのある9人乗りで、最初の乗用タイプだった。100型を名乗り、エンジンは直4の1.1Lを搭載。70年11月、エンジンを1.4Lにアップし120型となった。コーチもあり、定員は9名で、2・3列目シートのための乗降ドアはスライド式だった。

79年6月、フルモデルチェンジ。乗用タイプとしては2世代目へ移った。そのとき、スターワゴンのモデル名で1600デラックスと1600XL-5の2モデルを発売した。エンジンは1.6Lでサイレントシャフト付き。ミッションはデラックスが4速MT、XL-5が5速MTを付けていた。定員は9名。

80年6月、スターワゴンにハイルーフ型を加えた。1.8Lエンジンを積み、コラムの5速MTを採用。81年9月にはワゴンの上位グレードに3速ATを導入。初のATだった。パワーステアリング、セカンド、サードシートの反転対座タイプが標準装備となった。

82年10月、初めて4WD車を設定した。2スピードのパートタイム型で、フロント・サスペンションはトーションバーに変わった。フリーホイール・ハブ、LSD、電動ウィンチなどがオプションで選択できた。エンジンは1.8Lだけ。追加車種としてロングというモデルが出た。ホイールベースを150mm延ばして2350mmとし、定員10名。エンジンはガソリン1.6Lと新登場の2.3Lディーゼルの2機種。新型ディーゼルはロングでない2WDタイプにも載った。このとき、ほとんどのモデルに角形ヘッドランプと樹脂バンパーを採用した。83年11月、GLXエクシードという名の最上級モデルを発売した。ハイルーフで、セカンドシートはアームレスト付きの2人用だった。この時、4WD車用に2Lエンジンを新採用。84年2月には2.3Lディーゼルターボエンジン搭載車を追加。85年2月マイナーチェンジ、内外観を変更。

86年6月、3代目デビュー。サイズは大型化し、ウインドシールドの傾斜が強まったことがスタイリング上の大きな変更だった。エンジンはガソリン2Lとディーゼルターボ2.5L。4WD車も当初からあった。

87年9月、ガソリン2Lエンジンは電子制御燃費噴射になった。88年8月には4WDディーゼル車にロックアップ付き4速ATを追加した。

90年8月のマイナーチェンジで、プロジェクターランプ組み込みの異形ヘッドランプが付き、4WD車はワイドなフロントガードバーを付けた。サイドは窓を面一化、インテリアも改良した。91年8月、4WD・2400エクシードに4速AT車を設定。ワゴン4WD全車にリヤスタビライザーを付けた。2WDを含む全車に、サイドドアビーム、後席3点式シートベルトなど安全対策を施した。93年6月にはリンクス(LYNX＝北米、ユーラシア大陸に棲息する山猫)とスーパーエクシード、Xの3モデルを追加した。

94年5月、スペースギア(あらゆる場面、場所で最高の楽しみが得られるクルマ)を発売した。従来のスターワゴンとはまったく別の新型車だった。エンジンはガソリンのV6・SOHC・24バルブの3L、直4・SOHC・16バルブの2.4L、そしてディーゼルターボ(インタークーラー付き)の直4・SOHCの2.8Lと2.5Lを使っていたが、旧型のように前席の間ではな<、前部に搭載して衝突安全性を高める役割を担っていた。駆動方式は後2輪駆動のほか、パジェロと同じスーパーセレクト4WDの設定があった。最上級型には電子制御サスペンションも標準装備。標準ボディとロングボディの2車型。乗員は3列シート配置の7～8人乗りと、2WDロングの一部には10人乗りもあった。スターワゴンも継続販売したが、スベースギアの発売を受けて車種を4タイプに縮小した。

95年1月、スペースギアにワゴンテンと呼ぶ送迎用特装車を追加。97年7月にスペースギア、10月にはスターワゴンの改良・変更があった。99年6月、スペースギアの商品力アップとして2WDガソリン車のATを電子制御化、4WD全車にヒーター付き電動格納ミラーを装備した。ハイルーフ車シャモニーを標準類別に移行したほか、エアロに4WDモデル設定、初の両側スライドドアをもつ5ドアEXの追加などがあった。

99年10月に、スターワゴンの生産を中止、スペースギア1本になった。2000年6月、新戦カシャモニーの内外観をリフレッシュ。同時に、エアロのシート生地をニットに、オーディオを2DINサイズから1DINサイズに変更した。車種構成は、標準ボディ、ロングボディそれぞれに2WD車と4WD車があり、エンジンは2WD車が2.4L、4WD車が3Lと2.8Lディーゼルターボ搭載。

2002年8月、標準ボディの2WD仕様を廃止、4WD車だけに絞った。したがって2.4Lエンジンはなくなった。ボディは標準とロングの2種。これにエアロ、ハイ、クリスタルライトという3タイプのルーフがある。グレードは2つのエンジンそれぞれに、XE、シャモニー、スーパーエクシードを設定。定員は7～8人。

※「大車林」の内容は、発行日である2004年時点の情報となっております。