ダヴロス
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ダヴロス(英: Davros)は、イギリスの長寿SFテレビドラマ『ドクター・フー』の登場人物。脚本家テリー・ネイションが制作し、1975年の『ダレク族の誕生』(Genesis of the Daleks)で初登場を果たした。ダヴロスは主人公ドクターの大敵であり、ドクターの宿敵ダーレクの創造主でもある。ダヴロスは数多くの科学の分野を習得した天才であるが、自らの創造物が最高かつ宇宙の支配者であるという誇大妄想に憑りつかれてもいる。ダヴロスは俳優テリー・モロイなどからアドルフ・ヒトラーと比較されることもあり[1]、ジュリアン・ブリーチはダヴロスをヒトラーとスティーヴン・ホーキングをかけ合わせたものと呼んだ[2]。
- ^ “Doctor Who: My life as Davros”. BBC 2018年4月10日閲覧。
- ^ “Dr Who villain Davros - a cross between Stephen Hawking and Hitler”. Telegraph Online. (2008年7月1日) 2018年4月10日閲覧。
- ^ “東和良(あずまかずよし)(KAZUYOSHI AZUMA)”. ウィングウェーブ. 2019年5月3日閲覧。
- ^ Ian Levine(ディレクター) (2006年4月10日). Genesis of a Classic (Genesis of the Daleks のDVDに収録されたドキュメンタリー). BBCワールドワイド.. 該当時間: 13:35
- ^ Ian Levine(ディレクター) (2006年4月10日). Genesis of a Classic (Genesis of the Daleks のDVDに収録). BBCワールドワイド.. 該当時間: 35:00
- ^ Ian Levine(ディレクター); フィリップ・ヒンチクリフ(インタビュイー) (2006年4月10日). Genesis of a Classic (Genesis of the Daleks のDVD に収録されたドキュメンタリー). BBCワールドワイド.. 該当時間: 36:00
- ^ Michael Wisher (1994年). The Making of Shakedown & DreamWatch '94 Highlights (VHS). ロンドン: Dreamwatch Media Ltd.
- ^ Ian Levine(ディレクター) (2006年4月10日). Genesis of a Classic (Genesis of the Daleks のDVDに収録されたドキュメンタリー). BBCワールドワイド.. 該当時間: 43:40–47:30
- ^ Ian Levine(ディレクター);フィリップ・ヒンチクリフ(インタビュイー) (2006年4月10日). Genesis of a Classic (Genesis of the Daleks のDVDに収録されたドキュメンタリー). BBCワールドワイド.. 該当時間: 37:00
- ^ Destiny of the Daleks のDVDの情報テキスト
- ^ 脚本テイリー・ネイション、監督ダイヴィッド・マロネイ、製作フィリップ・ヒンチクリフ (8 March – 12 April 1975). "『ダレク族の誕生』". ドクター・フー. ロンドン. BBC. BBC One。
- ^ 脚本テリー・ネイション、監督ケン・グリーヴ、製作グラハム・ウィリアムズ (1–22 September 1979). "Destiny of the Daleks". ドクター・フー. ロンドン. BBC. BBC1。
- ^ 脚本エリック・サワード、監督マシュー・ロビンソン、製作ジョン・ネイサン・ターナー (8–15 February 1984). "Resurrection of the Daleks". ドクター・フー. ロンドン. BBC. BBC One。
- ^ 脚本エリック・サワード、監督グレアム・ハーパー、製作ジョン・ネイサン・ターナー (23–30 March 1985). "Revelation of the Daleks". ドクター・フー. ロンドン. BBC. BBC One。
- ^ 脚本ベン・アーロノヴィッチ、監督マンドリュー・モーガンおよびジョン・ネイサン・ターナー、製作ジョン・ネイサン・ターナー (5–26 October 1988). "Remembrance of the Daleks". ドクター・フー. ロンドン. BBC. BBC One。
- ^ 脚本ロバート・シェアマン、監督ジョー・アヘーン、制作フィル・コリンソン (30 April 2005). "ダーレク孤独な魂". ドクター・フー. 第1シリーズ. Episode 6. BBC. BBC One。
- ^ 脚本ヘレン・レイナー、監督ジェームズ・ストロング、製作フィル・コリンソン (28 April 2007). "ダーレクの進化". ドクター・フー. 第3シリーズ. Episode 5. BBC. BBC One。
- ^ 脚本ラッセル・T・デイヴィス、監督グレアム・ハーパー、製作フィル・コリンソン (28 June 2008). "盗まれた地球". ドクター・フー. 第4シリーズ. Episode 12. BBC. BBC One。
- ^ 脚本ラッセル・T・デイヴィス、監督グレアム・ハーパー、製作フィル・コリンソン (5 July 2008). "旅の終わり". ドクター・フー. 第4シリーズ. Episode 13. BBC. BBC One。
- ^ 脚本スティーヴン・モファット、監督ヘッティ・マクドナルド、制作ピーター・ベネット (19 September 2015). "魔術師の弟子". ドクター・フー. 第9シリーズ. Episode 1. BBC. BBC One。
- ^ 脚本スティーヴン・モファット、監督ヘッティ・マクドナルド、制作ピター・ベネット (26 September 2015). "魔法使いの友". ドクター・フー. 第9シリーズ. Episode 2. BBC. BBC One。
- ^ Rawson-Jones, Ben (2008年7月28日). “'Doctor Who' and Davros take over Proms”. Digital Spy. 2008年7月29日閲覧。
- ^ Moran, Caitlin (2008年7月28日). “Time Lord opens the Tardis to a new generation of Prom-goers”. The Times. ロンドン: News UK. 2011年6月16日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2019年10月17日閲覧。
ダヴロス
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「盗まれた地球」では1988年の Remembrance of the Daleks 以来初めてダヴロスが登場した。ダヴロスは策略の天才としてではなく普通のロボットとしてダーレクを支配するとデイヴィスは考え、以前のシリーズをダーレクの個々の知性の確立に使い、ダヴロスの再登場を後回しにした。ダヴロスは何かの機会のために不測の事態に備えた計画としてキープされていた。もし皇帝ダーレクの備品があまりに高価だった場合ダヴロスは「わかれ道」に登場する予定で、「地獄への扉」の名ばかりの牢獄に住む可能性まであった。デイヴィスはダヴロスの巻き込まれたバックストーリーを明らかにする彼の起源の話を書いたが、これは時間の制約ゆえに最終的にカットされた。 ディヴィスはローレンス・オリヴィエ賞を受賞した2006年の舞台版『もじゃもじゃペーター』と『秘密情報部トーチウッド』のエピソード「夜の旅人(英語版)」でのゴーストメイカー役のジュリアン・ブリーチ(英語版)のパフォーマンスを見て、彼をダヴロス役にキャスティングした。ダヴロスの再登場を秘密のままにしておくため、ダヴロスはクルーの間で "The Enemy" や "Dave [Ross]" として言及され、撮影の脚本も可能な限り匿名が保たれた。しかし、ラジオ・タイムズはキャラクターの秘密を「テレビ誌において最悪の機密」と呼んだ。デイヴィッド・テナントはダヴロスのヒトラーじみた誇大癖の態度と、テナントの『ドクター・フー』にまつわる最初の記憶が「ダレク族の誕生」でのダヴロスの初登場であったことから彼の生み出すノスタルジックな感情を好み、自分自身について「異常な生物に完全に魅惑されている」と述べた。ブリーチは自分の役のための準備として彼の大好きな物語の1つである「ダレク族の誕生」を視聴し、ダヴロスの声を自らに言い聞かせた。ブリーチは自身のダヴロスの解釈について「誇大癖のあるひねくれたマッドサイエンティストで、道を誤った天才」と説明し、全体として「アドルフ・ヒトラーとスティーヴン・ホーキングのあいのこ」「ニヒルな渇望がキャラクターを異常に仕立て上げている」と表現した。後にブリーチはヒトラーの演説技術と彼の独断的な演説を基準点として使うこととなった。 デイヴィスと装具デザイナーのニール・ゴートン、衣装デザイナーのルイス・ペイジ、コンセプトアーティスのピーター・マッキンストリーは対面で本作のダヴロスのデザインを議論した。彼らはダヴロスのデビュー作「ダレク族の誕生」で見られたダヴロスに忠実なビジュアルデザインを維持することに同意した。唯一の大きな変更点は、Revelation of the Daleks で破壊された手を兵器化した機械の手に置き換えた点である。マッキンストリーはクラシックシリーズの "薄っぺらな" デザインをアップデートすることでダヴロスをより大きくより怖ろしくすることを狙った。 チームはデザインを2つマイナーチェンジした。彼らはダヴロスのマイクロフォンを取り除いて完全にダヴロスの兜をデザインし直した。ダヴロスが囁き声で喋らない上、彼の声をより聞き取れるようにするため、チームはマイクロフォンを余計であると感じた。元々ブリーチの声はポストプロダクションで変更されないままにすることが意図されてい、声を処理するという決定は2008年5月の下旬までなされなかった。また、ゴートンはオロジナルの頭部について「あのような強力な登場人物にしては、いつも特に弱そうに見える」と述べた。彼は「ダレク族の誕生」の製作デザイナーが兜を医療用の留め具に似せたかったことを知らされた後、ダヴロスの頭にの中に直接ねじ込まれているように見えるよう兜をデザインし直した。 ページとゴートンはダヴロスほ上半身で同時に共同作業を行った。ペイジは革製のチュニックをデザインし、ゴートンはそれについて「素晴らしい衣装の作品だ。クラシックのデザインを反映している」と考えた。一方でゴートンは胸郭をデザインした。デイヴィスは革製のチュニックと露出した胸郭を使うことを Doctor Who Magazine 401号で「ダヴロスをホラーの王の原点かつ頂点であると思い出させる」「彼を狂人たらしめている」と説明した。
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