ジオン・ズム・ダイクン
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「機動戦士ガンダムの登場人物 ジオン公国軍 (あ行-さ行)」の記事における「ジオン・ズム・ダイクン」の解説
Zeon Zum Deikun 声 - 長克巳(ゲーム『SDガンダム GGENERATION SPIRITS』) / 津田英三(THE ORIGIIN) ジオニズムとニュータイプ論の提唱者であり、サイド3の独立運動の指導者。主要登場人物であるシャア・アズナブル(キャスバル・レム・ダイクン)、セイラ・マス(アルテイシア・ソム・ダイクン)の実父。TVアニメ版38話の回想シーンに登場。『劇場版 機動戦士ガンダム III めぐりあい宇宙編』では、より詳しく描き直されている。 スペースコロニーへの宇宙移民が始まって半世紀以上が経ち、地球にとどまる特権を持つ人々いわゆるアースノイドとスペースノイドと呼ばれる宇宙移民の間で対立が深まる中でコントリズムを提唱、実践。地球からの自治権獲得を訴えて多くのスペースノイドから大きな支持を得た。また彼の提唱した宇宙に住む民(スペースノイド)が己の眠れる力を宇宙という環境の中で目覚めさせることで人は革新に至り、宇宙という広大無辺な時空を生活の場としようと欲した時、人は時空をのり超える力を自らが持たなければ生きられない。すなわち新人類『ニュータイプ』が生まれる」と予言した。 やがて、サイド3をジオン共和国として独立を宣言し、首相となる。彼の功績を記念し、ジオン共和国の首都は彼の名をとってズム・シティと命名された。しかし、宇宙世紀0068年にダイクンが“急死”すると、ジオン共和国はデギンを筆頭としたザビ家の独裁国家ジオン公国として台頭していくのだった。 遺されたダイクンの子供はザビ家の台頭により居場所を失ったためマス家の養子となりエドワゥ・マス、セイラ・マスと名を改め、数奇な運命を辿ることになる。 アニメーション劇中では人物像や生前の活躍についてほとんど描かれておらず(セリフもなし)、聖者のように描かれる程度であり、“急死”の真相についてもザビ家の陰謀論が可能性として挙がるにとどまったが、展覧会『富野由悠季の世界』において「ザビ家が暗殺した」と解説されている。また、富野が後年にアニメ『ファースト・ガンダム』そのもののダイジェスト版として著した小説『密会〜アムロとララァ』では、デギンがダイクンを殺害したことが明言されている。これらに加え、劇場アニメ『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』では、実子キャスバルが演説の中で「父ジオンはザビ家に暗殺された」と述べている。 アニメーション版とは展開が異なる小説版『機動戦士ガンダムIII』ではギレンの回想で触れられており、小説版としてのジオニズムとニュータイプ論の骨子となる演説も記載されている。ギレン・ザビからは「若き革新家」「二枚目であって情熱家。若い女性に一目ぼれさせる」と評され、一時はギレンも政治的・資金的な支援者として活躍したデギンを含めて心から尊敬したとされる。しかし、その後ギレンとデギンはジオンについて「アジテーターでしかない」と気づいてしまい、政治的に理想を実現させる人物ではなかったと見做される。宇宙世紀0065年にはダイクン派の二十万人が粛清され、ジオンもそれを認めざるを得なくなるなど政治力は衰え、その数年後に死亡したとされる。死の真相については、小説版ではギレンに「ジオン・ダイクンの死は当たり前のものではなかったのではないか」と語られている。 安彦良和が手掛けた漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』では、軍拡路線を肯定するタカ派であり、非戦派のデギンと対照的な存在として描写されている。また自身をゴルゴダの丘で磔にされるイエス・キリストに例えるなど、狂的な自己愛を露わにしたカリスマという解釈で描かれている。首相以前はムンゾ大学の教授であったとし、学部長デギンらの配慮で大学内の時計塔内で愛人アストライアに第一子キャスバルを産ませるが、このときすでに息子の誕生を聖誕として演出しようとする自己陶酔者ぶりが窺える。『THE ORIGIN』での死因については、妻アストライアの回想によれば死去前夜のダイクンは極度に心身を疲弊していたとされ、側近のジンバによれば「ダイクンは「トリカブトと東洋の毒キノコを調合したモノを飲まされた」と主張していた。しかしインタビューで著者の安彦良和は「ダイクンはただ死んだのであってそれに対し陰謀説が一人歩きした」と語っている。
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