シンボリルドルフ以来の功績
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 05:42 UTC 版)
「マンハッタンカフェ」の記事における「シンボリルドルフ以来の功績」の解説
マンハッタンカフェは、3歳時に菊花賞を勝利した後、有馬記念を制覇している。そして、次年の天皇賞(春)に出走して、ジャングルポケットやナリタトップロードの猛追を振り切って見事勝利を収めた。この菊花賞→同年有馬記念→次年天皇賞(春)を3歳→4歳時に3つとも勝利したのは、2021年2月現在マンハッタンカフェとシンボリルドルフの2頭しかいない。 マンハッタンカフェとシンボリルドルフと同じく菊花賞→同年有馬記念勝利→次年天皇賞(春)というローテーションを歩んだ馬は、この2頭を含め2021年2月現在合計8頭いるが、それらの馬名、有馬記念後から天皇賞(春)までの成績、レース内容の概略などをまとめた表を下記に示す。 年度(西暦)(元号年)馬名(※は1984年のグレード制導入前の馬)有馬記念後の出走レース成績次年度天皇賞(春)レース内容の概略(不出走組は、その年の戦績など)出典1972年(昭和47年) ※イシノヒカル '73 東京 4歳以上OP 7着 '73 不出走 1972年度の年度代表馬に選出されたが、脚部不安に見舞われ、11月に出走した左記のレース以降は、1度も出走できず6歳2月で引退した。 1984年(昭和59年) シンボリルドルフ '85 中山 日経賞GII 1着 '85 1着 ミスターシービーとの3度目の三冠馬対決となったが、最後の直線でミスターシービーが失速、2着に入ったサクラガイセンに迫られたが2馬身1/2差で退け、ミスターシービーは5着に敗れた。 1994年(平成6年) ナリタブライアン '95 阪神 阪神大賞典GII 1着 '95 不出走 阪神大賞典後に股関節炎を発症して天皇賞(春)は出走断念。その年の秋に復帰したが、天皇賞(秋)12着→JC6着→有馬記念4着と、精彩を欠いた。 1995年(平成7年) マヤノトップガン '96 阪神 阪神大賞典GII 2着 '96 5着 前走阪神大賞典でのナリタブライアンとの死闘から、ナリタブライアンとの2強対決と注目を浴びたが、勝ったサクラローレルから1.0秒差を着けられる大敗を喫した。 2001年(平成13年) マンハッタンカフェ '02 中山 日経賞GII 6着 '02 1着 レース内容の概略およびその後については「#2002年」を参照 2011年(平成23年) オルフェーヴル '12 阪神 阪神大賞典GII 2着 '12 11着 単勝1.3倍の圧倒的1番人気で出走、道中は後方3番手で進んだ。最後の直線ではこれまでの末脚を炸裂させることなく、勝ったビートブラックから1.8秒差を着けられ惨敗した。 2012年(平成24年) ゴールドシップ '13 阪神 阪神大賞典GII 1着 '13 5着 単勝1.3倍の圧倒的1番人気で出走、道中は2周目の3コーナーから進出を開始したが、最後の直線で他馬に寄られる不利もあり、豪脚が炸裂せず、勝ったフェノーメノから0.9秒差を着けられた。 2016年(平成28年) サトノダイヤモンド '17 阪神 阪神大賞典GII 1着 '17 3着 キタサンブラックに次ぐ2番人気で出走、ヤマカツライデンの大逃げで、道中はハイペースで進行、足を使わされたのか、最後の直線で勝ったキタサンブラックに迫ったが1馬身1/4+首差届かなかった。 上記の表の比較対象として、菊花賞勝利から有馬記念敗戦(不出走を含む)そして天皇賞(春)勝利という馬は、2022年5月現在まで10頭が該当(※は1984年のグレード制導入前の馬)、それを下記に示すと(()内のレース名は前哨戦)、 1956年(昭和31年)※キタノオー:菊花賞1着→(4歳以上1着)→中山グランプリ(現・有馬記念)2着→(目黒記念(春)5着)→(5歳以上1着)→天皇賞(春)1着 1973年(昭和48年)※タケホープ:菊花賞1着→有馬記念不出走→(AJCC1着)→(中山記念3着)→天皇賞(春)1着 1990年(平成2年)メジロマックイーン:菊花賞1着→有馬記念不出走→(阪神大賞典1着)→天皇賞(春)1着 1992年(平成4年)ライスシャワー:菊花賞1着→有馬記念8着→(目黒記念2着)→(日経賞1着)→天皇賞(春)1着 1992年(平成5年)ビワハヤヒデ:菊花賞1着→有馬記念2着→(京都記念1着)→天皇賞(春)1着 2002年(平成14年)ヒシミラクル:菊花賞1着→有馬記念11着→(阪神大賞典12着)→(産経大阪杯(現・大阪杯)7着)→天皇賞(春)1着 2005年(平成17年)ディープインパクト:菊花賞1着→有馬記念2着→(阪神大賞典1着)→天皇賞(春)1着 2015年(平成27年)キタサンブラック:菊花賞1着→有馬記念3着→(産経大阪杯2着)→天皇賞(春)1着 2018年(平成30年)フィエールマン:菊花賞1着→有馬記念不出走→(AJCC2着)→天皇賞(春)1着 2021年(令和3年)タイトルホルダー:菊花賞1着→有馬記念5着→(日経賞1着)→天皇賞(春)1着 菊花賞から有馬記念を連覇した上記の表8頭の翌年の天皇賞(春)の成績は、1着2頭、3着1頭、5着以下3頭、不出走2頭となっているのに対し、菊花賞勝利から有馬記念敗戦または不出走の10頭の翌年の天皇賞(春)は全て勝利を収めている。また、前者と後者のその後の戦績を比較すると、前者の天皇賞(春)後は、シンボリルドルフ、マヤノトップガン、オルフェーヴル、ゴールドシップがGIレースを勝利したが、イシノヒカル、ナリタブライアン、マンハッタンカフェ、サトノダイヤモンドがGI未勝利に終わり、その後のレースでも出走取消や掲示板外(6着以下)、2桁着順の大敗などがあるなど、それぞれが天皇賞(春)およびそれ以降のレースで順調さを欠き、競走成績も安定しているとは云い難い状態になっている。それに対し、後者のうち9頭はキタノオーと、タケホープを除き天皇賞(春)後のGIレースを1回以上勝利している。また、ライスシャワーとヒシミラクルは、勝利に恵まれなかったり、脚部不安から長期休養するなどで順調さを欠いたりもしたが、他の5頭は、特に大きな故障(例外あり)もなく順調にレースに出走、勝利もしくは2着、負けても掲示板確保(5着以上、ただし例外あり)という好成績を収めている。 菊花賞から有馬記念と連勝した馬の順調度と、菊花賞勝利から有馬記念敗戦または不出走の馬の順調度が違うのは、上記の両者各馬の戦績の比較や、JRAにおけるGI競走の中で、菊花賞は3000m、有馬記念は2500m、天皇賞(春)は3200mと競走距離が1位 - 3位の競走 であることから、前者の馬にとっては過酷な負荷であり、順調さを奪っているといえる。3歳時の菊花賞をトップで走り抜いたあと、古馬一線級が集まる有馬記念に続き、4歳春の天皇賞を制覇する馬は、マンハッタンカフェとシンボリルドルフの2頭しか例のないレアケースとなる。しかし、その負荷は大きなものとなり、その後は両馬共決して順調ではなかったが、その負荷を厭わず、JRAのGI競走の距離1位 - 3位のレースの3連勝を、マンハッタンカフェとシンボリルドルフは成し遂げたのである。
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