シャクナゲの花言葉
シャクナゲ花言葉の由来
#生息する場所から来ている説シャクナゲは高嶺の花の語源になった花とされているが、これはシャクナゲは高山植物であることに由来している。シャクナゲは岩山や崖の壁面など、人の行き来が困難な場所に生えることが多い。採取が非常に難しく、手が出せないことから高嶺の花と呼ばれるようになった。また、他の植物よりも高い場所で育つ様から「威厳」「荘厳」などの花言葉がつけられたという説がある。
#花の美しさが由来になっている説
シャクナゲには花木の女王という別名がある。これは漏斗のような形状の花が幾つも集まって咲き、緑の葉の上に鎮座する様が気品に満ちているためである。「威厳」「荘厳」の花言葉もシャクナゲの花が美しく、上品な姿であることから来ている。
#高貴な人への贈り物だったことに由来する説
シャクナゲの原種は日本が原産地とされているが、似た品種の花は中国や東南アジアなどに広く分布している。特に中国では権力者の夫人にシャクナゲの花を贈ることが礼儀とされていた。花の美しさと入手の難しさから、美貌と権力を持つ高貴な女性に相応しい花とされていたためである。花言葉の「威厳」「荘厳」は中国での扱い方から来ている説もあるが、一方で「危険」「警戒」などネガティブな意味の花言葉も中国での扱いが元になっていると言われている。高貴な女性は権力を笠に着て他者を抑圧することがあり、その行為をシャクナゲの美しさと毒性に準えて花言葉をつけたという。権力争いに伴う暗殺でシャクナゲの毒が使われていたことも花言葉の由来になった説がある。
#花の香りが元になっている説
シャクナゲの花は品種によって香りの強さに大きな違いがある。むせ返るほどの強い香りを発する品種もあれば、人の鼻では感知できないほどの微弱な香りしか出さない品種もあるので、「これがシャクナゲの香り」と一概に言い切ることはできない。同じシャクナゲとは思えないほど香りの違いが大きいことが「警戒」の花言葉の由来になったと言われている。過去に強い香りを出すシャクナゲに触れた経験がある人ほど、新たに触れた異なる品種のシャクナゲに違和感を覚えるという。過去の経験に囚われると目の前の事柄を正しく認識できないという戒めから「警戒」の花言葉が用いられた。
#生命力の強さを称賛してつけられた説
シャクナゲは一年を通して冷涼な環境である高山地帯で育つ植物だ。そのため、他の植物よりも生命力が強く、低温や乾燥に強いのが特徴である。病気や害虫に強く、やせた土地でも育つ力強さから「威厳」「荘厳」の花言葉がつけられたという。
シャクナゲの英語の花言葉
シャクナゲの英語の花言葉には「danger(危険)」「caution(用心)」「beware(注意する、用心する)」などネガティブなものが多い。シャクナゲには毒が含まれていることや、人の行き来が困難な高山地帯に生息していることが由来になっている。シャクナゲ色別の花言葉の解説
シャクナゲの花は濃い紅色の他に白色や桃色、黄色など様々な種類がある。しかし、色による花言葉の明確な違いは存在せず、シャクナゲの全般的な花言葉がそのまま用いられるのが普通だ。シャクナゲは元々突然変異が起きやすい花として知られ、天然の品種だけでも数百種類あると言われている。また、欧州ではシャクナゲの品種改良が流行したこともあり、現在では5000以上の品種が作られている。花の色もそれに応じて多数の種類が存在していることから、現在では花の色で花言葉を区別しないようになった。一方で赤色は「情熱」「一途な恋」、白色は「無垢」「清純」など、色が持つイメージを花言葉として扱うことがある。シャクナゲ本数別の花言葉の解説
シャクナゲの花には本数固有の花言葉は存在しないので、花束にして贈る場合は本数を問わず、シャクナゲが持つ花言葉で解釈されるのが普通だ。あるいは花の種類とは無関係な、花の本数別に決められている花言葉が用いられる。10本程度の小さな花束は「あなたを尊敬します」「あなたのことは忘れません」など敬愛の意味を持つ花言葉がつけられる。目上の人への贈り物や墓前へのお供えに用いられるのが普通だ。また、50本以上の大きな花束には「永遠の愛を誓う」「あなたと結婚したい」などの花言葉がある。プロポーズや結婚のお祝いなどに適した贈り物だが、シャクナゲには「危険」のようなネガティブな意味の花言葉もあるので贈る相手を選ぶ花とも言える。花束には16本が「不安な愛」、17本が「絶望の愛」など本数によってはネガティブな意味の花言葉が存在するので注意しなければならない。15本の花束には「謝罪」の花言葉があるので、お詫びの気持ちを示す贈り物として使うことはできる。
シャクナゲの怖い花言葉
シャクナゲには「危険」「警戒」など怖い意味の花言葉がつけられている。シャクナゲは毒草であり、シャクナゲのはちみつで中毒を起こすほど毒性が強い。目まいや動悸などの症状を引き起こすことから惚れ薬の材料として使われていたが、量を誤って死亡する事故が頻発していた。暗殺に用いられたこともあったため、「危険」「警戒」などの花言葉がつけられた。シャクナゲの花を贈るのは「あなたの悪事を知っています」「あなたは悪い人です」と断罪する意味が込められている。また、高山植物のシャクナゲは切り立った崖の壁面など、人の手が届かない場所に生えることが多い。採取が難しく、事故に遭うおそれがあることも花言葉の由来になっている。「警戒」の意味は古くから伝わる山岳信仰が由来という説もある。山岳信仰は山々が神そのものであるという考えに基づいた信仰であり、登山が神への参詣になるなど、山を神聖視しているのが特徴だ。特に雲を突き抜けるほどの高山は神の居所とされ、厳かな場所だからこそ俗世にあるような草木が生えないと考えられていた。そのような場所で綺麗な花を咲かせるシャクナゲは特別な存在であり、山の神の化身と見なされることもあった。「威厳」の花言葉も山岳信仰によるものとされているが、「警戒」については神の化身であるシャクナゲを無暗に持ち出してはならないという戒めの意味が込められている。生け花が流行した日本でもシャクナゲはあまり扱われなかったのは山岳信仰が理由とされている。
「危険」の花言葉はシャクナゲの花の美しさに魅入られた人が強い毒で斃れてしまう様から来ている。高貴な女性は自身の美貌で権力を持つ男性を魅了し、一方で邪魔者を力づくで排除する危険な一面を持っている。その様が美しい花を咲かせながらも内部に毒を蓄積させているシャクナゲに似ているとされ、「危険」という花言葉がつけられた。花木の女王という別名も単にシャクナゲの上品な美しさを称えるだけではなく、美しさを保ちながら権力を振るって他者を苦しめる高貴な女性の姿から来ているという。
「威厳」「荘厳」などの花言葉は怖い意味ではないものの、近寄りがたい感じがあるのも事実である。シャクナゲの花は気品のある整った顔立ちで、地域によっては高貴な人がシャクナゲに生まれ変わったという民話が伝わっている。あまりの美しさに触れることなど畏れ多いという考え方から、安易に扱ってはいけないという意味で「威厳」「荘厳」の花言葉がつけられた説がある。庭木にシャクナゲを用いる際も周りに他の花を植えないのが作法とされているが、これはシャクナゲの花と他の花を比較するのは下品ではしたないことと見なされるためだ。高貴な人を他の何かと比べることが不敬な行いであるという価値観が根底にあり、その価値観がそのままシャクナゲにも当てはまっている。
※ 花言葉の内容は諸説あります。
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