ゴーメンガースト城
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/07 16:09 UTC 版)
「ゴーメンガースト」の記事における「ゴーメンガースト城」の解説
ゴーメンガースト城は、中世の城の側面と摂政時代のイギリスの大邸宅の側面を併せ持っている。しかし実際には小規模の都市国家のようなものであり、城とその周辺のごく限られた地域だけで閉ざされた世界を形成している。西翼に重要な建物が集中しているとされるが、世代ごとに増築がされ、四方に不似合いな建物が多数つけ加えられている。城内には書庫、大台所、彫刻保管用の広間、食堂、学校などさまざまな施設があるが、その他にも隠し部屋や秘密の通路などが無数に存在し、城の住人でさえ全容を把握してはいない。海外ではゴーメンガースト城は無秩序な広がりを持つ大型建造物の代名詞となり、ほかのフィクションでも引き合いに出されることがある。 ゴーメンガースト城の日常生活においては、儀式が重要な役割を果たす。これはとりわけ伯爵に関して顕著で、伯爵はゴーメンガーストの伝統の不透明で難解な教義を厳守することに日々多くの時間を割くよう定められている。このゴーメンガーストの厳格な法に対するタイタスの畏れと反抗は、シリーズの重要なテーマのひとつになっている。 七色の彫刻の広間 北翼の最上階にある。城壁の外側にいる住民が作った木の彫刻から、選り抜きの作品が展示されている。大きな屋根裏部屋に近く、そこには管理人のロットコッドが住む。 踊り場 南翼の上層にある、忘れられた広大な踊り場。洪水の際には避難場所となった。 八角部屋 等身大の肖像画が7枚かけられている。そのうち1枚のうしろに覗き穴があり、伯爵妃の寝室のドアを見通せる。 猫の間 伯爵妃が飼う白猫の大群がひしめく広間。 西翼 重要な建物が集まっている。幼児期のタイタスが、乳母のスラグとケダに育てられる。 フューシャの部屋 西翼の中央3階にある。窓からは、胸壁、牧場、山腹と森が見える。寝台のうしろには螺旋階段があり、100段あまりのぼると屋根裏に着く。 フレイの部屋 伯爵の御前から横に4室、上下に1階以上離れた場所にある。 コーラとクラリスの部屋 南翼の続き部屋にある。 石の広間 伯爵が9時と10時のあいだに食事をとる。セパルクレイヴの曾祖父の時代に天井画が描かれた。 書庫 東翼にあり、セパルクレイヴが入り浸っている。 灰色の控えの間 鯉の池へ通じる場所。午後2時27分からの儀式に使われていたが、70年前に大火で焼け落ちた。 テラス 伯爵妃が猫を連れて散歩をする。 遊び部屋 伯爵家の子が10歳になったときの儀式に用いられる。 涼しの間 1階にある。城内で最も家庭的で優雅といわれる部屋であり、タイタスの命名式が行われた。 使用人の中庭 茨の古木が生えている。 プルーンスクワラー邸 城の本館の中庭にある3階建ての建物。飛控えで本館と結ばれている。 火打ちの塔 東翼に建つ、見捨てられた高い塔。かつては東翼の端にあったが、伯爵家が実験的な増築を行なったため、荒廃した遺物がさらに東に伸びている。 煙突 スティアパイクは、使われていない煙突に面した部屋の壁に穴を開け、バーケンティンなど自分の計画に役立ちそうな人物の部屋を盗み見る。 中央書庫 伯爵用の書庫とは別に存在し、その他の図書室も20以上ある。 学校 教室ごとに形が異なり、細長いもの、真四角なもの、短い煙突状で半円形のガラス窓があるものなどが存在する。 敷石の原 忘れ去られた巨大な中庭。スティアパイクが発見する。 武器庫 伯爵家の命名式に使う指環や王冠などもしまわれている。 地衣砦 地衣類に覆われた円形の建物。無断で城を抜け出したタイタスが囚人となった。 大台所 地下にある厨房。料理長のもと、〈灰色磨き〉と呼ばれる18人の男たちが働く。付近には屠殺場、パン焼き場、酒蔵がある。 墓所 伯爵家用、忠義のあった〈選ばれたる臣〉用、その他の使用人用が存在する。 秘密の地下道 城の外へと通じており、タイタスが発見する。厳しい冬の年にフレイが移り住み、自分の部屋を〈無人殿〉と名づける。彼の部屋のそばにはコーラとクラリスが幽閉された。 城壁の門 アカシア並木道の北端にあり、城外の民家の中心街へ続く。 〈外〉の街 粘土で作られた家が建ち並び、「〈外〉の民」と呼ばれる人々が住む。城門のそばにはサボテンが生えている。
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