キリスト教伝来から19世紀初頭までとは? わかりやすく解説

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キリスト教伝来から19世紀初頭まで

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/22 09:45 UTC 版)

日本語訳聖書」の記事における「キリスト教伝来から19世紀初頭まで」の解説

キリシタン版」も参照 キリスト教は、1549年天文18年)に日本伝えられた。フランシスコ・ザビエル (Francisco Xavier, SJ) の日本布教きっかけとなったヤジロウ書簡から、ヤジロウマタイによる福音書を(部分的にせよ要約的にせよ)翻訳した可能性はあるものの、実物残っていない。1563年永禄6年)頃までには、イエズス会士フアン・フェルナンデス(J.Fernandez, SJ)が、『新約聖書』のうちの四福音書マタイマルコルカヨハネ)を翻訳してたらしいが、平戸北部にある度島での火災原稿焼失してしまった。 その後、『日本史』などの著作知られるルイス・フロイスLuis Frois, SJ)が、典礼用に四福音書3分の1ほどを訳すなど作業続け1613年慶長18年)頃までにはイエズス会京都で『新約聖書全体出版したらしいことも確認されている。しかし、このイエズス会新約聖書現存しない。日本語訳聖書現存する最古断片は、アレッサンドロ・ヴァリニャーノ編纂した日本のカテキズモ』(カテキズム)の訳稿に近い和文で、ポルトガルエヴォラ図書館の古屏風下張りから発見された。1580年前後推測される最古断片には、旧約聖書コヘレトの言葉3章7節)、イザヤ書1章11節、16-17節)、シラ書2章12節ほか)の断片含まれる。他にも、福音書受難物語部分をまとめた『御主ゼス キリシト御パッションの事』はフェルナンデスの訳稿焼失前後にその写本各地教会読まれていたらしいことが窺われる。これは1591年にバレト (Manoel Barreto, SJ) がまとめた、いわゆるバレト写本」や、1607年長崎刊行されローマ字本『スピリツアル修行』の中にも見出すことが出来る。これら二書に収められた『御主ゼス キリシト御パッションの事』はほぼ同一であり、フェルナンデス訳とは別にイエズス会士によって訳されたらしいが、名前は伝わっていない。以下、『スピリツアル修行』から、『御主ゼス キリシト御パッションの事』を一部引用するマタイ26:26-29,一部ルカ22:19挿入)。 パン取り挙げ、文(もん)をとなえ、割り給い御弟子達に賜り、これわわが身肉なり、服せられよとのたまひて:またカリス取り上げ給い御礼あって御弟子達に下されのたまいけるわ:各々これを飲まれよ;汝達なんだち)と数多の人の科(とが)を送るべきために流すべき新しきテスタメントのわが身の血なり。汝達われを思い出すためにかくの如くいたされよ — 『御主ゼス キリシト御パッションの事』 『バレト写本』には、福音書様々な抜粋含まれており、その分量は福音書全体およそ3分の1に及ぶ(訳例は#マタイ福音書の比較参照)。ほか、カテキズムをまとめた『どちりなきりしたん』なども刊行された。しかし、日本におけるキリスト教は、前述イエズス会新約聖書出版なされた頃から厳しく禁止された。1630年寛永7年)にはキリスト教関係書物輸入禁じられ少なくとも表面キリスト教文献消えた。もっとも、漢籍オランダ書のキリスト教文献小規模ながらも密輸されており、聖書に関する知識細々日本入っていた。また当時ヨーロッパ由来歴史書には世界の起源聖書依拠している例も少なからずあり、その影響強く受けた山村昌永西洋史叙述幕末まで西洋史書の土台となったのみならず蘭学者にはキリスト教理解示していた例が見られ中には平戸藩領主松浦静山のように、聖書注解書(現存分だけで14巻)を手に入れて密かに蘭学者翻訳させていた例もある。また、復古神道大成者である平田篤胤著した本教外篇』の中には山上の垂訓そっくりの記述現れる。これは、漢籍キリスト教文献からの剽窃であることが実証されている。 平田篤胤本教外篇』義の為にして。窘難を被るものは。すなはち真福(にて)その己に天国得て処死せざると為るなり。 山上の垂訓文語訳マタイ伝幸福なるかな、義のために責められたる者。天國その人ものなり。(マタイ5:10) なお、篤胤は国生み神話アダムとエバ対比させることもしている。

※この「キリスト教伝来から19世紀初頭まで」の解説は、「日本語訳聖書」の解説の一部です。
「キリスト教伝来から19世紀初頭まで」を含む「日本語訳聖書」の記事については、「日本語訳聖書」の概要を参照ください。

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