日本におけるキリスト教
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 09:44 UTC 版)
「キリスト教」の記事における「日本におけるキリスト教」の解説
詳細は「日本のキリスト教史」を参照 日本ではフランシスコ・ザビエルが室町時代に宣教師として来日し、宣教を始めたのが日本キリストの始まりである。江戸時代にヨーロッパに、キリスト教ではない日本人が奴隷として連れ去られているなどとして豊臣秀吉がバテレン追放令を発布し、その後の江戸幕府も禁教・鎖国を行い、以後日本では公にキリスト教を信仰することが不可能となった。しかし、幕府に隠れてキリストの信仰を守った人が後に隠れキリシタンと呼ばれるようになる。江戸幕府の禁教以降、日本ではキリスト教を信仰する人が少なくなり、一般民衆も邪宗門と信じてきたキリスト教への恐怖から解禁に反対する声が上がったため、日本政府は一切解禁しようとしなかった。明治維新以降も国家神道から度々排斥され、戦後の民主化後も日蓮系新興宗教団体や社会主義運動などの急拡大に対して増加をみなかった。G7の国々の中で人口構成上キリスト教徒が多数派でない国は日本だけである。 統計上神道が約1億600万人、仏教が約9,200万人の信者数を誇るのに対し、キリスト教の信徒数は約260万人程度であり、人口比では明治維新以後に1%を超えたことはない(日本におけるカトリック信徒の人口比率は0.3%程度であるが、長崎県では約4%である)。しかし、ミッションスクールや、90年代の半ばから流行したキリスト教会の結婚式、クリスマス(ただし商業主義要素が強い)などは、人気を集めて定着している。 増えない理由の考察としては、 インテリで留まって庶民に入らなかった 一神教が八百万の神の信仰と合わない キリスト教と教義が近い浄土真宗、布教活動が激しい日蓮系教団などの存在 西欧に占領されなかった などがあるが、定説は無い。 1970年以降になると、韓国人宣教師の来日が相次いで「韓国を宣教の救世主のようにみる動きが目立つようになった」とされ、統一協会や摂理などが社会問題化するほか、正統派の教会では韓国人宣教師によるセクハラ裁判などの冤罪事件が起きているが「韓国の協力がないと(国内の教会は)やっていけなくなる」「いろんなルートで宣教師たちが入ってくるので、信頼できる人なのかをこちら側で見極めるのは難しい」(日本福音同盟の中島秀一理事長)という状況となっている。 なお、日本では行政や文化政策において、国民の信仰が何であるかということは重要視されていないため、詳細な統計は行われたことがない。そのためキリスト教徒に限らず、神道、仏教なども含めて、日本国内における全宗教の正確な信徒の数は不明である。実際、これらの信徒の数を単純に合計すると日本の人口を遥かに超えるが、これは各宗教団体による自己申告の数値に基づいており、また1人が複数の宗教に帰属することによる重複があることも1つの要因と考えられる。
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