神神の微笑とは? わかりやすく解説

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かみがみのびしょう〔かみがみのビセウ〕【神神の微笑】


神神の微笑

作者芥川龍之介

収載図書芥川龍之介全集 4
出版社筑摩書房
刊行年月1987.1
シリーズ名ちくま文庫

収載図書奉教人の死煙草と悪魔11
出版社岩波書店
刊行年月1991.8
シリーズ名岩波文庫

収載図書芥川龍之介全集 第8巻 上海游記 藪の中
出版社岩波書店
刊行年月1996.6

収載図書ザ・龍之介芥川龍之介全一増補新版
出版社第三書館
刊行年月2000.7

収載図書奉教人の死煙草と悪魔・他十一
出版社岩波書店
刊行年月2002.12
シリーズ名岩波文庫

収載図書大活字版 ザ・龍之介全小全一
出版社第三書館
刊行年月2006.7

収載図書芥川龍之介全集 第8巻 上海游記藪の中
出版社岩波書店
刊行年月2007.8


神神の微笑

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/29 15:22 UTC 版)

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神神の微笑
作者 芥川龍之介
日本
言語 日本語
ジャンル 短編小説
発表形態 雑誌掲載
初出情報
初出新小説1922年1月号
刊本情報
収録 『春服』
出版元 春陽堂
出版年月日 1923年5月
ウィキポータル 文学 ポータル 書物
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神神の微笑』(かみがみのびしょう)は、芥川龍之介小説1922年大正11年)に『新小説』にて発表された。芥川の小説のジャンル「切支丹物」のひとつ。宣教師オルガンティーノが、記紀神話の神から、「外国から伝来した文化を元に、独自の文化を作り上げる」日本人の特性を学ぶというストーリー。いわば「日本人論」をモチーフにした作品である。

あらすじ

京都南蛮寺。夕暮れの庭を歩く宣教師オルガンティーノは、言いようの無い不安に襲われていた。数十年来の布教活動が実り、今や日本国内のキリシタンは万を数えるほどにまで増えた。しかし、この国は岩から草木に至るまで、言いようの無い「霊気」に満ち満ちている。我らが「でうす如来」は、それに打ち勝てようか……。庭先の枝垂れ桜を見るたびに、不安は募るばかりだった。

おののくオルガンティーノは「でうす如来」に夕暮れの祈祷を捧げ、日本の神霊と戦う自身への加護を求める。その瞬間、彼の目前に異様な光景が繰り広げられる。それは、記紀神話「天岩戸」の場面だった。衝撃を受けたオルガンティーノは卒倒し、深夜になってようやく意識を取り戻す。「この国の霊と闘うのは存外難しい」とおののく彼の耳に、どこからか「負けですよ!」という声が聞こえてくる。

翌日、3、4人の侍が入信を求めてきた。新たな信者を得たオルガンティーノは機嫌を直し、天主教の勝利を確信する。そんな彼の前に、奇妙な老人が現れる。首に勾玉をかけた彼の正体は、日本古代の神だった。その神はオルガンティーノに語りかける。

「あなたは天主教を日本に広めようとしていますね。それも悪いことでもないかもしれません。しかしでうすもこの国に来ては、きっと最後には負けてしまいますよ。」

オルガンティーノは反論を試みるがその神は消えてしまった。

備考

  • 天岩戸の場面で天照大神が登場する場面では、別名の「大日孁貴」(おおひるめのむち)が用いられている。執筆当時の世相では、皇祖神「天照大神」を登場させるのは差し障りがあったためである。
  • 作品に登場する日本の神は、このように語る。
「私は先日、西国に上陸したギリシアの船乗りに出会いました。…今では百合若と名乗っているそうです。」

古代ギリシアの詩人・ホメロスが語る叙事詩「オデュッセイア」(英語名・ユリシーズ)が室町時代の日本に伝来して翻案され、「百合若大臣」の物語が生まれた、との説に従ったエピソードだが、この説は現在では否定されている。

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