ガメラの美術・造形とは? わかりやすく解説

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ガメラの美術・造形

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/30 06:37 UTC 版)

大怪獣ガメラ」の記事における「ガメラの美術・造形」の解説

ガメラデザインは、1964年大映から独立したばかりの八木正夫と、同じく大映美術スタッフ井上章よるものである。井上は『ガメラ対大悪獣ギロン』までシリーズ美術担当した井上本作ガメラデザイン画は50ほど描いたといい、そのなかには手足無くムカデのようにはうガメラや、テントウムシのような水玉模様ガメラもあったという。結局は「画より立体のほうが分かりやすいだろう」ということで、美術監督井上粘土製の1尺雛型モデル制作し、ここでOK出た監督湯浅憲明によると、幾度にもわたる検討に、井上最後ノイローゼ気味だったという。 ガメラ身長当時東京ビルの高さが33メートル規制されていたので、縮尺33分の1に設定しここから60メートル決まった湯浅監督は、ゴジラ差別化したガメラキャラクター付けとして「動物らしさ」を強調し四足歩行アップ多用などの基本設定考えた劇中東京タワーガメラとの対比考え小さく作っている。 ガメラぬいぐるみは、八木正夫によって製作された。八木によると、大映では怪獣造形初めてだったため、当初高山良策ガメラの製作依頼持ち込まれたが、断られたために八木のもとに依頼が来たという。八木当時日本テレビ仕事をしており、定時退社後にガメラ造形かかった。ちょうど日本テレビ労働争議騒然としており、テレビ部長は「こちらで処理するから当分来なくていいよ」と計らってくれ、このおかげでガメラ製作に専念できたという。 当初八木自宅一室の畳を上げてガメラぬいぐるみ制作していた。やがて、大映から完成急かされ八木1人ではまかなえなくなったため、父親である東宝特殊美術課八木寿に造形依頼持ち込んだが、大映東宝間の五社協定があるため、結局は八木自宅の庭に造形用のプレハブ小屋を建て、そこで八木正夫中心となって製作することとなった当時東宝特美課に在籍していた村瀬継蔵八木寿に頼まれ2人定時退社後にこれを手伝ったガメラ甲羅は、村瀬によって東宝特美課での技術応用しドンゴロス麻布)を細かく切ったものを混ぜて補強したラテックス石膏型型抜きし、作られた。八木勘寿は当時病身であったが、作業場布団持ち込み、この甲羅型抜き指導をしている。村瀬は、甲羅鱗状にしたことで、甲羅がよじれても歪みなどが目立たなくなったことを造形上の利点挙げている。 ガメラ口の開閉ギミック電飾鈴木昶が行った。火を吐くギミックは、村瀬豆腐屋で焼き豆腐焼いている様子から発想して、ガスバーナー仕込んだ。しかし、ガスバーナーでは火が遠くまで飛ばないため、ガソリン噴出させる装置別に制作しガスバーナー種火にしてガソリン着火する形となったガメラ回転して飛ぶ設定のため、湯浅らは「ガメラをどう飛ばすか」と頭を抱えたといい、回転して飛ぶ際に甲羅ペコペコではよじれるから」と、甲羅ジュラルミン入れられた。このためぬいぐるみ異常に重くなり、灯台襲撃シーンでは台車載せて引っ張らなければ撮影できなかったという。撮影途中からは軽量化図られ手直しされたが、胴体には鉄骨組み込まれ、わざと手足動かしくいよう作られていたため、重さ60キログラムほどあったという。演技者ようになった甲羅外し中に入る仕組みだった。当初甲羅四隅ボルト留める仕掛けだったが、危険なためにフック使いボルト2個で留めるよう改良された。 円盤になって空を飛ぶガメラは、3尺ほどのミニチュア用意された。ミニチュアによる噴射火炎の色は、撮影時には赤色だった。このミニチュアは、点火して飛び上がるシーンでは毎回噴射熱によりピアノ線切れてしまった。築地は「もうちょっとというところでストーン落ちる。本当にタイミングなんですよ。」と当時苦労語っている。ロングカットではアニメーション使用されたが、出来栄え迫力から、これも湯浅意見次作からは遠近ともミニチュア用いている。 ガメラ本体も、頭や手足引っ込むものや遠景用のものなど、八木らによって大小さまざまなミニチュア作られた。モーター仕込み手足の動くミニチュアは、『対ジグラ』まで使われたという。

※この「ガメラの美術・造形」の解説は、「大怪獣ガメラ」の解説の一部です。
「ガメラの美術・造形」を含む「大怪獣ガメラ」の記事については、「大怪獣ガメラ」の概要を参照ください。

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