ガメラの炎
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/30 06:37 UTC 版)
ガメラが口から吐く火炎は、従来の東宝怪獣のような光学合成ではなく、実際に加圧したガソリンをプロパンガスで噴出して熱したニクロム線で着火した。実物の炎を使ったのは湯浅の意見だった。八木ら造形スタッフは当初、ガメラが火を吐くということを知らされておらず、演技者が入ったまま火を吐かせているのを見て驚いたという。村瀬らは本物の火を使うということで、ガメラの口に石綿を貼り付けてラテックスを塗り、火炎放射の撮影ごとに塗り直して対処した。FRP製の歯は燃えてしまうため、予備が用意されていた。怪獣映画の撮影自体初体験である湯浅と築地の両監督以下、特撮スタッフはガメラが火を吐いただけで「出たよ!」と大喜びだったという。ガメラが海上の炎の帯で伊豆大島に誘導されるシーンは、水面すれすれに設置した樋にガソリンを流して点火した。ガメラが炎を飲み込むカットは、フィルムの逆転で表現した。 当初は演技者が入ったまま火炎放射を行ったが、やはり危険なために演技者無しで撮影するようになった。この頃、水中から現れた後に演技者無しのガメラが火を吐くシーンでガソリンが暴発し、ぬいぐるみが破壊されて1週間撮影が中断してしまったことがあった。奇跡的に怪我人はなかったという。このときちょうどプロデューサーの斉藤米二郎が見学中だった。斉藤は「(本社と現場に挟まれて)普段ブーブー言ってるから、わざとやったんじゃないかと」と笑っている。火薬の量も試行錯誤で、飛行シーンでもよく爆発があったという。湯浅は「火薬は出たとこ勝負で、量を一ひねり多く詰めるだけで全然違っちゃう」と語っている。
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