インスリン分泌促進薬、SU薬とその関連薬とは? わかりやすく解説

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インスリン分泌促進薬、SU薬とその関連薬

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 01:55 UTC 版)

経口血糖降下薬」の記事における「インスリン分泌促進薬、SU薬とその関連薬」の解説

一般名血中半減期hr作用時間hr一日使用量(mg薬効参考グリベンクラミド 2.7 1224 1.25~7.5 強 グリクラジド 6~12 624 40120 弱い グリメピリド 1.5 6~12 1~6 中、インスリン抵抗性改善作用あり スルフォニル尿素SU薬)には、比較長い使用の歴史がある。抗生物質開発中副作用低血糖起きて薬効発見された。1950年代から使用されている。開発された順に第一世代第二世代第三世代分類される第一世代にはトルブタミドなど薬理学的には重要な薬物含まれているが、近年新規に処方されるはほとんど第二世代第三世代なのでそれらを表にまとめた。 作用機序としては、膵臓のランゲルハンス島β細胞SU受容体のSUR1サブユニット結合しATP依存性Kチャネル抑制することによってインスリン分泌促進させるSU経口投与可能であり、肝臓代謝される。おもな副作用インスリン過剰分泌による低血糖である。したがって交感神経機能障害されている患者意識障害がある患者低血糖認識できない高齢者低血糖に対して適切に対応できない患者は慎重投与する必要があるまた、グリベンクラミドおよびグリメピリド活性代謝物の腎排泄性が高いために糖尿病性腎症進行に伴う腎機能低下により、遷延性低血糖起こしやすい。したがって腎臓機能低下認められ場合代謝物活性が低いグリクラジドやミチグリニドカルシウム水和物、超持続以外のインスリン自己注射への変更考慮していく必要があるSU薬基本的にインスリン基礎分泌促進するであるため食前低血糖起こしやすく、インスリン追加分泌促進しないため、食後高血糖管理困難になりやすい。このため平均血糖値反映する指標であるHbA1c値のみで効果判定を行うと、コントロール良好であったにも関わらず心筋梗塞といった大血管障害が起こる可能性がある。インスリン分泌高めることは同化反応亢進させ、体重増加起こしインスリン抵抗性悪化させることもある。これも空腹時低血糖により過食となり食事療法乱れた場合との区別難しい。第三世代アマリール従来SU薬が持つインスリン分泌作用のほかインスリン抵抗性改善作用があると考えられており、副作用による体重増加少ない。そのため、空腹時低血糖による食事療法乱れなども発見しやすく好まれる傾向がある。 2008年現在、SU薬軽症糖尿病場合はあまり用いられなくなっている。重症糖尿病の場合は、高血糖持続β細胞破壊という糖毒性起こし、またインスリン抵抗性悪化よりSU薬効果がなくなる二次無効という現象知られている。日本場合緩徐進行1型糖尿病 (slowly progressive IDDM) が多いため、抗GAD抗体測定といった精査必要だが、2型糖尿病二次無効ならば多剤併用療法考慮する空腹時低血糖起こしやすいため、そのような時間帯悪心、強い空腹感倦怠感発汗震え感じた食事療法関係なく、糖分補給が必要であることの説明が必要である。α-GI併用時はブドウ糖補給しなければ低血糖治療ならないことに注意が必要である。空腹時低血糖意識障害を招くだけでなく、虚血性心疾患網膜症増悪させる可能性がある。 かつての大規模比較試験UGDPではSU薬虚血性心疾患危険についての指摘があった。1976年米国SU薬のひとつであるトルブタミド(ジアベン)が心血管疾患による死亡率増大する報告された。この研究に対して批判多かったが、その後クロルプロパミド(ダイアビニーズ)、グリベンクラミドなどを用いたいくつかの研究その結果確認されている。SU薬が、膵β細胞だけでなく心臓の動脈冠動脈)にも作用し心筋梗塞などの経過悪影響与えることが原因とする説がある。この考えに基づくと、グリメピリドグリニド系の薬剤心臓作用し難いことが判っているので、これらはこの観点からは安全な薬剤考えることもできる。あまり知られていないが、UKPDS34ではメトホルミンSU薬併用することによって心血イベントリスク増加するという指摘がある。大血管障害食後血糖値増加するといった血糖値大きな振れ影響しているという説もあり、決着はついておらず次の大規模比較試験報告によって解釈変わり得ることに注意が必要である。糖尿病患者心筋梗塞といった大血管障害起こした場合、その原因が原疾患コントロール悪さよるものか、薬の副作用によるかは厳密に区別ができず、少なくとも医療過誤ではない。ガイドライン上も積極的に血糖値コントロールすることが合併症予防には効果があるとされている。

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