イルクート
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2014/08/05 07:27 UTC 版)
イルクート
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イルクート
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/26 16:58 UTC 版)
2番艦「イルクート」(ロシア語:≪Иркут≫、艦番号:229)は、ブリヤート自治ソビエト社会主義共和国を流れるイルクート川から命名され、1975年4月11日に進水、12月に太平洋艦隊に就役した。 1990年代前半、太平洋艦隊はマイケル・マイゼルが社長のナショナルパシフィック社に、保有する補給艦やタンカーをリースした。しかしナショナルパシフィック社が銀行から5万ドルの融資を受けた直後に解散したため、利息を含む7万ドルを太平洋艦隊が肩代わりすることとなった。返済のために、マイゼルの友人エフゲニー・ソコロフが社長の有限責任会社(英語版、ロシア語版)オイル・コンパクト社が太平洋艦隊のタンカーを運用することになった。この頃から2000年代初めまで、太平洋艦隊では民間企業にリースした支援艦艇がロシア国外で無断で売買される例が相次いだ。「イルクート」も国有財産委員会の禁止命令に反して、スクラップとして24万ドルでオイル・コンパクト社に売却されようとした。このため、ロシア国防省とイーゴリ・セルゲーエフ元帥の権限で、「イルクート」は1996年7月13日に艦隊に復帰した。 「イルクート」は1996年7月13日から2000年まで民間企業によってチャーターされ、民間船舶のIMO番号(7359321)や「NO SMOKING(禁煙)」の表記が見られる。復帰後は、姉妹艦の「ペチェンガ」などの補給艦や給油艦と共に、第31保障船舶旅団(母港:ウラジオストク)の第1補助艦集団に所属している。 2009年3月29日、「イルクート」は対ソマリア沖海賊任務部隊としてウダロイ級駆逐艦「アドミラル・パンテレーエフ」、改アルタイ型給油艦「イジョーラ」、ソルム型航洋曳船「MB-37」と共に出航し、4月1日には対馬海峡を通過するのを日本の海上自衛隊に所属するP-3C哨戒機が確認した。「イルクート」を含む任務部隊は、4月下旬から6月上旬まで船団護衛に加わり、海賊29人を拘束するなど活躍した。帰途、「イルクート」と「アドミラル・パンテレーエフ」はベトナムのダナンに寄港し、6月28日には対馬海峡を通過後、7月1日に帰還した。 2011年9月9日には、スラヴァ級巡洋艦「ヴァリャーク」をはじめとする太平洋艦隊の艦船23隻と艦隊を編成し、宗谷岬沖を東航するのを海上自衛隊のP-3C哨戒機が確認した。これらの艦隊は、カムチャツカ半島東岸で大規模な演習を実施し、「イルクート」と「ヴァリャーク」、ソルム型航洋曳船「MB-61」は9月25日から9月29日にかけて舞鶴港に寄港し、海上自衛隊との捜索・救難共同訓練に参加した。11月には、「ヴァリャーク」と共に、アメリカ第7艦隊との合同訓練に参加したほか、カナダのバンクーバー港に寄港した。乗組員はカナダ海軍司令部や市役所の表敬訪問したほか、無名戦士記念碑での式典やスポーツ大会に参加した後、11月29日に津軽海峡を通過するのを海上自衛隊のあさぎり型護衛艦「ゆうぎり」が確認した。 2012年10月、対海賊第8次任務部隊としてウダロイ級駆逐艦「マーシャル・シャポシニコフ」、イングル級航洋曳船「アラタウ」と共に派遣されることになり、12月3日に出航した。途中、インドのムンバイに寄港してインド海軍と合同訓練「インドラ2012」を実施した。任務部隊は12月末にアデン湾に到着し、2013年1月15日からギリシャやパナマ船籍の商船隊の護衛を始め、3月4日まで任務を行った。 2013年7月13日と19日、「ヴァリャーク」をはじめとする太平洋艦隊の艦船15 – 18隻と艦隊を編成し宗谷岬沖を通過するのを海上自衛隊のP-3C哨戒機が確認した。12月14日にはウダロイ級駆逐艦「アドミラル・ヴィノグラドフ」、ネフテガズ型航洋曳船「カラル」と共に対馬沖を航行するのを海上自衛隊のP-3C哨戒機が確認した。3隻は12月16日から21日から、と共に海上自衛隊との捜索・救難共同訓練に参加し、舞鶴港に寄港した。 2014年3月から5月にかけて、「マーシャル・シャポシニコフ」「アラタウ」と共にインド洋への遠征航海に参加した。3月17日に対馬海峡を通過した艦隊は、3月29日から4月1日にはインドネシア海軍主催の多国間共同訓練「コモド」へ参加し、その後カラチ(パキスタン)、コロンボ(スリランカ)、ヴィクトリア(セーシェル)、カムラン(ベトナム)を訪問した。カムランにロシア海軍の艦隊が寄港するのは2001年以来のことだった。 2016年3月には、「アドミラル・ヴィノグラドフ」、バグラザン級救難曳船「フォーチィ・クリロフ」と共に対海賊任務部隊としてアデン湾に派遣された。往路の3月28日、対馬海峡を南下する3隻を海上自衛隊のすがしま型掃海艇「とよしま」が発見した。帰還中の6月9日には、日本と中国で領有権問題がある尖閣諸島の接続水域を中国人民解放軍海軍の江凱型フリゲートと通過した。駐日ロシア大使館はツイッターで通常の航行とツイートしたが、中国が自国の軍艦の航行を正当化するのに利用されたと指摘されている。 2019年4月1日、ウダロイ級駆逐艦「アドミラル・トリブツ」「アドミラル・ヴィノグラドフ」と共に、アジア太平洋地域への長距離航海に出発した。4月29日から5月4日には、ロシア海軍と中国人民解放軍海軍の合同海軍演習「海上連合2019」に参加した。 2020年3月26日、「アドミラル・ヴィノグラドフ」と共に対馬海峡を南下するのを海上自衛隊のP-3C哨戒機とむらさめ型護衛艦「むらさめ」が確認した。 2021年5月16日、「アドミラル・パンテレーエフ」と共に宗谷岬沖を東進するのを海上自衛隊が確認し、はやぶさ型ミサイル艇「くまたか」が接触して情報収集にあたった。
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