よだかの星とは? わかりやすく解説

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よだかの星

作者宮沢賢治

収載図書宮沢賢治童話大全
出版社講談社
刊行年月1988.9

収載図書風の又三郎
出版社旺文社
刊行年月1989.4
シリーズ名必読名作シリーズ

収載図書風の又三郎宮沢賢治童話集
出版社第三文明社
刊行年月1989.7
シリーズ名少年少女希望図書館

収載図書幻想文学館 3 奇妙な動物の話
出版社くもん出版
刊行年月1989.8

収載図書銀河道鉄の夜
出版社集英社
刊行年月1990.12
シリーズ名集英社文庫

収載図書ちくま日本文学全集 003 宮沢賢治
出版社筑摩書房
刊行年月1991.3

収載図書長岡輝子宮沢賢治を読む 8 よだかの星
出版社草思社
刊行年月1991.4
シリーズ名草思社CDブック

収載図書銀河鉄道の夜
出版社講談社
刊行年月1995.4
シリーズ名ポケット日本文学館

収載図書賢治童話
出版社翔泳社
刊行年月1995.9

収載図書宮沢賢治 童話への招待作品資料
出版社おうふう
刊行年月1995.11

収載図書銀河鉄道の夜
出版社角川書店
刊行年月1996.5
シリーズ名角川文庫

収載図書宮沢賢治作品
出版社信山社
刊行年月2000.4
シリーズ名黒沢文芸・文化シリーズ

収載図書風の又三郎
出版社岩波書店
刊行年月2000.11
シリーズ名岩波少年文庫

収載図書現代文学名作
出版社明治書院
刊行年月2003.4

収載図書どんぐりと山猫雪渡りほか
出版社教育出版
刊行年月2003.9
シリーズ名読んでおきたい日本名作

収載図書宮沢賢治童話集心に残るロングセラー名作10話
出版社世界文化社
刊行年月2004.3

収載図書脳を鍛え大人名作読本 2 よだかの星・一房の葡萄
出版社くもん出版
刊行年月2004.7

収載図書賢治
出版社パロル舎
刊行年月2004.9

収載図書一冊で読む日本名作童話
出版社小学館
刊行年月2004.11

収載図書風の又三郎
出版社ポプラ社
刊行年月2005.10
シリーズ名ポプラポケット文庫

収載図書宮沢賢治/早川孝太郎
出版社新学社
刊行年月2005.12
シリーズ名近代浪漫派文庫

収載図書勇気―愛・信頼協調
出版社日本漢字能力検定協会
刊行年月2006.11
シリーズ名漢検

収載図書ザ・賢治―全小全一冊 グラスレス眼鏡無用 大活字版
出版社第三書館
刊行年月2007.1

収載図書三色ボールペン名作
出版社角川書店
刊行年月2007.4

収載図書宮沢賢治―1896-1933
出版社筑摩書房
刊行年月2007.11
シリーズ名ちくま日本文学

収載図書風の又三郎宮沢賢治童話集 2 新装版
出版社講談社
刊行年月2008.10
シリーズ名講談社青い鳥文庫

収載図書名作童話 宮沢賢治20
出版社春陽堂
刊行年月2008.11

収載図書よだかの星
出版社SDP
刊行年月2008.11
シリーズ名SDP Bunko

収載図書子どもに伝えたい日本名作建長寺親と子土曜朗読会から
出版社かまくら春秋社
刊行年月2008.11


よだかの星

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/15 02:07 UTC 版)

ヨタカ Caprimulgus indicus

よだかの星』(よだかのほし)は、宮沢賢治短編小説童話)。1921年頃に執筆されたと考えられ、賢治の没年の翌年(1934年)に発表されている。

あらすじ

主人公である鳥のよだかは、美しいはちすずめかわせみの兄でありながら、容姿が醜く不格好なゆえに鳥の仲間から嫌われ、からも「たかの名前を使うな、市蔵にせよ」と改名を強要され、故郷を捨てる。

自分が生きるために「たくさんの虫の命を奪っている」ことに嫌悪して、彼はついに生きることに絶望し、大空の太陽へ向かって飛びながら、「焼け死んでもいいからあなたの所へ行かせて下さい」と、太陽に願う。だが、太陽に「お前は夜の鳥だから星に頼んでごらん」と言われて、星々にその願いを叶えてもらおうとするが、相手にされない。

居場所を失い、命をかけて夜空を飛び続けたよだかは、いつしか青白く燃え上がる「よだかの星」となり、今でも夜空で燃える存在となる。

背景

電波望遠鏡が捕らえた残留熱を放つチコの星(左上のバラ状のガス)

よだか(ヨタカ)とハチスズメ(ハチドリ)およびカワセミは比較的に類縁関係が近く、分類学的には的を射た設定と言われている[1]。さらに当時は同じブッポウソウ目に分類されていたとされている[2]

西の青白い星とは、オリオン座リゲル[3]、南の青、紫、黄にまたたく星とは、おおいぬ座シリウスを指すといわれている[4]

「よだかの星」がどの星かは特定されていないが、1572年にカシオペヤ座に出現してシリウスよりも10倍明るく輝いたチコの星を連想させる[誰によって?]。『銀河鉄道の夜』でも示されているように宮沢賢治は天文学にも詳しく、この有名な超新星を念頭においていたとも言われている[5][6]

日本の評価

かつて国語の教科書にも採用された、有名な作品である。小学生向けには、弱い者いじめや外見の美醜による差別の否定といった教訓が中心となるが、より核心的に見れば、自らの「存在」への罪悪感から体を燃やして星へと転生するよだかの姿は、賢治の仏教思想(日蓮宗の系統)と併せて、彼が終生抱き続けた「自らの出自に対する罪悪感」を色濃く反映したものとして、宮沢賢治を論じる際にしばしば引き合いに出される[7]。また、賢治の「自己犠牲」の物語[注 1]の系譜に位置づけられている。

日本国外での見方

1996年、賢治の生誕100周年を記念して開催された「宮沢賢治国際研究大会」においては、以下のような意見がみられた。

韓国からの参加者は、よだかはコミュニティーから排除されて初めて、弱い虫の存在に気づくことができたと読み、よだかの最期については、自分の飛翔力を出し切って死をもって自己表現を果したと指摘。一方インドからの参加者はこの作品は、非暴力は最終的に暴力よりも(現状の)破壊力を持つというガンディーの思想と共通していると評価。よだかの最期については心身が清い者ゆえに星になれたのだと読み、インド哲学との共通性を感じ取り、よだかが目的を果たせたのは自分の問題から逃げないで解決法を見つけて、自力でなしとげることを決意したからであると分析している。2人とも共通して、逃避よりむしろ自分の名を守りぬいたことに重点をおいた発言をしている[8]

舞台

CLIEの「極上文學」シリーズ第12弾として、2018年3月に『風の又三郎』とともに上演された[9][10]

スタッフ[9]

その他

2022年の大学入学共通テスト(センター試験)の国語に使用された檜垣立哉の『食べることの哲学』の引用箇所に、本作に言及した部分が含まれていた[11]

ヨルシカのファーストアルバム『夏草が邪魔をする』(2017年)の収録曲「靴の花火」のモチーフになっている[12]

脚注

注釈

  1. ^ 例えば、異常低温による凶作から大勢の人々を救うため、自らの命を投げうって火山を爆発させる『グスコーブドリの伝記』など。

出典

  1. ^ 教育博物館特集コラム『ハチドリとタイヨウチョウ特集』
  2. ^ 「東京帝室博物館・天産部 列品案内目録」
  3. ^ 『宮沢賢治語彙辞典』113頁
  4. ^ 加倉井厚夫著『宮沢賢治大辞典』276頁
  5. ^ 『宮沢賢治語彙辞典』719頁 ISBN 9784487731503
  6. ^ 読書教育データベース【よだかの星】 Archived 2014年2月3日, at the Wayback Machine.
  7. ^ 一例として見田宗介『定本見田宗介著作集 IX』岩波書店、2012年、pp.116 - 117(初出は『宮沢賢治 - 存在の祭の中へ』岩波書店<20世紀思想家文庫>、1984年)
  8. ^ 環境イーハトーブ『宮沢賢治国際研究大会』より Archived 2013年10月3日, at the Wayback Machine.
  9. ^ a b “「極上文學」第12弾上演決定、題材は宮沢賢治「風の又三郎・よだかの星」”. ステージナタリー. (2017年5月3日). https://natalie.mu/stage/news/231322 2017年5月4日閲覧。 
  10. ^ ■12th <kaze-yodaka> - MAG.net公式サイト『極上文學』
  11. ^ 〈書評〉解かずに読む共通テスト2022 - 京都大学新聞(2022年2月16日)
  12. ^ 風間大洋 (2018年5月9日). “ヨルシカ スランプを抜け出した先にn-bunaが見た世界(3/3ページ)”. 音楽ナタリー. 2024年11月12日閲覧。

参考文献

  • 渡部芳紀編『宮沢賢治事典』、勉誠出版、2007年。


外部リンク



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