破竹
「破竹」とは、竹を割ることを意味する表現。
「破竹」の基本的な意味
「破竹」とは、竹を割る様子を意味する表現である。竹は、最初の一節に力を加えると一気に割れる性質を持ち、竹を割った時のように勢いがある様を表す。また、竹が一挙に割れる様子から一瞬・瞬時という意味も持つ。「破竹」のことわざ「破竹の勢い」の略としても用いられる。「破竹」の語源・由来
「破竹」は、「引き裂く」や「物を壊す」という意味の「破」と「竹」で成り立つ。転じて、勢いのある様を意味し「破竹の勢い」ということわざに使われている。「破竹の勢い」は、竹が一気に割れるように勢いよく進むことや止められないほど勢いが盛んなことを意味する。「破竹の勢い」は「破竹之勢」とも言い、中国の古典に由来する故事成語のひとつである。中国の二十四史の中のひとつである「晋書」の杜預伝に「譬如破竹」という表記がある。これは、武将であった「杜預(とよ)」の言葉で、「例えるなら竹を裂くような勢いがある」という意味がある。杜預は、晋の武将として活躍し呉を滅ぼした名将としても知られている。晋が呉を攻める時に、夏場の疫病を防ぐなどの理由から様子を見るべきという周囲の意見がある中で、杜預は呉の勢いが弱まっていることを察知していたため、一気に攻め入ることを進言したとされている。結果、晋は呉を滅ぼし三国統一が成し遂げられたという。この故事が「破竹の勢い」の由来である。
「破竹」を含む熟語・言い回し
竹を割った時のように一気に勢いが増す様から「破竹の勢い」「破竹の快進撃」「破竹の如し」などのように使われる。「破竹」の使い方・例文
「破竹」は「破竹の勢い」の意味で使われることがほとんどであり、勢いのある人やもの、組織などに対して使うことが可能である。スポーツやビジネスシーンなど様々な場面で使用される。単に勢いがあるだけではなく、止められない・追いつかないほどの勢いがある場合に使われることが多い。・彼女の破竹の快進撃が止まらない。世界記録を塗り替えるのではないだろうか?
・彼が入社してから、営業部の売上が破竹の勢いで伸びている。
・このチームの活躍は、まさに「破竹の如し」で目を見張るものがある。
・IT関連の会社は破竹の勢いで急成長を遂げている。
・昨年、デビューしたと思ったら破竹の勢いでスターダムにのし上がった。
・シーズン当初は成績が振るわなかったが、途中から破竹の勢いで勝ち続けている。今後の展開が楽しみだ。
・ベンチャー企業の業績が破竹の勢いで伸び、同業他社から注目されている。
・実力と経験が豊富な彼は、転職先で破竹の勢いで出世している。
また、「破竹の勢い」の類語には、空を飛んでいる鳥も落とすような勢いという意味で権力や威勢が盛んな様子を表す「飛ぶ鳥を落とす勢い」、朝日が昇るように勢いが盛んな様子を意味する「日の出の勢い」「旭日昇天の勢い」、どんな相手にも負けない様子を表す「向かう所敵なし」、荒れ狂う大波のように規模や勢いの程度が極めて激しい様子を意味する「怒涛の如く」、調子よく勝ち進むことを表す「快進撃」、勢いよく昇っていく様を表す「昇竜の勢い」などがある。
「淡竹」の誤用としての「破竹」
「淡竹(はちく)」は中国原産の竹の一種である。「淡竹(はちく)」はイネ科の植物で、直径3~10cm、高さが10~15m程の大型種。耐寒性があるため寒い地域でも生育し、孟宗竹や真竹に次いで日本でも植栽されている竹である。「淡竹」は、稈の色が淡い緑色であることに由来する。節には2つ環があり、質が堅く細く割れることから茶筅などの茶道具、提灯や傘の骨などに利用されている。皮は草履や包装用、タケノコは食用にもなる。「呉竹」「アワダケ」「唐竹」とも言う。一方、「破竹(はちく)」は竹を割る様子を意味する表現であり、特定の竹を指すものではない。「淡竹」を「破竹」とするのは漢字の誤用である。
は‐ちく【▽淡竹】
読み方:はちく
イネ科の植物。高さ約10メートル。質は堅く、表面に白粉がつき、節に二環がある。茶筅(ちゃせん)・提灯・傘の骨などに使われ、竹の皮は草履や包装用、竹の子は食用とする。中国の原産。呉竹(くれたけ)。唐竹(からたけ)。
は‐ちく【破竹】
はちく (淡竹)
「はちく」の例文・使い方・用例・文例
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