すねおりのあまごいぎょうじとは? わかりやすく解説

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脚折の雨乞行事

名称: 脚折の雨乞行事
ふりがな すねおりのあまごいぎょうじ
種別1: 風俗習慣
保護団体名: 脚折雨乞行事保存会
選択年月日 2005.02.21(平成17.02.21)
都道府県(列記): 埼玉県
市区町村(列記): 鶴ヶ島市脚折
代表都道府県 埼玉県
備考
解説文:  脚折の雨乞行事は、埼玉県鶴ヶ島市脚折地区に伝わる巨大な蛇体用いた雨乞い行事で、竹や麦藁などで作られ蛇体大勢男性たちが担いで地区内を練り歩いた後、池の中に入れ降雨五穀豊穣祈願するのである
 鶴ヶ島市は、埼玉県中南部高麗【こま】川と小畦【こあぜ】川に挟まれ入間台地位置する雨乞行事伝承される脚折地区は、市域北部にあり、畑作盛んに行われてきたところである。水田がわずかであった当地では、陸稲主要な作物としてきたが、その収穫量は夏の降水量によって大きく左右されたため、稲の穂出始め七月末から八月初旬にかけて起こる旱魃対し大きな蛇体作って天の恵み祈ってきたのであった文化年間一八〇四~一八)に編纂された『新編武蔵風土記稿』の脚折の項には、「陸田多し……まま旱魃を患れども水損の害なし」とあり、当地がしばしば水不足悩まされてきたことが知られる
 この行事は、夏の旱魃時に行われてきたものであるが、昭和三十年代半ばころから行事担い手であった専業農家がしだいに減少していったため、昭和五十年代に入ると脚折雨乞行事保存会組織され、四年に一度八月一日期日定めて公開となり、現在に至っている。
 雨乞行事登場する蛇体は、長さ三〇メートル以上、重さトン超える巨大なもので、口を開いた大きな頭部をもち、大蛇あるいは龍などと呼ばれている。蛇体の製作は、麦藁孟宗竹などを主な材料として行事一週間前に地区内にある白鬚しらひげ神社南側路上行われる。まず竹で本体骨組み作り担ぎ竹を取り付けた後、束を幾重にも重ねて肉付けし、尾に向かって徐々に細くなるように形を整えていく。最後に全体熊笹覆い頭部宝珠や角、耳、目、鼻などを取り付け、尾に尻剣【しりけん】と呼ばれる作り物の剣を挿して完成となる。また、行事前日には、雷除け雨乞いなどで関東一円信仰集め群馬県板倉町雷電らいでん神社地区の代表が参り龍神棲むとされる御手洗みたらし】沼の霊水竹筒入れて持ち帰り行事備える。
 八月一日は、正午ころに白鬚神社祭典が行われた後、三〇〇人ほどの男性たちが蛇体担いで神社出発する一行は、雷電大神らいでんおおかみ】や天水分神【あめのみまくりのかみ】などの神名書かれ幟旗伴い法螺貝太鼓先導されながら地区内を練り歩き神社から約二キロメートル離れた雷電池かんだちがいけ】に向かう。雷電池は、近世には夕立有名な景勝地として知られ、現在は児童公園として整備されているものの、かつては老樹うっそうと茂り地下水豊かに湧き出る大きなであったといわれている。
 一行雷電池に着くと、白鬚神社末社で、池の畔に祀られている雷電社修祓が行われ、次いで板倉雷電神社から運んできた御神水が池に注がれる。そして、幟旗が池の真ん中立てられると、蛇体ゆっくりと池に入れられ担ぎ手は水しぶき浴び蛇体をうねらせながら池の中を周回する法螺貝太鼓の音が鳴り響く中、「雨降たんじゃく、ここにかかれ黒雲」と降雨を願う掛け声加わりまた、尻剣で水面激しく叩かれ蛇体周回するごとに池の中は泥水化しながら喧噪増していく。こうした一連の騒ぎや池の掻き回す行為は、聖地を穢【けが】して水神怒らせを誘うために行うものといわれる。蛇体が池の中を何周かすると、担ぎ手の男性たちがいっせいに取り付きや笹などを掻きむしって短時間のうちに解体する。池の中に散乱した麦藁は畑の堆肥として利用され宝珠蛇体の目などは先を競って奪い合いとなり、縁起物として家に持ち帰られる



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