こんてむつすむんぢとは? わかりやすく解説

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こんてむつすむんぢ〈吉利支丹版京都刊/慶長十五年〉

主名称: こんてむつすむんぢ〈吉利支丹版京都刊/慶長十五年〉
指定番号 1555
枝番 00
指定年月日 1952.07.19(昭和27.07.19)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 書跡・典籍
ト書
員数 1冊
時代区分 江戸
年代 1610
検索年代
解説文: 江戸時代作品

キリストに倣いて

(こんてむつすむんぢ から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/09/22 07:44 UTC 版)

15世紀の写本。ブリュッセル王室図書館蔵。

キリストに倣いて』(キリストにならいて、De imitatione Christi)は、トマス・ア・ケンピスによって書かれた本である。「第二の福音書」「中世の最高の信心書」とも言われ、聖書に次いでカトリッククリスチャンの霊的修練の書として識字階級に広く読まれ、親しまれている。修道者が修道者のために書いた本であるが、一般の修得書でもある[1]

より長い題名は『キリストに倣うこと、およびすべての世俗的な虚栄を厭うこと』(De imitatione Christi et contemptu omnium vanitatum mundi)となる。ラテン語によって『イミタティオ・クリスティ』とも呼ばれる。『コンテンプトゥス・ムンディ』(Contemptus Mundi、世を厭う事)という題でも知られる。

概要

ラテン語の原書は匿名で1418年ごろに出された。他の著者説もあったが、現代ではケンピスの著書とみなされている。

「キリストに倣いて」は、14世紀から15世紀の神秘的ドイツ・オランダ学校の文書であり、宗教改革前のカトリック・キリスト教のもっとも偉大なディヴォーションの手引きの一つと認められている。 イエズス会は公式に訓練で使用する。ローマ教皇を中心とするカトリック教会だけでなく、多くのプロテスタントもこの本に高い評価を与えている。

写本の時代から広く俗語に翻訳された。もっとも多いのはオランダ語で80種類の写本がある。ドイツ語訳は1434年のものがもっとも古く、フランス語訳は1447年のものが古い。他にイタリア語やポルトガル語への翻訳も現れた[2]:60-61。1472年にアウクスブルクで初めて印刷され、インキュナブラはラテン語のものが60種類以上、俗語への翻訳が40種類以上ある[2]:62。1500年から1650年の間に639種類もの版が出現し、その中にはハンガリー語、チェコ語、ポーランド語、ウクライナ語などへの翻訳も含まれる。この時期にこれほど多様な言語で出版された書物は聖書以外には存在しない[2]:1

フランスでは1650年代にピエール・コルネイユによってフランス語の韻文に翻訳されたものが有名である。この翻訳は18世紀末までに2300版を超え、240万部近くを売りあげた[3]。19世紀にはフェリシテ・ド・ラムネーによる新しい翻訳が出版された。

日本では16世紀後半に『こんてむつすむんぢ(世のはかなさ)』として翻訳され、ローマ字版が1596年天草で、漢字ひらがなの木活字版1610年に京都の原田アントニヨ印刷所で刊行された[4][5]

逸話

ジョン・ウェスレージョン・ニュートンは、回心に影響を与えた著書としてあげている。チャールズ・ゴードン将軍はこの書を持って戦場に赴いた。

構成

  • 第一巻 霊的生活に役立つ勧めはここにはじまる  
  • 第二巻 内的生活のための勧めはここにはじまる
  • 第三巻 内的な慰めの書はここにはじまる
  • 第四巻 聖体拝領への信心の薦めはここにはじまる[6]

日本語訳

  • 『キリストに倣いて』翻訳・発行 - 光明社(札幌市)、初版1948 - 重版度々(第十版1992)
  • 『キリストにならいて』 池谷敏雄訳、新教出版社、1955、改訂版1984
  • 『キリストにならいて』 大澤章呉茂一訳、岩波文庫、1960 - 度々復刊
  • 『イミタチオ・クリスティ キリストにならいて』 永野藤夫・呉茂一訳、講談社、1975/講談社学術文庫、2019
    • 『イミタチオ・クリスティ』永野藤夫訳(改訳版)、「エルサレム文庫」エルサレム宗教文化研究所、1986
  • 『キリストにならいて イミタチオ・クリスチ』 由木康訳、教文館、1973、新版2002ほか - 著者名はヘーラルト・ホロート表記
  • 『キリストにならう』 フェデリコ・バルバロ訳、ドン・ボスコ社、改訂版2001、三訂版2022
  • 『涙の谷における薔薇の園 キリストに魂の癒しを求めて』 浅井太郎訳、アドスリー、2010
  • 『キリストを生きる』 山内清海訳、文芸社、2017

キリシタン版

脚注

  1. ^ 『キリストにならう(De imitatione Christi)』フェデリコ・バルバロ訳、ドン・ボスコ社、改訂版第6版、2015年7月7日。1-2頁。ISBN 978-4-88626-325-4
  2. ^ a b c Maximilian Von Habsburg (2011). Catholic and Protestant Translations of the Imitatio Christi, 1425-1650: From Late Medieval Classic to Early Modern Bestseller. Ashgate Publishing. ISBN 0754667650 
  3. ^ THOMAS A KEMPIS & Pierre CORNEILLE: L'Imitation de Jésus-Christ. Traduite en vers françois par P. Corneille, de Proyart, https://deproyart.com/litterature/poesie/l-imitation-de-jesus-christ-traduite-en-vers-francois-par-p-corneille 
  4. ^ 古巣馨『ユスト高山右近 いま、降りていく人へ』ドン・ボスコ社、3刷、2014年7月4日。125-126頁、143頁。ISBN 978-4-88626-568-5
  5. ^ 『吉利支丹文学抄』序説8-9頁、村岡典嗣
  6. ^ 『キリストにならう(De imitatione Christi)』フェデリコ・バルバロ訳、ドン・ボスコ社、2001、10-18頁。

関連項目

外部リンク



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