『日本書紀』の編纂とは? わかりやすく解説

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『日本書紀』の編纂

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 02:57 UTC 版)

日本書紀」の記事における「『日本書紀』の編纂」の解説

『日本書紀』『古事記』並び日本伝存する最も古い史書1つである。しかし『古事記』序文において編纂の経緯について説明するのに対し『日本書紀』には序文上表文無く編纂の経緯に関する記述存在しないため、いつ成立したのか『日本書紀』それ自体からはわからない『日本書紀』成立について伝えるのは8世紀末に完成した歴史書『続日本紀』であり、養老4年720年5月癸酉条に次のようにある。 .mw-parser-output .templatequote{overflow:hidden;margin:1em 0;padding:0 40px}.mw-parser-output .templatequote .templatequotecite{line-height:1.5em;text-align:left;padding-left:1.6em;margin-top:0}先是一品舎人親王奉勅日本紀 至是功成奏上 紀卅卷系圖一卷以前から、一品舎人親王天皇の命を受けて『日本紀』編纂当たっていたが、この度完成し、紀三十巻と系図一巻を撰上したここから『日本書紀』成立養老4年720年)とするのが一般的である。しかし『続日本紀』記述簡潔であるため、いつから編纂始まりどのような経緯経て完成至ったのか確認することはできないこのため現代学者『日本書紀』内容基づいてその具体的な経緯推定している。 歴史学者坂本太郎は、天武天皇10年681年)に天皇川島皇子以下12に対して帝紀」と「上古諸事」の編纂命じたという『日本書紀』の記述書紀編纂直接出発点見た21世紀初頭現在でもこの見解一般的である。なお、近年になって笹川尚紀が持統天皇実弟である建皇子に関する記事に関する矛盾から、『日本書紀』の編纂開始持統天皇崩御後であり、天武天皇川島皇子命じて編纂された史料『日本書紀』原資料1つであったとする説を出している。 高寛敏は、『日本書紀』編纂出発点天武定本にあるが、それを具体化したのは、701年大宝律令完成704年国名表記改定からであり、これによって初めて、『日本書紀』編纂基本理念歴史叙述不可欠な地理的表現確定した考察したまた、天武年間から704年までの間は、史料蒐集期間であり、まず天皇皇帝周辺藩屏国から朝貢される存在とされ、それを事実化するために朝鮮関係資料が必要となり、旧伝や天武賜姓に絡む異伝、それに民間伝承なども参照されなければならず、それらの個別的断片的な史料は、律令理念沿うように手を加えられ固有名詞できるだけ統一されたが、それが分注などに引用され一書であると考えられるまた、645年乙巳の変『日本書紀』にも藤原氏の『藤氏家伝』にも伝えられているが、この2つ藤原不比等が父の中臣鎌足顕彰するために、また『日本書紀』史料として8世紀初めまでに書いた原家伝」に基づいて書かれたと考えられるとした。 加えて、高寛敏は、『日本書紀』、『藤氏家伝』はともに「三韓進調」「三韓表文」の語を用いているが、「三韓」とは「原家伝」にあった言葉であり、逆に原家伝」以外の原本にはこの語は見えず、「三韓」の語は、隋唐時代朝鮮三国指して用いられ7世紀後半には新羅でも用いられていることから、不比等新羅使積極的に接触しており、三韓一統功臣である金庾信ついてよ知っていたため、不比等は、金庾信武烈王逸話用いて鎌足中大兄皇子間の話に換骨奪胎し、「三韓」の語を借りて乙巳の変舞台作ったとした。 そして、以上の点から、不比等『日本書紀』編纂全般に関わったと考えられ『日本書紀』編纂リーダー舎人親王であるが、実際責任者不比等であり、不比等は自ら携わった大宝律令理念『日本書紀』歴史化した主張した。 なお、『続日本紀』和銅7年714年2月戊戌条に記された詔によって紀清人三宅麻呂が「国史」の撰に加わったとする記事存在しているが、『続日本紀』文中登場するもう一つの「国史登場記事である延暦9年790年7月辛巳条に記された「国史」が『日本書紀』指し、かつ『続日本紀』前半部分編纂中心人物であった菅野真道本人に関する内容であることから、菅野真道が「国史」=『日本書紀』という認識『続日本紀』編纂していたと捉え、紀・三宅両名舎人親王の下で『日本書紀』の編纂に参加したことを示す記事であると考えられている。

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「『日本書紀』の編纂」を含む「日本書紀」の記事については、「日本書紀」の概要を参照ください。

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