『新葉和歌集』完成までとは? わかりやすく解説

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『新葉和歌集』完成まで

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/18 00:53 UTC 版)

宗良親王」の記事における「『新葉和歌集』完成まで」の解説

歌道の家であった二条家出身の母から生まれたことにより、幼い頃から和歌親しんでいた。 生年応長元年1311年)。かつて、石田吉貞頓阿草庵集』・『公卿補任』・『新葉和歌集』序などの記述組み合わせて正和元年1312年)とする説を唱えていた。しかし、平田俊春教王護国寺本『天台座主記』に元徳2年1330年)の座主補任時に数え20歳とあるのを発見して逆算して応長元年1311年)であることを示した妙法院入り正中2年1325年妙法院門跡継承続いて元徳2年1330年)には天台座主任じられるも、元弘の変により捕らえられ讃岐国流罪となる。 父後醍醐鎌倉幕府倒幕成功し建武の新政開始されると再び天台座主となるが、建武の新政崩壊し南北朝対立本格化すると還俗して宗良を名乗り大和国吉野奈良県)の南朝方として活躍をするようになる延元3年/暦応元年1338年)には、義良親王とともに北畠親房奉じられて伊勢国大湊三重県伊勢市)より陸奥国府(陸奥国霊山現・福島県伊達市))へ渡ろうとするが、座礁により遠江国静岡県西部)に漂着し井伊谷豪族井伊道政のもとに身を寄せる興国元年/暦応3年1340年)に足利方の高師泰仁木義長らに攻められ井伊谷城落城した後、越後国新潟県)の寺泊(現・新潟県長岡市)や、越中国富山県放生津(現・富山県射水市)などに滞在した後、興国5年/康永3年1344年)に信濃国長野県伊那郡豪族香坂高宗滋野氏支流望月氏一族)に招かれ大河原(現・長野県大鹿村)に入った宗良親王はこの地を文中2年/応安6年1373年)までの約三十年間にわたり拠点とし、「信濃宮」と呼ばれるうになるその間上野国武蔵国にも出陣し駿河国静岡県)や甲斐国山梨県)にも足を運んだことが『新葉和歌集』や私家集である『李花集』の内容から判明している。拠点となった大河原伊那谷属し、南に下れば井伊谷井伊氏)から東海地方へ、北上する長谷後述する終焉の地一つ)を経由して諏訪諏訪氏)や関東へと通じ位置にあり、別名「南朝の道」とも呼ばれる後の秋葉街道中心に位置していた。そのため、劣勢が続く南朝方にとっては最重要拠点となり、各地破れた南朝方の武士達(新田一門など)が逃げ込む事も多かった正平6年/観応2年1351年)に足利尊氏一時的に南朝降伏した正平一統の際には、新田義興新田義宗とともに鎌倉占領する。翌正平7年/文和元年1352年)には後村上天皇から征夷大将軍任じられたが、武蔵野合戦敗れたことで、結局鎌倉占領し続けることはできず、越後再起を図るも振るわず、ふたたび大河原の地に戻る。同年北畠顕能楠木正儀南朝勢が入京し、北朝光厳天皇らを監視下に置くと、後村上天皇帰京支援するため信濃宮方勢力結集し出立しようとしたが(『太平記』)、足利直義京都回復し実現しなかった。正平10年/文和4年1355年諏訪氏諏訪直頼)や諏訪神党仁科氏などを結集し北朝方の信濃守小笠原長基桔梗ヶ原決戦に及ぶが敗れて、有力氏族離反により南朝勢力大幅に低下してしまう。 なお、桔梗ヶ原の戦いに関しては、諏訪大社祝の家系である矢島氏の「矢島文書」など極少数の資料にしか記述がなく、確定され事実ではない。ただ、当時基本資料である園太暦には「信濃での戦乱に関する記述があり、この時期に「都にまで伝わるぐらいの規模戦い(または戦乱)」があった事は確実とされる。またその後南朝方(直義派を含む)の活動停滞沈静化するなどの傍証から、その戦い南朝方の敗北であったこともほぼ確実とされている。 大河原の地でなおも信濃宮方勢力再建図った思われるが、正平24年/応安2年1369年)には信濃守護を兼ね関東管領上杉朝房攻撃を受け、文中3年/応安7年1374年)、ついに頽勢挽回できぬまま36年ぶりに吉野戻ったこの頃から南朝歌人和歌集めた和歌集編集開始していたが、再び出家している。宗良親王編集していた和歌集当初私的なものであったが、長慶天皇勅撰集准ずるように命じた弘和元年/永徳元年1381年)に完成した新葉和歌集』である。

※この「『新葉和歌集』完成まで」の解説は、「宗良親王」の解説の一部です。
「『新葉和歌集』完成まで」を含む「宗良親王」の記事については、「宗良親王」の概要を参照ください。

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