「世紀末」の意味するものとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > 「世紀末」の意味するものの意味・解説 

「世紀末」の意味するもの

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/02 10:17 UTC 版)

世紀末芸術」の記事における「「世紀末」の意味するもの」の解説

『サロメ』ビアズリーオスカー・ワイルド戯曲のために描いた挿絵1892年 エドワード・バーン=ジョーンズアーサー王最後眠り1898年 ロートレックムーラン・ルージュ』1889-90年 ロートレック写真家セスコー』1894年 ルドン幻想的な作品シーター1893年 フランス象徴派詩人たちと交流をもったルドンの『キュクロプス』1898-1900年頃 ムンク『叫び』1893年 クリムトアデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像 I1907年 クリムト死と生』1907-1911年 シュトゥック『サロメ』1906年 モローオルフェウスの首を運ぶトラキアの娘1866年 モローユピテルセメレー』1894-95年 ミュシャプラハ聖ヴィート大聖堂ステンドグラスエミール・ガレ花瓶1898年 ドーム兄弟花瓶1900年オットー・ワーグナー建築カールスプラッツ駅ガウディサグラダ・ファミリア教会1882年 - レヒネル・エデンブダペスト工芸美術館1896年 アドルフ・ロース『ミヒャエーラープラッツのロースハウス1911年 シーレ予言者1911年 サミットは、画家チェザーレ・サッカギ・ダ・トルトナによる明らかに象徴的な作品です。 世紀末ということばは、語彙としては古くより存在したのであるが、1886年パリ上演され風俗喜劇ファン・ド・シエクルfin de siècle, 世紀終わり)』が大当たりし以来広く知られるようになったと云われている。それ以来19世紀末ヨーロッパ時代思潮みられる特徴称して呼ばれるようになった一般には、このことばは、ひとつの時代転換期特有な文化的な現象や諸形態とりわけ終末観あるいは終末予兆指しているといわれており、デカダンス退廃)やスノビズム懐疑主義などとほぼ同義用いられることが多い。ただし、用法および概念においてそれぞれが必ずしも一致するわけではなくまた、その特徴とされるものの多くは、いずれも世紀終わり至って急に現れ出たものというよりは、19世紀通じてその底部流れていた潮流気分といったものが一気顕在化したもの捉えることができる。 つまりは、19世紀初頭はじまったバイロンハイネレオパルディミュッセなどのロマン主義内包されていた「世界苦」の思想厭世的傾向が、人間のもつ獣性醜悪な部分にも目を向けたギュスターヴ・フローベールらの写実主義あるいはエミール・ゾラギ・ド・モーパッサンらの自然主義によってあらため注視され、またエドガー・アラン・ポーらが提示した空想的芸術さらには現実から離れ、それ自体独自な人間精神世界へ目を向けた高踏派などを経て表出したものとみなすことができる。「世紀末」といったときに、上に掲げたデカダンス以下の諸傾向とともにペシミズム刹那的享楽主義、「美のための美」を追求する芸術至上主義耽美主義、あるいは逆に唯物主義含意することが多いのも、19世紀思潮全体推移俯瞰してこそ理解が可能となる。「世紀末」とはこのとき、様々な思潮現れては交錯し対立する場でもあったのである言い換えるなら、19世紀前期ロマン主義や、中葉写実主義自然主義というふうに、一つ大きな流れにまとめられないところに、「世紀末」の芸術ないしは文学運動の特色があったともいえる。

※この「「世紀末」の意味するもの」の解説は、「世紀末芸術」の解説の一部です。
「「世紀末」の意味するもの」を含む「世紀末芸術」の記事については、「世紀末芸術」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「「世紀末」の意味するもの」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「「世紀末」の意味するもの」の関連用語

「世紀末」の意味するもののお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



「世紀末」の意味するもののページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの世紀末芸術 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS