「ラウエル所蔵文書」の翻訳・出版とは? わかりやすく解説

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「ラウエル所蔵文書」の翻訳・出版

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/12 16:48 UTC 版)

GHQ草案手交時の脅迫問題」の記事における「「ラウエル所蔵文書」の翻訳・出版」の解説

その後の検証作業は、高柳賢三田中英夫によって行われた1965年の夏、高柳賢三ラウエルから憲法制定過程関わる文書全部―「ラウエル所蔵文書」―のコピーの提供を受け、それを田中英夫翻訳し1965年から1967年にかけて、『ジュリスト』に「ラウエル所蔵文書」の題で24回に渡り連載した2・13会談記録は、第357号(1966年11月1日号)に連載第21回として掲載された。前述したように、これはケーディスら3人が連名書きホイットニー報告したのである。 以下は、1946年2月13日日本側がGHQ草案読み松本が「貴案ハ我方ノ考ト余ニ懸離レ居ル為」「充分検討ノ上更ニ御相談致シ度シ」と述べたあとのホイットニー発言である。冒頭ホイットニーは、「自分は非常にゆっくりしゃべるが、もし松本博士に分からない点があれば、いつでも私の発言さえぎっていただきたい、というのは、吉田氏だけでなく松本博士にも、自分のいうことを一語残らず理解して欲しいからである」と言い次いで次のように述べた。 「さて、みなさんにこの文書の内容をよくみていただいたわけですが、これまでどおりわれわれはすべて手のうちを見せあって行きたい思いますので、最高司令官がこの文書あなた方提示しようと考えるにいたった真意理由とについて、若干説明加えたい思います最高司令官は、最近各党が公にした政綱憲法改正主たる目的としていることを知り、また国民の間に憲法改正必要だという認識が非常に高まっていることを知りました国民憲法改正獲得できるようにするのというのが、最高司令官意とするところであります。」「あなた方御存知かどうか分かりませんが、最高司令官天皇戦犯として取り調べるべきだという他国からの圧力、この圧力次第強くなりつつありますが、このような圧力から天皇守ろうという決意固く保持してます。これまで最高司令官は、天皇を護ってまいりました。それは彼が、そうすることが正義合する考えていたからであり、今後も力の及ぶ限りそうするでありましょう。しかしみなさん最高司令官といえども万能ではありません。けれども最高司令官は、この新し憲法の諸規定が受け容れられるならば、実際問題としては、天皇安泰になると考えてます。(略)」 「最高司令官は、私に、この憲法あなた方政府と党に示し、その採用について考慮求め、またお望みなら、あなた方がこの案を最高司令官の完全な支持受けた案として国民示されてもよい旨を伝えるよう、指示されました。もっとも、最高司令官は、このことをあなた方要求されているのではありません。(略)最高司令官は、できればあなた方そうすることを望んでいますが、もしあなた方そうされなければ自分でそれを行うつもりでおります。(略)」 「マッカーサー将軍は、これが、数多くの人によって反動的考えられている保守派権力留まる最後機会であると考えてます。そしてそれは、あなた方が左に急旋回〔してこの案を受諾〕することによってのみ、なされうると考えてます。以下略)」 — 2・13会談でのホイットニー発言より 話が一段落してから、ホイットニーは、松本一度通訳助け借りなかったことを話題にし、松本もこれに応えて自分ホイットニー言ったことは完全に理解したが、このことを総理大臣に知らせ、かつ憲法草案について検討し討議する機会をもつまでは、ホイットニー回答することはできない述べている。次いで松本通訳者を介して一院制定めた規定について論議始め記述が続くが、これは日本側の記録と同様である。 『ジュリスト』の連載単行本したものが、1972年刊行の『日本国憲法制定の過程I・IIである。1946年松本二月十三日会見記略」から26年後、1954年自由党証言から18年後にアメリカ側詳細な記録世に出た。これは2・13会談当日記録され証拠性極めて高いと思われた。同著の「序にかえて」の中で高柳は、「GHQ草案日本示したのは日本政府対す命令ではなく勧告であって日本政府説得によって、この勧告に従うことになった考えていた司令部関係者は、GHQ草案押し付け論は心外なことと感じていた」と書き、同著により日本国憲法制定に関する歴史的事実解明期待された。

※この「「ラウエル所蔵文書」の翻訳・出版」の解説は、「GHQ草案手交時の脅迫問題」の解説の一部です。
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