∞
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/16 02:37 UTC 版)

∞は無限を示す記号である。数字の8を90度回転したような記号である。日本語では「むげんだい」「むげん」、英語では「infinity」「unlimited」などと呼ばれる。
歴史
ローマ数字の1000であるↀ(CIƆ)をもとに作られたといわれている。ジョン・ウォリスは1655年に自著の『De sectionibus conicis』で無限大の文字を使用した[1][2][3]。 ギリシア文字の最後の文字であるωを基にしているといるともいわれている[4]。
関連する記号
無限大と関連する数学記号として「⧜」(右上のない無限大記号)、「⧝」(上に「⌒」をつけた無限大記号)、「⧞」(中央に縦線のある無限大記号)が存在する。
用途
数学において
数学では順序数が無限に続く場合に用いる。総和や極限の場面で用いられる。
中性紙の記号 無限大を丸で囲った記号♾は中性紙の記号として用いられる。
ウロボロス
タロットカードに示されたウロボロスをあらわす∞ 昔はウロボロスをあらわす記号として同形の記号が用いられていた。
メビウスの帯
ウラジーミル・ナボコフは『賜物』 (Дар)や『青白い炎』(Pale Fire)の小説でメビウスの帯の記号として用いた[5]。
メティ
メティの旗 カナダの先住民族であるメティはメティの旗にこの記号を用いている。
煙霧
日本の天気記号の煙霧 アメリカなどでは∞を煙霧の天気記号として用いる。日本の天気記号では∞を丸で囲った記号を煙霧の記号として用いる。
8という意味で本記号が使われる場合がある。以下に著名な使用例を挙げる。
- 関ジャニ∞ - 本記号を「エイト」としている。公式でも無限大の記号を使っており、8の縦書きフォントではない。
符号位置
記号 Unicode JIS X 0213 文字参照 名称 ∞ U+221E
1-1-4
∞
∞
無限大 ⧜ U+29DC
-
⧜
⧜
INCOMPLETE INFINITY ⧝ U+29DD
-
⧝
⧝
TIE OVER INFINITY ⧞ U+29DE
-
⧞
⧞
INFINITY NEGATED WITH VERTICAL BAR ♾ U+267E
-
♾
♾
PERMANENT PAPER SIGN 関連項目
出典
- ^ Scott, Joseph Frederick (1981), The mathematical work of John Wallis, D.D., F.R.S., (1616-1703) (2 ed.), American Mathematical Society, p. 24, ISBN 0-8284-0314-7.
- ^ Martin-Löf, Per (1990), “Mathematics of infinity”, COLOG-88 (Tallinn, 1988), Lecture Notes in Computer Science, 417, Berlin: Springer, pp. 146–197, doi:10.1007/3-540-52335-9_54, MR1064143
- ^ YEO・エイドリアン 『πとeの話 数の不思議』 p.63、青土社、2008年
- ^ Clegg, Brian (2003), A brief history of infinity: the quest to think the unthinkable, Robinson, ISBN 9781841196503
- ^ Toker, Leona (1989), Nabokov: The Mystery of Literary Structures, Cornell University Press, p. 159, ISBN 9780801422119
無限

無限(むげん、infinity、∞)とは、限りの無いことである。
「限界を持たない」というだけの単純に理解できそうな概念である一方で、有限な世界しか知りえないと思われる人間にとって、無限というものが一体どういうことであるのかを厳密に理解することは非常に難しい問題を含んでいる。このことから、しばしば哲学、数学、論理学や自然科学などの一部の分野において考察の対象として無限という概念が取り上げられ、そして深い考察が得られている。
本項では、数学などの学問分野において、無限がどのように捉えられ、どのように扱われるのかを記述する。
無限に関する様々な数学的概念

- 無限大
- 記号∞ (アーベルなどはこれを 1 / 0 のように表記していた)で表す。
- 大雑把に言えば、いかなる数よりも大きいさまを表すものであるが、より明確な意味付けは文脈により様々である。例えば、どの実数よりも大きな(実数の範疇からはずれた)ある特定の“数”と捉えられることもある(超準解析や集合の基数など)し、ある変量がどの実数よりも大きくなるということを表すのに用いられることもある(極限など)。無限大をある種の数と捉える場合でも、それに適用される計算規則の体系は1つだけではない。実数の拡張としての無限大には ∞ (+∞) と −∞ がある。大小関係を定義できない複素数には無限大の概念はないが、類似の概念として無限遠点を考えることができる。また、計算機上では(本来なら考えない数だが)たとえば「∞+i」のような数を扱えるものも多い。
- 無限小(infinitesimal)
- (0を除く)いかなる数よりも(その絶対値が)小さな数ととられることもある記号あるいは拡張された数。無限大と同じく、これは1つの数を表すものではなく、限りなく小さくなりうる変数と考える。微分積分学における dx などの記号は、これが無限小であるとする考え方は、19世紀を通じて否定されるようになったが、20世紀後半からは、超準解析の立場から見直されるようになった。
- 感覚的には分かり易いと思われる直観的な無限大・無限小の概念ではあるが、現代的な実数論には直接的には存在しない(いわゆる ε-δ 論法によって量的に扱われる)。一方で、超準解析などにおいては数学的に定式化され、その存在を肯定される。
- 無限遠点

- ユークリッド空間で平行に走る線が、交差するとされる空間外の点あるいは拡張された空間における無限遠の点。平行な直線のクラスごとに1つの無限遠点があるとする場合は射影空間が得られる。この場合、無限遠点の全体は1つの超平面(無限遠直線、無限遠平面 etc.)を構成する。また全体でただ1つの無限遠点があるとする場合は(超)球面が得られる。複素平面に1つの無限遠点 ∞ を追加して得られるリーマン球面は理論上きわめて重要である。無限遠点をつけ加えてえられる射影空間や超球面はいずれもコンパクトになる。
- 無限集合
- 有限集合(その要素の数が自然数で表せる集合)でない集合。
- 無限小数
- その小数表示が有限の桁ではない数。
- 無限列
- 数(あるいは点などの要素)に番号を付けて無限に並べたもの、つまり長さが無限の数列、点列など。より厳密には自然数全体の集合 N 上で定義される写像。
歴史
紀元前400年から西暦200年頃にかけてのインド数学では、膨大な数の概念を扱っていたジャイナ教の学者たちが早くから無限に関心をもった。教典の一つである「スーリヤ・プラジュニャプティ」(Surya Prajnapti)では、すべての数は可算、不可算、無限の3種類に分類できるとしている。さらに無限には、1方向の無限、2方向の無限、平面の無限、あらゆる方向の無限、永遠に無限の5種類があるとした。これにより、ジャイナ教徒の数学者は現在でいうところの集合論や超限数の概念を研究した。
無限大記号の由来
「ウロボロスが由来となっている。」や、「ジョン・ウォリスが無限大の記号として採用したのが最初である[1]。」などの説が存在するが、「ローマ数字のↀ(CIƆ)が変化したものである。」という説が有力とされている。
超限数
ドイツの数学者ゲオルク・カントールは、無限には異なる種類があることを見出し、これを超限数と名付けた。現代数学では濃度の概念で捉えられる。
- 数学分野
- ジョージ・G・ジョーゼフ 『非ヨーロッパ起源の数学』 垣田高夫、大町比佐栄訳、講談社、1996年。
- 竹内外史 『集合とはなにか』講談社ブルーバックス 1976年 (集合についての入門書)
- 結城浩 『数学ガール/ゲーデルの不完全性定理』 2009年
- 新井敏康 『数学基礎論』岩波書店 2011年 (増補版) 東京大学出版会 2021年 (数学基礎論(数理論理学)に関するテキスト)
- 哲学分野
関連項目
外部リンク
∞(インフィニティ)
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「ロケットマン (加藤元浩)」の記事における「∞(インフィニティ)」の解説
マンゴールドが送り込んだSクラスの殺し屋。無限のコネクションでどんな場所であっても的確に武器を調達する。
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