住血吸虫症
住血吸虫症
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/11 04:43 UTC 版)
住血吸虫症(じゅうけつきゅうちゅうしょう、Schistosomiasis)は、住血吸虫科に属する寄生虫に感染することにより引き起こされる病気の総称である[5]。致死率こそ高くないものの、長期にわたり内臓を痛める慢性疾患であり、社会的経済的影響が大きい。淡水産の巻貝が中間宿主となっており、皮膚を汚染された水に浸すことで感染する。
注釈
出典
- ^ “Schistosomiasis (bilharzia)”. NHS Choices (2011年12月17日). 2014年3月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年3月15日閲覧。
- ^ “Schistosomiasis”. Patient.info (2013年12月2日). 2015年6月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年6月11日閲覧。
- ^ “schistosomiasis - definition of schistosomiasis in English from the Oxford dictionary”. OxfordDictionaries.com. 2016年1月20日閲覧。
- ^ "schistosomiasis". Merriam-Webster Dictionary.
{{cite web}}
: Cite webテンプレートでは|access-date=
引数が必須です。 (説明) - ^ a b c d e f g “Schistosomiasis Fact sheet N°115”. World Health Organization (2014年2月3日). 2014年3月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年3月15日閲覧。
- ^ “Global, regional, and national incidence, prevalence, and years lived with disability for 310 diseases and injuries, 1990-2015: a systematic analysis for the Global Burden of Disease Study 2015”. Lancet 388 (10053): 1545–1602. (October 2016). doi:10.1016/S0140-6736(16)31678-6. PMC 5055577. PMID 27733282 .
- ^ “Schistosomiasis chemotherapy”. Angewandte Chemie 52 (31): 7936–56. (July 2013). doi:10.1002/anie.201208390. PMID 23813602.
- ^ “Global, regional, and national life expectancy, all-cause mortality, and cause-specific mortality for 249 causes of death, 1980-2015: a systematic analysis for the Global Burden of Disease Study 2015”. Lancet 388 (10053): 1459–1544. (October 2016). doi:10.1016/s0140-6736(16)31012-1. PMC 5388903. PMID 27733281 .
- ^ a b c d e f g h i j 石(2018)pp.80-82
- ^ a b c “Fact Sheet 115 Schistosomiasis”. World Health Organization (2012年1月). 2012年10月18日閲覧。
- ^ “Neglected Tropical Diseases”. cdc.gov (2011年6月6日). 2014年12月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年11月28日閲覧。
- ^ Carl AJ, et al. Katayama fever. N Engl J Med 2016; 374:469. doi:10.1056/NEJMicm1504536
- ^ Oliveira, G.; Rodrigues N.B., Romanha, A.J., Bahia, D. (2004). “Genome and Genomics of Schistosomes”. Canadian Journal of Zoology 82 (2): 375–90. doi:10.1139/Z03-220 .
- ^ Kheir MM, Eltoum IA, Saad AM, Ali MM, Baraka OZ, Homeida MM (February 1999). “Mortality due to schistosomiasis mansoni: a field study in Sudan”. Am. J. Trop. Med. Hyg. 60 (2): 307–10. PMID 10072156.
- ^ Zhou, Xun (2020年8月22日). “Mao's China falsely claimed it had eradicated schistosomiasis – and it's still celebrating that 'success' in propaganda today” (英語). The Conversation. 2021年1月25日閲覧。
- 1 住血吸虫症とは
- 2 住血吸虫症の概要
- 3 病理
- 4 住血吸虫症の根絶
住血吸虫症
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/18 07:42 UTC 版)
詳細は「住血吸虫症」、「日本住血吸虫」、および「地方病 (日本住血吸虫症)」を参照 住血吸虫症の起源は古く、灌漑網を整備したメソポタミアやエジプトの初期農耕社会ですでに蔓延していたとみられ、マラリアとならんで農耕生活の広がりによって拡大した感染症である。河川や湖沼に生息する巻貝が中間宿主となり、ヒトには生水を通して感染する。住血吸虫の保虫者は慢性的な胃や胸の痛み、疲労感、下痢を訴えることが多く、虫卵が膀胱や尿管の粘膜に集まるため尿路にも障害が生じる。フランスの英雄、ナポレオン・ボナパルトは尿道の激しい痛みを持病としていたが、従来、その原因は尿路結石とされていた。しかし、その症状記録を子細に検討した専門家は、18世紀末葉から19世紀初頭にかけてのフランス軍のエジプト遠征(エジプト・シリア戦役)の際に感染したビルハルツ住血吸虫症の可能性が高いと報告している。アフリカや中東にかけてはビルハルツ住血吸虫症が今なお流行しており、ダムや灌漑水路の普及とともにますます拡大している。エジプトでは、1970年完成のアスワン・ハイ・ダムの貯水開始とともに感染が爆発的に拡大した。 日本には水田耕作とともに弥生時代に持ち込まれたと考えられている。日本住血吸虫症は、日本・中国・フィリピン等でみられる住血吸虫症の一種で、ミヤイリガイ(オンコメラニア)という巻貝を中間宿主として成長した寄生虫(日本住血吸虫)が経皮感染によってヒトやウシ、ネコなどに感染することによって発生する感染症である。日本では、古くから甲府盆地底部一帯や筑後川流域が罹病地域として知られてきた。特に山梨県下では「地方病」と称されて地域特有の奇病と見なされてきた。1904年に桂田富士郎が甲府市でこの寄生虫を発見し、1913年に宮入慶之助と鈴木稔が佐賀県鳥栖市において、寄生虫の中間宿主がオンコメラニアであることを発見したため、病名に「日本」の名が付されることとなった。 中国湖南省長沙市の前漢代の墳墓である馬王堆遺跡のミイラから日本住血吸虫の生活痕跡を検出したことから、中国において、この感染症の流行はきわめて古くからのものであることが確かめられている。 中国では、1950年代初頭、四川盆地をふくむ長江流域や広東省、福建省、雲南省など広汎な地域で日本住血吸虫症の流行が顕在化し、患者数は約3200万人にのぼったと推定される。中華人民共和国では、建国以来、大衆動員によって古いクリークを埋め立て、新しいクリークを開削する方法によってオンコメラニア対策が採られ、1958年には、江西省余江県での成功にちなんで、当時の中国共産党の指導者毛沢東は「送瘟神(瘟神を送る)」と題する漢詩をつくっている。 日本住血吸虫症は、こんにちでも中国やフィリピンを中心に年間数千人以上の新規感染患者が発生しているが、日本では1978年に発生した山梨県の罹患者を最後に新規感染者が確認されておらず、1996年には山梨県知事の天野建によって「地方病終息宣言」が出された。
※この「住血吸虫症」の解説は、「感染症の歴史」の解説の一部です。
「住血吸虫症」を含む「感染症の歴史」の記事については、「感染症の歴史」の概要を参照ください。
住血吸虫症と同じ種類の言葉
固有名詞の分類
- 住血吸虫症のページへのリンク