アスワン・ハイ・ダムとは? わかりやすく解説

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アスワンハイ‐ダム【Aswan High Dam】


アスワン・ハイ・ダム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/22 09:21 UTC 版)

アスワン・ハイ・ダム (アラビア語: سد أسوان العاليsadd ’aswān al-‘ālī, 英語: Aswan High Dam)は、エジプトの南端部、アスワン地区のナイル川に作られたダムである。


注釈

  1. ^ 2008年現在において、エジプトで消費される電力の約1割が、水力発電によって賄われている。参考までに、エジプト国内には原油や天然ガスといった豊富なエネルギー資源が埋蔵されているわけだが、残りの9割弱の電力は火力発電によって賄われている。なお、その他の発電方式としては、細々と風力発電などが行われている程度である。
  2. ^ スエズ運河が完成したのは、1869年である。これによって、地中海紅海が接続され、それまでヨーロッパからアジア方面への航路として使用されていた、アフリカ大陸の喜望峰を回るなど経路と比べて、距離が格段に短縮された。スエズ運河の国有化が宣言された20世紀半ばにおいても、スエズ運河は世界的な海上交通の要衝であった。そして、それは21世紀に入っても変わっていない。
  3. ^ なお、スーダンではアスワン・ハイ・ダムとは無関係の場所でも、ナイル川の水を利用した灌漑が行われている。例えば、スーダンの首都ハルツーム付近では、ゲジラ計画と呼ばれる開発により、灌漑を行って綿花栽培などをするようになった。
  4. ^ 2012年現在、エジプトにおける重要な外貨獲得の手段としては、観光業の他に、アスワン・ハイ・ダムの建設資金調達を狙って国有化したスエズ運河の航行料がある。さらに、外国からの出稼ぎ労働者による送金、原油や天然ガスの輸出なども挙げられる。
  5. ^ カイロにおける2007年のナイル川の河況係数は30、つまり、最少流量の30倍がカイロにおける最大流量と、比較的流量が安定している部類に入る。例えば、北アメリカ大陸を流れるコロラド川グランドキャニオンでの同年の河況係数は181、関東平野を流れる利根川栗橋での同年の河況係数は1782である。なお、カイロでのナイル川とほぼ同じ河況係数なのは、パリでのセーヌ川で、同年のセーヌ川の河況係数は34である。
  6. ^ 参考までに、甲府盆地で日本住血吸虫を撲滅できたのは、中間宿主であった巻貝の生息に適さないように、水路を整備して、水路の流速を上げたことが要因として挙げられる。ちょうど、それと反対である。

出典

  1. ^ "Aswan High Dam". Carbon Monitoring for Action. 2015年1月15日閲覧
  2. ^ ダム工学会近畿・中部ワーキンググループ『ダムの科学』SBクリエイティブ、2019年12月25日、56頁。ISBN 9784797397086 
  3. ^ ミリオーネ全世界事典 第10巻 アフリカⅠ(学習研究社、1980年11月)p192
  4. ^ ナセル湖上流域総合環境改善事業調査 調査報告書
  5. ^ 二宮書店編集部 『Data Book of the World (2012年版)』 p.54、p.257 二宮書店 2012年1月10日発行 ISBN 978-4-8176-0358-6
  6. ^ a b 二宮書店編集部 『Data Book of the World (2012年版)』 p.256 二宮書店 2012年1月10日発行 ISBN 978-4-8176-0358-6
  7. ^ 「朝倉世界地理講座 アフリカⅠ」初版所収「ナイル川の自然形態」春山成子、2007年4月10日(朝倉書店)p197


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