インターネットオークション 日本におけるネットオークション

インターネットオークション

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/05/08 22:55 UTC 版)

日本におけるネットオークション

サービスの展開

日本ではヤフオク!(旧:Yahoo!オークション 運営:ヤフージャパン 1999年9月サービス開始)が最大手のサイトとなっており、他に楽天オークションモバオクディー・エヌ・エーの子会社)などの検索サイトオンラインショッピングサイトが独自のサービスを展開、利用者を集めている。ネットオークションサイト世界最大規模のeBay(イーベイ)も2001年に日本へ進出したが、先行していたYahoo!オークションに太刀打ちできず、不振で翌2002年3月で日本から撤退した。その後、eBayは2007年12月にYahoo!オークションと提携を行った。

近年ではKDDIがauオークションを提供し、NTTドコモもオークション事業に進出するなど、携帯電話・スマートフォンによるオークションも活発化している。ただ、携帯・スマホ用オークション最大手のスーパーガールズオークション(略称:ガルオク。株式会社ガールズオークションが運営)が「出品されているルイ・ヴィトンの9割以上に偽造品の可能性[4]」と指摘されるなど、ヤフーや楽天といった先行企業に比べ運営者の管理が甘いといった問題への指摘がある[4]

ヤフオク!は利用者が多く、平均して942万件(2006年3月現在)にのぼる物品が出品されている[5]。2002年には出品・落札手数料が導入され、2006年には出品手数料が3%から5%に引き上げられたが、それでもなお利用者は大幅には減っていない。

また、2013年以降、インターネットオークションに競合するサービスとして、フリマアプリサービスが登場している[6]

問題点

詐欺・違法出品

出品者の本人確認が不十分なオークションサイトも多々あり、実際に販売する商品が手元に存在しない・提供する意思すらないにもかかわらず商品を提示して、先払いなどで振り込ませた代金を騙し取る詐欺行為(→オークション詐欺)や、以下のような違法な商品が出品されるケースも見られる。

2005年には、ヤフーオークションで詐欺被害にあった被害者573人が、ヤフーの管理責任を追及して、約1億円の損害賠償を求める民事訴訟を名古屋地方裁判所に起こした(事件番号:平成17(ワ)1243、ウェブサイト「裁判所判例Watch」にも収録済み)が、責任はないとしてヤフー側が勝訴した。2006年12月には、Yahoo!オークションストアに登録していた家電ドットコム株式会社が落札金額を受け取っておきながら商品を発送しないという事件が発覚。落札件数は1,713件、落札総額は約1億9440万円に達するとしている[8]。そのうち、被害を受けたのは989件、被害総額は約8786万円としている。Yahoo!側は被害に対して補填すると説明した。

ちなみに盗品が出品されているのに気付いた被害者が、オークションサイトの管理側に訴え出たにもかかわらず、管理側の対応が遅く、結局として盗品の出品者に逃げられてしまうケースもしばしば発生している。当初はそういった違法行為への対策が全くなされていなかったが、現在Yahoo!オークションでは知的財産権保護プログラムを導入している[9]が、これらの対応も被害者が届け出て初めて判明するケースも多く、相当数の盗品・不正流通品などが出回っている可能性もある。

転売行為

鉄道の乗車券や、イベント・施設等の入場券などのチケット類のダフ屋行為は各都道府県の迷惑防止条例物価統制令で禁止されている[10]が、それらのチケット類が堂々と出品されており、こういった転売目的の人物は「転売屋」などと呼ばれている。

他にも、金品やその他のトラブルの原因となりかねないという理由から、以下のように製造者やイベントの開催者および権利者の判断で、懸賞の賞品のチケット類の出品を一切認めなかったり、禁止するよう呼びかけているのもある。

同人誌即売会の場合、開催予定日の約1ヶ月前までに抽選を終了し、出展するサークルにチケットが発送されることになるが、発送後に大量出品され、数万円単位で落札される。
大量出品による金儲けだけでなく、ダミーサークルや出品の勢いに便乗した詐欺も発生するといった理由から、コミックマーケット準備会ではオークションなどへの転売や譲渡を認めておらず、チケットには「本通行証の売買・交換(金品を代価とする譲渡)を禁止する」旨が記載されている。
コミックマーケットが抱える問題#サークルチケット転売・偽造問題ダミーサークルの項に詳しい。
  • 企業との規約で売買を禁じている物(懸賞で得た非売品の景品、会員ポイント、オンラインゲーム、スマホアプリのアカウントなど)

個人情報の漏洩

オークションに参加し、希望の商品を落札すると、出品者に対し発送先の住所・氏名といった個人情報を開示する必要性が発生するため、どうしても個人情報が漏洩する危険が発生する(出品者の側にしても、落札価格と送料を振り込ませるため、口座を開示する必要が発生する)。

取引がうまく進まなかった場合に、匿名掲示板に出品者や落札者の個人情報を報復的に書き込む者すらいる。ただ日本では特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(プロバイダ責任制限法)もあるため、誹謗中傷などを働いた場合に、逆に報復を行った側が訴訟を起こされ苦境に立たされる可能性もある。

こういった問題は個人情報の保護に関する法律(個人情報保護法)の施行に伴い、個人情報漏洩プライバシーに対する警戒心もあり、これに対応した当事者間の連絡や輸送・決済サービスも登場してきている[11]

悪戯入札への対応

過去に、ネットオークションで購入する意思がないにもかかわらず商品を落札し、それをだまし取る、あるいは入札後のキャンセル、さらには強引に価格を釣り上げたりする「悪戯入札」が問題となっており、商品を出品した業者や主催者、個人らに対する業務妨害行為で摘発される例もある。

過去の事例として、ある被害者がオークションに出品した80点以上の商品を次々と落札しては、その直後にそれをキャンセルし、多数の取引を妨害したことによる偽計業務妨害で入札者の逮捕に至ったケース[12]、商品を購入する意思がないにもかかわらずオークションへ出品された商品を120回以上も落札し、落札代金を入金せずに業務妨害をしたケース[13]も発生している。

また出品者が意図的に落札価格を釣り上げる目的で、出品者やその関係者が複数の名義(アカウント)を用いて入札を行う、吊り上げ入札(サクラ)のケースも多発している。

このため、本人確認認証をしていない利用者や、入札しても落札代金を意図的に支払わないといった悪質な落札者に対して、入札を禁止・規制する制度を取り入れているオークションサイトもある[14]


[ヘルプ]
  1. ^ 株式会社アンク 『インターネット技術の絵本』、2009年、81頁。
  2. ^ 評価ページの表示変更について
  3. ^ 「米国でネットオークションが下火に かつて花形だったオークション事業をイーベイは再生できるのか?」『日経ビジネスオンライン』日経BP社、2008年6月12日付配信
  4. ^ a b c d 「偽造品あふれる携帯サイト 欧米ブランドの競売訴訟、日本に飛び火?」『日経ビジネスオンライン』日経BP社、2008年8月20日付配信
  5. ^ ヤフー、オークション手数料5%に値上げ、システム面の増強図る - マイコミジャーナル(2006年4月19日)
  6. ^ 佐野正弘のスマホビジネス文化論:女性に人気の“フリマアプリ”がeコマースを大きく変える?ITmedia、2014年1月20日。
  7. ^ ヤフオク!ご利用にあたっての注意
  8. ^ ヤフオクで「家電ドットコム」の落札商品届かず、被害総額は最大1億超 - impress
  9. ^ Yahoo!オークション - 知的財産権保護プログラム
  10. ^ 転売目的のチケット購入は「ダフ屋行為」! - All About 2007年12月8日
  11. ^ 例えば楽天市場では2006年秋より日本郵政公社日本郵便と共同で、楽天IDのみでエスクローサービスの郵便物が届くサービスを開始([1])しており、物品の売り手・買い手双方が相手側に住所が知られることのないようになっている。
  12. ^ 購入意思のない入札および落札はおやめください(ヤフオク!2007年5月29日 2013年10月10日閲覧)
  13. ^ 購入意思のない入札および落札は業務妨害にあたる場合もあります(ヤフオク!2008年11月26日 2013年10月10日閲覧)
  14. ^ 許さない!悪質な入札・注文(ヤフオク)
  15. ^ Yahoo!Japanインターネット公売
  16. ^ なお日本では、個人が自身の所有物を中古品として売買する場合は特に問題ないが、業務として中古品を購入する場合には、古物商として公安委員会に申請し、許可を受ける必要がある。その場合は取引の際に古物商登録(許可)番号を客に提示しなければならない。(古物営業法


「インターネットオークション」の続きの解説一覧



インターネットオークションと同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「インターネットオークション」の関連用語

インターネットオークションのお隣キーワード

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   
検索ランキング



インターネットオークションのページの著作権
Weblio 辞書情報提供元は参加元一覧にて確認できます。

  
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのインターネットオークション (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2019 Weblio RSS