かじょう‐すう〔クワジヨウ‐〕【過剰数】
過剰数
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/16 01:59 UTC 版)
過剰数(かじょうすう、英: abundant number)とは、その約数の総和が元の数の 2 倍より大きい自然数のことである。この過剰数の定義は「その数自身を除く約数の総和が元の数より大きくなるような自然数」と同値である。

概要
例えば、20 の約数の総和は 1 + 2 + 4 + 5 + 10 + 20 = 42 > 20 × 2 であるので(もしくは「20 の自身を除く約数の総和は 1 + 2 + 4 + 5 + 10 = 22 > 20 であるので」)20 は過剰数である。約数関数を用いると σ(n) > 2n を満たす n が過剰数である。過剰数は全て合成数で無数に存在し、そのうち最小の数は 12 である。奇数の過剰数のうち最小の数は 945 である(σ(945) = 1920 > 945 × 2 = 1890)。
過剰数を 12 から小さい順に列記すると
となる。[1]
過剰数もしくは完全数の倍数は全て過剰数であり、したがって偶数の過剰数も奇数の過剰数も無数に存在する。また、全ての擬似完全数は完全数もしくは過剰数である。ほとんどの過剰数は擬似完全数でもあり、そうでない過剰数は不思議数と呼ばれる。
約数の総和が元の数の 2 倍に1加えた数になる過剰数(即ちσ(n) = 2n + 1 を満たす n)は準完全数と呼ばれる。この準完全数の定義は「その数の非自明な約数(1と自身を除いた約数)の総和が元の数と等しい自然数」と同値である。準完全数はいまだに見つかっておらず、もし存在するならば奇数の平方数で 1035 より大きく、少なくとも 7 つの相異なる素因数を持つことが分かっている。
自然数のうち過剰数が占める割合は 0.2474 から 0.2480 の間であると証明されている。


- Weisstein, Eric W. “Abundant Number”. mathworld.wolfram.com (英語).
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