palestinian national authorityとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > デジタル大辞泉 > palestinian national authorityの意味・解説 

ピー‐エヌ‐エー【PNA】

読み方:ぴーえぬえー

《Palestinian National Authority》⇒パレスチナ自治政府


パレスチナ自治政府

(palestinian national authority から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/04 13:38 UTC 版)

パレスチナ自治政府
السلطة الوطنية الفلسطينية
地域の旗 国章
地域の標語:なし
地域の歌:革命者
公用語 アラビア語
主都 東エルサレム(名目上)
ラマッラー(事実上)[Ref_a 1]
最大の都市 ガザ
政府
大統領
(自治政府議長)
マフムード・アッバース
首相  ムハンマド・シュタイエ[Ref_a 2]
面積
総計 6,020km2164位[1]
水面積率 3.5%
人口
総計(2022年 5,354,656人(119位[1]
人口密度 889.5人/km2
GDP(MER
合計(2021年180億3680万ドル(125位[2]
1人あたり 3,664[3]ドル
GDP(PPP
合計(2021年305億1834万ドル(145位[4]
1人あたり 6,199.5[5]ドル
暫定自治
オスロ合意1993年8月20日
自治政府設立1994年
正式発足1996年
国際連合総会オブザーバーに格上げ2012年11月29日
通貨 新シェケルJOD, ILS
時間帯 UTC+2 (DST:+3)
ISO 3166-1 PS / PSE
ccTLD .ps
国際電話番号 970
  1. ^ パレスチナの基本法ではエルサレムを首都としているが、現在はエルサレムがイスラエルの占領下にあるため、ラマッラーに首都機能がある。Palestinianbasiclaw.org[リンク切れ]
  2. ^ 2024年2月26日に辞任表明し、後任が決まるまで留任する予定。出典:パレスチナ首相が辞意、「ガザの現状踏まえた政治的取り決め必要」ロイター通信(2024年2月27日)2024年3月2日閲覧。

パレスチナ自治政府(パレスチナじちせいふ、アラビア語: السلطة الوطنية الفلسطينية‎, as-Sulṭa al-Waṭanīya al-Filasṭīnīya英語: Palestinian National Authority, Palestinian Authority、公式にはパレスチナ国[6])は、ヨルダン川西岸地区の一部を統治するパレスチナ人による政府である。

1994年にパレスチナ解放機構(PLO)とイスラエルオスロ合意に基づき、独立したパレスチナ人の国家となるべく設立された。

パレスチナを構成する、互いに飛び地になっている2地区のうち、ガザ地区は2007年にイスラム原理主義組織ハマース実効支配下となった[7]。ヨルダン川西岸にはユダヤ人入植地が多数つくられたままで[8]イスラエル国防軍が活動しており、パレスチナ自治政府の権力は制約されている[9][10]。パレスチナ人民からはイスラエルと結託した腐敗組織とみなされており、支持されていない[9][10]。2023年3月の調査によれば、パレスチナ人の63%はパレスチナ自治政府は「パレスチナ人にとって障害である」と考えている[9][11]

2023年パレスチナ・イスラエル戦争発生後においても、イスラエルとの和平によるパレスチナとの2国家共存、ガザ地区統治への関与回復を掲げている[7]

歴史

パレスチナ自治政府はオスロ合意により、1994年に設立された。自治政府が安全保障と文民統制を管轄する都市区域(エリアA)、文民統制のみ行なう辺境区域(エリアB)がある。残りの地域のユダヤ入植地、ヨルダン谷、及びパレスチナ地区を結ぶバイパス道路はイスラエル管轄区域(エリアC)である[12][出典無効]

発足当初の1996年の第1回総選挙英語版ではヤーセル・アラファートが88.2%の得票率で初代大統領に選出され[13]、アラファート率いる対イスラエル穏健派ファタハが立法評議会選挙で定数88議席のうち55議席という圧倒的多数の議席を確保して政権を運営していたが、縁故採用汚職が相次いだことで徐々に支持を失い、特にアラファート死後の2006年に実施した2回目の総選挙では強硬派のハマースが第1党となった。アラファートの後継者として大統領に就任したファタハ議長のマフムード・アッバースとハマースの内閣は度々対立し、2006年にガザ地区でファタハとハマースの武装組織が衝突し、ハマースはガザ地区を武力制圧した。アッバースはハマースのイスマーイール・ハニーヤを首相職から解任したが、ハニーヤは拒否し、ハマース率いるガザ地区とファタハ率いるヨルダン川西岸地区は2007年以降分裂状態となっていた。

2014年に分裂状態が解消され同年6月2日暫定統一政府が発足した(首相は西岸側のラーミー・ハムダッラーが続投)。イスラエルを含む多くの国家が西岸地区の自治政府を承認した一方、イランシリアスーダンはガザ地区の自治政府を承認した。

2012年11月29日には国連総会においてパレスチナ解放機構を「オブザーバー組織」から「オブザーバー国家」に格上げする決議案が賛成多数で承認され、国連では「国家」の扱いを受けることとなった[14]。それを契機とし、2013年1月3日、マフムード・アッバース大統領はパレスチナ自治政府の公式文書においてパレスチナ国という名称を用いるよう命令した[6]

政治

元首は大統領で任期4年、パレスチナ人による直接選挙で選出される。

立法機関はパレスチナ立法評議会である。定数132名で任期は4年、大選挙区制を採用している。

行政機関は、首相率いる内閣が組織する。任免権は大統領にある。

2014年6月2日、ラミ・ハムダラを首相とする暫定統一内閣が発足[15] 。ファタハ、ハマース双方が認める内閣が成立したのは、ハマースがガザ地区を制圧した2007年以来となる[15]

主な政党

など

地方行政区分

経済

ヨルダン川西岸地区の中核都市ラマッラー

2010年8月31日国際連合貿易開発会議 (UNCTAD) は、パレスチナ支援に関する年次報告書を公表した。同報告書によると、パレスチナ占領地のGDP は2009年に6.8%成長した。しかし、一人当たりのGDPは2000年に比べ30%低下している。また、失業率は前年比1.6ポイント減少しているものの依然30.1%の高水準である。食料安全保障の問題について同報告書は、パレスチナ経済にとって、イスラエルのガザ地区への軍事攻撃(2008年末から2009年初めにかけて)と西岸地区への経済封鎖が大きな足かせとなって、大きな影響を与えていると指摘している。また、民間部門の回復が特に遅れていることも指摘している。その原因がイスラエルの占領地内での移動や越境規制にあることも強調している。

パレスチナの貿易赤字は2008年のGDP比57%から2009年には59%に増加している。この中で対イスラエル貿易赤字が全体の貿易赤字の65%で、比率が大変大きい[16]

中央銀行の代わりとしてパレスチナ通貨局が置かれている。権能が非常に制限されており、「最後の貸し手」となれず、公定歩合の自主権がなく、また為替相場に介入できない。パレスチナの銀行はイスラエルの手形交換所に直接アクセスできず、イスラエルの銀行が代行している。パレスチナの銀行は、代行してもらうために巨額をイスラエルの銀行へ預金している。

住民

脚注

  1. ^ a b Main Statistical Indicators in the West Bank and Gaza Strip”. パレスチナ中央統計局英語版. 2020年10月25日閲覧。
  2. ^ GDP (current US$) - West Bank and Gaza”. 世界銀行. 2022年10月25日閲覧。
  3. ^ GDP per capita (current US$) - West Bank and Gaza”. 世界銀行. 2022年10月25日閲覧。
  4. ^ GDP, PPP (current international $) - West Bank and Gaza”. 世界銀行. 2022年10月25日閲覧。
  5. ^ GDP per capita, PPP (current international $) - West Bank and Gaza”. 世界銀行. 2022年10月25日閲覧。
  6. ^ a b “Palestinian Authority rebrands itself 'State of Palestine' after U.N. vote”. CNN.com. CNN. (2013年1月8日). https://edition.cnn.com/2013/01/07/world/meast/palestinian-name-change/index.html 2019年1月30日閲覧。 
  7. ^ a b パレスチナ自治政府・アッバス議長単独会見:ガザ統治へ新政府構想 和平実現「国際会議を」朝日新聞』朝刊2024年2月22日1面・2面・11面(2024年3月2日閲覧)
  8. ^ 米政府、ヨルダン川西岸の過激派入植者に制裁 ビザ発給禁止BBC(2023年12月6日)2024年3月2日閲覧
  9. ^ a b c What is the Palestinian Authority and what is its relationship with Israel?”. Al Jazeera (2023年10月11日). 2023年10月23日閲覧。
  10. ^ a b Are We Witnessing the End of the Palestinian Authority?”. BESA Center (2023年5月23日). 2023年10月23日閲覧。
  11. ^ Public Opinion Poll No (87)”. Palestinian Center for Policy and Survey Research (2023年3月8日). 2023年10月23日閲覧。
  12. ^ Wikipedia英語版
  13. ^ Central Elections Commission (CEC), Results of first General election, 1996. Here available Archived 2018-02-02 at the Wayback Machine.
  14. ^ 中山真 (2012年11月30日). “国連、パレスチナ「国家」格上げ決議 米など反発”. 日経ビジネス. http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM3001P_Q2A131C1MM0000/ 2014年5月6日閲覧。 
  15. ^ a b “パレスチナに統一内閣発足”. 産経新聞. (2014年6月3日). https://web.archive.org/web/20140603154818/http://sankei.jp.msn.com/world/news/140603/mds14060308510003-n1.htm 2014年6月17日閲覧。 
  16. ^ 「パレスチナ経済復興 国連報告」『しんぶん赤旗』2010年9月1日

関連項目

外部リンク


「palestinian national authority」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「palestinian national authority」の関連用語

palestinian national authorityのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



palestinian national authorityのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのパレスチナ自治政府 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2024 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2024 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2024 GRAS Group, Inc.RSS