鹿児島宇宙空間観測所
名称:鹿児島宇宙空間観測所/Kagoshima Space Center(KSC)
小分類:打ち上げ射場
国名:日本
所在地:鹿児島県
設立年月日:1962年2月
鹿児島宇宙空間観測所は、より大型の観測ロケットを打ち上げるために、太平洋に面した鹿児島県内之浦に建設されました。それまでは、秋田県道川の秋田ロケット実験場で観測ロケットの打ち上げがおこなわれていました。ここは、日本最初の観測ロケットの打上げがおこなわれたところです。1950年代半ばから1960年代の初めにかけて、ペンシルロケット、ベビーロケット、カッパロケットなどが数多くのロケットが打ち上げられ、日本の草創期のロケット開発の舞台となりました。しかし、より大型のロケットを打ち上げるには日本海は狭く、新たな発射場の開発が求められました。いくつかの候補地から選ばれたのが、太平洋に面した鹿児島県の内之浦です。北緯31度14分、東経131度04分45秒の位置にあり、一見、打ち上げ場には向かないような丘陵地帯でしたが、丘陵をけずり、逆にその地形を生かした独特の配置の打ち上げ場がつくられました。
日本のロケットは、ベビーロケット以後は、アルフアベータ、カッパ、オメガ、ラムダ、ミューというギリシャ文字を用いて命名されています。途中で計画が中止され、使われなかった文字もありますが、ミューに近くなるほど、大型化し、高性能化が図られています。
内之浦の宇宙空間観測所では当初、カッパからラムダ・ロケット、さらにラムダ4型ロケットで小型衛星を打ち上げる体制を整えました。同時にさらに大型のミュー型ロケットの発射もできるよう準備し、4回の失敗を経て、1970年ラムダ4S-5ロケットでついに技術試験衛星を打ち上げ、軌道にのせることに成功しました。これが日本最初の人工衛星「おおすみ」です。この衛星の名前は、打ち上げ場のある鹿児島県の大隅半島からとられています。以来、ミューロケットの改良を重ねながら、1年に1個の割合で科学衛星が打ち上げられるようになりました。1997年2月には新世代のM-Vロケットによって、はるかの打ち上げに成功しています。1998年7月にはM-V3号機によって日本発の火星探査機「のぞみ」が打ち上げられました。
1.どのような組織になっているの?
文部省(現 文部科学省)直轄の宇宙航空研究開発機構(JAXA)の打ち上げ射場となっています。
2.地図上ではどの辺にあるの?
九州・大隅半島の太平洋に面した鹿児島県内之浦にあります。
3.これまでに打ち上げたロケット、人工衛星は?
ロケットは、L-4S-5、M-4S-2、M-3C-4、M-3SII-1〜7、M-Vがあります。
人工衛星は、おおすみ、たんせい、きょっこう、はくちょう、ひのとり、すいせい、ぎんが、ひてん、ようこう、はるかがあり、1996年3月までに、衛星打上げ用ロケット23、観測ロケット257、小型ロケットその他73の合計353機が打ち上げられています。
※参考文献/ケネス・ガトランド・著/佐貫亦男・日本語版監修「世界の宇宙開発」旺文社・発行、大澤弘之・監修「日本ロケット物語」三田出版会・発行
Weblioに収録されているすべての辞書から鹿児島宇宙空間観測所を検索する場合は、下記のリンクをクリックしてください。

- 鹿児島宇宙空間観測所のページへのリンク