ISO/TS 16949の制定以前とは? わかりやすく解説

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ISO/TS 16949の制定以前

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/07 08:32 UTC 版)

ISO 16949」の記事における「ISO/TS 16949の制定以前」の解説

自動車大量生産始まってしばらくの間は、部品完成車メーカー自身製造する例が多かった例えば、フォード1927年建設したデトロイトルージュ工場溶鉱炉備え原料から完成車まで一貫して自動車製造していた 。 しかし、現代においては、多く完成車工場は、鋼板からパネル打ち抜くプレス工程、そのパネルつなげてボディ仕上げ溶接組立工程、このボディに色を塗る塗装工程ボディ部品組み付けていく組立工程の4つ主要な工程からなっている。その他に自社エンジン工場別にあることは多い。つまり、個々部品について見た場合自動車完成車メーカーが自ら製造している部品ボディエンジンブロックなど極少数の部品にすぎない自動車構成するほとんどの部品外部サプライヤー製造し、それを完成車メーカー完成車工場エンジン工場組み付けているのである。したがって個々部品品質サプライヤー品質マネジメントシステム管理することは、完成車メーカーにとって重要なテーマ一つとなっている。 完成車メーカーは、古くからサプライヤー対す品質管理体制監査実施してきた。例えば、1964年フォードはQ101を、ゼネラル・モータースSPEAR(Supplier Performance and Evaluation Report)を定めサプライヤー対す監査始めている 。また、1980年代日本自動車メーカー製品が、その品質良さアメリカ市場浸透してくるようになると、アメリカ完成車メーカーはペンタ・スター(クライスラー)、Q1(フォード)、ターゲット・フォー・エクセレンス(ゼネラル・モータース)というようなサプライヤー品質管理体制対する賞を設けたサプライヤー表彰することで、サプライヤー評価しサプライヤー関心品質向上に向けるようにしたのである一方で完成車メーカー各社それぞれ独自の品質保証体制サプライヤー要求すると、サプライヤー取引のある完成車メーカーすべてに対応する仕組み作りが必要となり、大変に大きな負担がかかる。具体的には以下のような問題あげられる似たような個別規格拡散していること。 要求される書類異なること。 さまざまな監査完成車メーカーそれぞれが行うこと。 用語が共通でないこと。 同じ考え方対し複数の用語がもちいられること。 同じ用語に異なる意味があること。 完成車メーカーごとに評価方法がちがうこと。 このことはティア2 サプライヤー場合状況はさらに悪くなり、完成車メーカー規格だけでなく、それに各ティア1サプライヤーの独自の規格加わってくるのであるこのような問題解決するために自動車業界統一した品質マネジメント規格求められた。アメリカではそのような要望応えてビックスリーが中心となって統一品質マネジメント規格QS-9000制定した1988年三社購買担当副社長統一規格マニュアル作成合意しQS-90001994年出来上がった 。これは、ISO 900019944章を基に、各社のペンタ・スター、Q101、ターゲット・フォー・エクセレンスの要求事項網羅するように発展させたものであるQS-9000一緒にサプライヤー求め品質管理方法手順もまとめられアメリカ自動車工業会(AIAG)が生産部品承認プロセス(PPAP)、統計的プロセス制御(SPC)、en:Measurement systems analysis測定システム解析(MSA)、故障モード影響度解析(FMEA)、先行製品品質計画(APQP)という5冊の手引書も発行した。これらの手引書はQS-9000セット品質マネジメントシステム要求事項をなすもので、ファイブ・コアツールと呼ばれている。QS-9000ISO/TS 16949に置き換わった現在でも、アメリカ系メーカーはこの5冊の手引書をISO/TS 16949添付する顧客固有要求事項としてサプライヤーへの品質マネジメントシステム要求事項一部にしている。 ドイツでは、1991年ドイツ自動車工業会(VDAVerband der Automobilindustrie)がVDA6.1を制定したVDAダイムラーBMWといった完成車メーカーと、ボッシュコンチネンタルというような部品メーカーなど、2013年現在600上の企業加盟する業界団体である 。VDA1901年にVDMI(Verein Deutscher Motorfahrzeug-Industrieller)の名前で組織され1946年VDAと名前を変えて現在に至る組織である。このVDA作成したVDA6.1はDIN EN ISO 9004:1990を基にした自動車産業向けのチェックシートで、業界内での統一したISO 9004 の解釈示し、共通の方法サプライヤー品質マネジメントシステム監査ができるように作られたものであるVDAもファイブ・コアツールに相当するような様々な手引書まとめており、ドイツ系メーカーではVDAのまとめた手引書(一般にVDAのまとめた手引書基準書自身VDA呼ばれる)に基づくように求めている。ただし、AIAGのファイブ・コアツールもVDA主要な内容ほとんど同じであるイタリアでは、イタリア自動車部品工業会(ANFIA: Associazione Naionale Fra Industrie Automobilistiche)がAVSQ(Associazione Nazionale dei Valutatori di Sistemi Qualita: 品質システム評価)を1994年制定した。これは、ISO 9001:1994 を基にしたチェックリストであり、質問ごとに自動車業界でその質問の内容どのように導入するかというガイドライン記されている。AVSQの第三版では、VDA6.1、EAQF(フランス品質システム規格後述)、ISO 9004-1:1994内容取り入れられ、AVSQの認証はVDA6.1やEAQFの認証同等とされていた 。 フランスではPSA・プジョーシトロエンルノーがEAQF(Référentiel d'Evaluation d'Aptitude qualité fournisseurs: サプライヤー品質能力調査参照資料)を1990年発行した 。これはISO 9001第4節を基に、ISO 9001自動車産業適用するための指針追加要求事項加えたのである1994年にVDA6.1の内容取り入れて大幅に改定された(EAQF: Evaluation d'Aptitude qualité fournisseurs/サプライヤー品質能力調査)。

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