2020年8月政治局会議(第7期第16回政治局会議)
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「朝鮮労働党第7期中央委員会」の記事における「2020年8月政治局会議(第7期第16回政治局会議)」の解説
2020年8月13日に党中央委員会本部庁舎で第7期第16回政治局会議として開催され、以下の項目を討議・協議した。 全力を集中して水害を早く克服し、人民に安定した生活を保障することに関する問題 世界的な保健危機状況の要求に即して国家非常防疫システムをいっそう厳格に維持し、整然とした防疫活動指揮システムを完備することに関する問題 開城市など前線地域の封鎖を解除することに関する問題 党中央委員会に新設部署を設けることに関する問題 党創立75周年を盛大に記念するための国家行事準備状況の点検と当該の対策の研究・協議 組織問題 政治局会議では、「最近の災害性豪雨と大水によって発生した被害状況に関する資料通報」が行われ、『雨期の間、江原道の金化郡、鉄原郡、淮陽郡、昌道郡、黄海北道の銀波郡、長豊郡、黄海南道、開城市などで3万9296ヘクタール分の農作物が被害を受けたほか、家屋1万6680余世帯と公共施設630余棟が被災し、多くの道路と橋梁・鉄道が寸断されたほか、発電所のダムが崩壊するなど、人民経済の複数の部門』で「深刻な被害を受け、被害状況が深刻な地域の住民が疎開地で生活しながら、大きな生活上の苦痛をなめている」として、大雨災害の被害状況を公表した。 朝鮮中央通信の報道によると、金正恩は「今、わが国家は世界保健危機状況に徹底的に備えるための防疫戦を力強く繰り広げるとともに、予想外に押し寄せた自然災害という二つの挑戦と戦わなければならない難関に直面している」と指摘。続けて「党と政府はこの二つの危機を同時に克服するための正しい政策方向を提示し、立体的かつ攻勢的な闘いで洗練された指導力を発揮すべきだ。世界的な悪性ウイルスの拡大状況が悪化している現実は、水害に関連するいかなる外部的支援も許さず、国境をいっそう鉄桶のごとく閉じて防疫活動を厳格に行うことを求めている。被災地の住民と被害復旧に動員される人々の間で防疫規定に違反する傾向が絶対に現れないように教育活動をよく行わなければならない」と強調し、10月10日の党創建75周年を盛大に祝う方針も確認され、水害からの復旧も同日までに基本的に終えることを目指すとした党中央委員会政治局決定書と党中央委員会・党中央軍事委員会・国務委員会の共同命令書を示達することを金正恩が提議し、全会一致で採択された。 このほか、政治局会議では「最前線地域で発生した非常事件によって去る7月24日から実施されていた開城市をはじめとする前線地域の封鎖を専門防疫機関の科学的な検証と保証に従って解除する」と決定、金正恩は「この20余日間、前線地域の封鎖以降、依然として防疫形勢が安定的に維持、管理されていたことが実証され、隔離状態で生活上の不便を耐え抜き、朝鮮労働党と政府の措置に一心で従ってくれた封鎖地域の人民と、豪雨と蒸し暑さの中で地域封鎖任務を責任をもって遂行した軍人と安全員、保衛員、労農赤衛軍の隊員に党中央の名義で感謝を贈る」と発言した。 また、8月5日の政務局会議で決定していた「党中央委員会に新設部署を設けることに関する問題が審議・決定され、その職能と役割が提示された」と報じられたが、新設部署の内容については「党中央委員会政治局は、新たに設ける部署が国家と人民の尊厳と利益を守り、社会の政治的安定と秩序を頼もしく維持、保証し、われわれの階級的基盤、社会主義建設を鉄桶のごとく守っていくことに大きく寄与することになるとの確信を表明した」とされているのみで、名称や具体的な役割は明らかにされていない。 政治局会議では最後に「組織問題(党幹部の人事)」を審議、「党中央委員会政治局の提議によって、朝鮮民主主義人民共和国国務委員会の委員長(金正恩)は社会主義憲法が付与した権限に従って朝鮮民主主義人民共和国内閣総理を解任および任命した。」として、現職の金才龍を内閣総理から解任して副総理の金徳訓を後任に任命し、国務委員会政令によって公布された。 なお、政令では「国務委員会は内閣の経済組織事業の能力を分析、評価した」と言及しただけで金才龍の首相解任の理由を明示していないが、朝日新聞は韓国の専門家が「金才龍が大雨災害や新型コロナウイルスの影響による経済悪化の責任を問われたのではないか」とする見方を示したと報じた一方、東京新聞は「組織改編の一環の可能性がある」としており、評価が分かれている。 政治局会議で決定した党幹部・国家機関の人事は以下の通り。 政治局常務委員:金徳訓、李炳哲 政治局員:朴太徳 党中央委員会副委員長:金才龍、朴太徳 党中央委員:朴太徳 党中央委員候補:朴明順、全光虎 党中央委員会部長:金才龍(組織行政部長)、朴太徳、朴明順、全光虎、金勇帥 道党委員長:金賛三(咸鏡北道党委員長)、リ・ジェナム(南浦市党委員長) 内閣総理:金才龍を解任、金徳訓を任命
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