2015-16シーズン 史上初満票MVP
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「ステフィン・カリー」の記事における「2015-16シーズン 史上初満票MVP」の解説
ディフェンディングチャンピオン及びMVPホルダーとして臨んだ2015-2016シーズンでは、チーム、カリー共に開幕から王者としての強さをいかんなく発揮した。初戦のニューオリンズ・ペリカンズ戦でいきなり40得点(第1クォーターだけで24得点)、続く2試合後、再びペリカンズ戦で53得点を決めた。開幕3試合での合計118得点は1989–90シーズンのマイケル・ジョーダン以来最高の記録であり、一躍得点王に躍り出た。3ポイントシュートも昨年に増してハイペースで放っており、11月14日には父親のデル・カリーが持っているキャリア通算1245本の3ポイント記録をキャリア427試合目で更新(デルは1083試合で記録)。チームも開幕から連勝街道を突き進み、12月13日のミルウォーキー・バックス戦に負けるまで24連勝(昨年のレギュラーシーズンから数えると27連勝)を記録するなど絶好調で勝ち星を重ねた。 2016年のオールスターでは、この年引退を表明したコービー・ブライアントについで全体2位の票数を獲得した。オールスターウィークエンドでは昨年に続き連覇が期待される3ポイントコンテストに、スプラッシュブラザーズの弟クレイ・トンプソンと共に選出。共に決勝ラウンドに進出したものの、カリーは23得点しかし13本連続スリーポイント成功という偉業を成し遂げファンを沸かせた。去年自身が打ち立てた27得点を決めたトンプソンに軍杯。連覇はならなかった。オールスター本戦では、勝敗が決まった試合残り時間にボールを託されたカリーはハーフコート付近からロングシュートを決め、オールスターを締めくくった。 2月26日のオーランド・マジック戦ではカイル・コーバーが保持していた127試合連続3ポイントシュート成功のNBA記録を更新。2月27日に行われたオクラホマシティ・サンダー戦では試合は終始サンダーにリードを奪われる接戦を演じていたが、カリーはこの試合で16本中12本の3ポイントシュートを沈め、延長の末同点で迎えた試合時間残り2秒、最後にカリーがロングスリー放ち魔法のようにリングに吸い込まれ、劇的な勝利を飾った。この試合を見ていたドウェイン・ウェイドやレブロン・ジェームズ数々のNBA選手、レジェンド選手からTwitterで賞賛の言葉が送られた。この試合でコービー・ブライアントとドニエル・マーシャルが持つ1試合12本の3ポイントシュート成功の記録に並ぶと同時に、昨年自身が樹立したシーズンでの3ポイントシュート成功記録を更新した。3月7日のオーランド・マジック戦で7本の3ポイントシュートを決め、NBA史上初のシーズン3ポイントシュート成功数300本に到達。4月13日に行われたレギュラーシーズン最終戦となるメンフィス・グリズリーズ戦では10本の3ポイントシュートを沈め、自身が昨シーズンに記録した286本を100本以上も上回る、402本の3ポイントシュートを記録するという偉業を成し遂げた。チームもこの試合で、95-96シーズンにブルズが樹立した72勝10敗の記録を塗り替え、73勝9敗を記録してシーズンの幕を閉じた。 2015-16シーズンを終え、得点王、スティール王、402本の3ポイントシュート、史上7人目となる50-40-90クラブ(FG50%-3pt40%-FT90%以上)と史上初の50-40-90クラブと得点王の同時達成、シーズン73勝など、記録づくめとなったカリーは投票ですべての1位票を集め、NBA史上初の満票でのMVPに輝き、ポイントガードとしてはスティーブ・ナッシュ以来となる2年連続MVPとなった。 プレーオフもレギュラーシーズン同様順調に滑りだすかと思われたが、1stラウンド対ヒューストン・ロケッツ戦第1試合で右足首を捻挫してしまう。第4試合で復帰することとなったが前半終了と同時に足を滑らせ右足膝をひねってしまい後半は欠場する事態となった。シリーズはロケッツを難なく下し、MRI検査でも異常は見当たらなかったが次の復帰まで2週間と診断される。セミファイナル対ポートランド・トレイルブレイザーズ戦第4試合で再復帰し、オーバータイムの5分間ではレギュラーシーズン・プレーオフ含め個人得点の新記録である17点を叩き出した。シリーズもブレイザーズを下しカンファレンスファイナルではオクラホマシティ・サンダーと対戦することとなった。シリーズは1勝3敗と追い詰められるがそこから逆転し、2年連続のファイナル進出を決めた。 ファイナルは前年同様クリーブランド・キャバリアーズと対戦することとなった。4戦を終えた時点で3勝1敗とし優勝も確実と思われたが、ドレイモンド・グリーンのフレグラントファウルの累積による出場停止、アンドリュー・ボーガットが膝の負傷でファイナル絶望となり流れをキャバリアーズに掴まれてしまう。第5戦のホームを落としさらに第6試合では劣勢の中カリーがファウルアウト、判定に不服があったカリーはマウスピースを投げて観客に当ててしまい、テクニカルファウルにより退場となる(偶然ではあるがマウスピースがぶつかったのはアリーナ最前列のVIP席にいたキャバリアーズのオーナーの息子である)。試合後、マウスピースを投げつけたテクニカルファウルに対して2万5千ドルの罰金を言い渡される。また、試合後審判の判定を批判したカーHCも同額の罰金処分となった。最終戦では粘るものの終盤の重要な場面で雑なパスからターンオーバーをしてしまうなど悪い流れを止められず、ウォリアーズは89-93でファイナル敗退となってしまった。チーム1の戦力であるため早めの復帰が望まれる中、膝や足首、噂される肩の怪我を押してファイナルに出場したがシリーズを通してキャバリアーズの執拗なディフェンスに苦しめられ、レギュラーシーズンと比べて大きく精彩を欠いてしまったことに一部のファンからも批判されることとなってしまった。
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