アジアパシフィックラリー選手権
(APRC から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/12 04:44 UTC 版)
アジアパシフィックラリー選手権(アジアパシフィックラリーせんしゅけん、Asia-Pacific Rally Championship)は、国際自動車連盟(FIA)が管轄するラリー選手権の一つ。その名の通りアジア・オセアニア地域を舞台に行われる。1988年創設。略称はAPRCで、日本国内ではアジパシと略されることが多い[1][2]。
概要
FIAが管轄するラリー競技において、最高峰である世界ラリー選手権(WRC)の直下となる地域ラリー選手権の一つとして、ヨーロッパラリー選手権(ERC)、中東ラリー選手権(MERC)などと同列に位置づけられている。アジア太平洋地域として、日本を始め中国、マレーシア、インドといったアジア諸国と、ニュージーランド・オーストラリアといったオセアニア諸国で構成されている。かつてはニューカレドニアで開催されていたこともあった。
日本勢が古くから活躍しており、篠塚建次郎、藤本吉郎、田口勝彦、炭山裕矢が総合王者、田嶋伸博がクラス王者となっている。近年はキャロッセのクスコ・ワールドラリーチームが総合王者を獲得するなど活躍している。またJRC(全日本ラリー選手権)のラリー北海道はAPRCとの併催であり、そこでスポット参戦するドライバーも少なくない。
欧州からの参戦も多く、過去はカルロス・サインツのようにWRCと並行して参戦するドライバーもいた。
2019年からはアジアカップ・パシフィックカップ(後述)のそれぞれの成績上位者が最終戦のグランド・ファイナルに集い、そこで優勝したものがチャンピオンとなる、NASCARのような形式へと変わった。
レギュレーション
ラリーの基本的なフォーマットはWRCに近いが、WRCが通常3日間開催なのに対し、APRCは基本は2日間開催(金曜日にセレモニアルスタートの後レグ1Aとして、スーパーSSのみを走るケースもある)が一般的である。
競技クラスはグループRのR5及びR4,スーパー2000とグループNのNR4、ASN車両のAP4及びJAFのRJ車両(2000cc以上)などの4WD車をメインとするAPRC、グループN及び量産車のASN車両のためのAPRC2、RC3~RC5クラスに分類される2WD車両(グループRのR1~R3、グループN、グループA・スーパー1600などとASN車両)が参戦できるAPRC3の3つがある。なおASN車両とはアジアパシフィック地域各国のASN[注 1]が認めた国内規格の車両で、APRCでは、ASN規格の車両として、ニュージーランド・オーストラリアの独自規定であるAP4[注 2]、オーストラリアのG2、日本のJAFの規定であるRJ車両の参戦を認めている。
上記3クラスの賞典としては、APRC域内のアジア諸国のラリーで構成されるアジアカップ(日本、マレーシア、中国、インドなど)と、オセアニア諸国のラリーで構成するパシフィックカップ(ニュージーランド、オーストラリアなど)、その年の1月1日時点で29歳未満の若いドライバー対象のジュニアチャンピオンシップ、登録チームで争われるチームアワードが用意されている。2018年にはSUV向けのSUVカップが追加された[3]。
ポイントシステムは総合順位に対するポイントはWRCと同じだが、APRCではそれ以外にLEG毎の結果のベスト7に対し7〜1ポイントがそれぞれ与えられる。つまりデイリタイアでラリー2規定により競技に復帰した場合も、LEGポイントは獲得できる。
歴史
- 1988年 創設。タイトルはドライバーズタイトルのみ。
- 1996年 マニュファクチャラーズ部門、グループN部門、2輪駆動部門が創設される。
- 2002年 2輪駆動部門終了。
- 2003年 グループN部門終了。
- 2008年 Asia Cup/Pacific Cup創設。
- 2018年 創設30周年を迎える。
過去のチャンピオン
| シーズン | APRCドライバー部門 | マニュファクチャラーズ 部門 |
Asia Cup | Pacific Cup |
|---|---|---|---|---|
| 2022年 | ||||
| 2019年 | ||||
| 2018年 | シュコダ | |||
| 2017年 | シュコダ | |||
| 2016年 | シュコダ | |||
| 2015年 | シュコダ | |||
| 2014年 | シュコダ | |||
| 2013年 | シュコダ | |||
| 2012年 | シュコダ | |||
| 2011年 | プロトン | |||
| 2010年 | 三菱 | |||
| 2009年 | スバル | |||
| 2008年 | スバル | |||
| 2007年 | スバル | not held | not held | |
| 2006年 | スバル | |||
| 2005年 | 三菱 | |||
| 2004年 | プロトン | |||
| シーズン | ドライバー 部門 |
マニュファクチャラーズ 部門 |
グループN 部門 |
2輪駆動 部門 |
| 2003年 | 三菱 | |||
| 2002年 | プロトン | |||
| 2001年 | 三菱 | |||
| 2000年 | スバル | |||
| 1999年 | 三菱 | |||
| 1998年 | トヨタ | |||
| 1997年 | スバル | |||
| 1996年 | 三菱 | |||
| 1995年 | ||||
| 1994年 | ||||
| 1993年 | ||||
| 1992年 | ||||
| 1991年 | ||||
| 1990年 | ||||
| 1989年 | ||||
| 1988年 |
APRC2
| シーズン | ドライバー 部門 |
|---|---|
| 2018年 | |
| 2017年 | |
| 2016年 | |
| 2015年 | |
| 2014年 | |
| 2013年 |
APRC3
| シーズン | ドライバー 部門 |
|---|---|
| 2019年 | |
| 2014年 | |
| 2013年 | |
| 2012年 | |
| 2011年 |
脚注
- ^ 【ラリーは祭りだ!! “アジパシ”観戦ガイド】(1) - WEB TOKACHI・2010年5月8日
- ^ 【WRCラリージャパン】ワークスだけが三菱ではない…アジパシ、プライベータ - response.jp・2004年9月2日
- ^ FIAがERCカレンダー承認、APRCにはSUVカップを創設 RALLY PLUS · 2017-12-07
注釈
関連項目
外部リンク
APRC
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/03/11 07:23 UTC 版)
APRCの場合は総合結果に対し与えられるポイント以外に、競技期間内の一日毎の結果に対するポイント(DAYポイント)が与えられる独自の制度があるため、本制度により競技に復帰した場合、WRCと異なりその結果は総合順位には残らず、DAYポイントのみを獲得できる形となる。
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