魔法の効果拡張
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 04:20 UTC 版)
「ファイナルファンタジーシリーズの魔法形態」の記事における「魔法の効果拡張」の解説
多くの作品では、魔法を利用する際に何らかの拡張作用を及ぼせる場合が多い。 全体化 魔法の対象範囲を全体に切り替えること。主に、対象を選択する際のコマンド操作で行う。ただし範囲を全体とした場合は、基本的に単体対象のときに比べて効果が弱体化する。例えば、攻撃や回復の魔法ならばそのダメージや回復値が低下したり、補助の魔法ならば成功確率が低下する等。初めて実装された『FFII』では、あらゆる魔法を無条件で単体/全体に切り替えることができたが、以降の作品では一部の魔法の対象が固定化されていたり、全体化に条件が必要であったりするなどの例も多く見受けられる。 『FFIII』では単体と全体だけでなく、「同種のモンスター全て」のみを対象とすることも可能である。 『FFVII』ではマテリア「ぜんたいか」もしくは「すべてぜんたいか」を利用する必要がある(魔法によっては無効となるものや、この方法をとらなくても全体へ効果が及ぶものもある)。 『FFVIII』と『FFX』には、単体が対象の魔法の対象範囲を全体化する方法はない(『FFX』ではコマンドの中に全体化された魔法があるモンスターもいる上、単体に使った場合より威力が高いケースもある)。ただし、乱射や連続魔法を利用することで全体化と同等な効果を得ることは可能である。 『FFXI』では基本的に魔法ごとに単体か全体(範囲)かが決められており基本的には前記の『FFVIII』などと同様であるが、白魔道士がレベル50以上となりジョブ特性「女神の慈悲」を覚える事により、女神の印使用直後に状態異常治療魔法を唱えたときに限り全体化(範囲化)可能である。また学者のジョブアビリティ「白のグリモア」に続き戦術魔道書「女神降臨の章」(白魔法系)または「黒のグリモア」に続き戦術魔道書「精霊光来の章」(黒魔法系)を使用することで範囲化可能(ただし、範囲化できない魔法もある。また、消費MP3倍、再詠唱可能時間2倍のペナルティが課せられる)。さらに、青魔道士のジョブアビリティ「ディフュージョン」によって、一部の単体対象青魔法を全体化(範囲化)することが可能である。 単体化 『FFXI』の青魔道士のジョブアビリティ「コンバージェンス」は、一部の範囲青魔法を単体化することにより効果を上昇させることが可能である。前述の全体化と対になり後述の強化に近い。 連続魔 魔法を1回の動作で2種類(同種でも良い)連続で使用できるようにするコマンド。『FFV』、『FFVI』の「れんぞくま」、『FFVII』のマテリア「Wまほう」、『CCFFVII』のマテリア「れんぞくま」、『FFIX』のトランスコマンド「W黒魔法」「W白魔法」、および『FFX』の「連続魔法」がこれにあたる。いずれの作品でも、利用できるようになるまでの過程が厳しい。『FFX』においてはこれを利用することで全体化に近い効果を得ることもできる。あくまで2つの魔法を連続して使用するものなので、全体化と異なり効力は変わらない。 『FFXI』においては、魔法にキャストタイム(詠唱時間)とリキャストタイム(再詠唱可能となるまでの時間)という概念があり、アビリティ「連続魔」によってキャスト・リキャストタイムを0秒にすることができる。連続魔の効果時間中(1分間)はMPの許す限り文字通り連続して放ち続けることが可能となり、後述の乱射に近いが、異種の魔法も含めて連続使用できる点が異なる。 乱射 同種の魔法を一回の動作で複数回分発動させられるもの。『FFVII』の「まほうみだれうち」、『FFVIII』のダブル・トリプル状態および特殊技「スロット」、『FFIX』のトランスコマンド「幻獣」、および『FFX』のオーバードライブコマンド「テンプテーション」がこれに相当。『FFVIII』のダブル・トリプルは、通常は使用回数分だけ個数が必要だが、対象を選択可能なため全体化的な効果を得ることもできる。「まほうみだれうち」は一回分のMP消費で、「スロット」「幻獣」「テンプテーション」はMP・個数の消費なしで実行可能。 詠唱時間短縮 『FFXI』には、魔法の詠唱時間(キャスト)と再詠唱可能時間(リキャスト)という概念があるため、魔法の拡張機能のひとつに詠唱時間短縮が存在する。赤魔道士には、ジョブ特性として「ファストキャスト」が何段階かにわたって備わっており、該当習得レベルになると段階的に魔法の詠唱時間が速くなる。また、学者にはジョブアビリティ「白のグリモア」の使用後、戦術魔道書「簡素清貧の章」(白魔法系)または「黒のグリモア」の使用後、「疾風迅雷の章」(黒魔法系)を使用することで、次に唱える魔法の詠唱時間を半減できる。 MP消費削減 特定のアクセサリ(例:金の髪飾り)を装備することで可能になる。『FFIX』『FFX』『FFXI』『FFXII』はアビリティなどで消費MPを減らして魔法を使用することができる。なお『FFXI』はかなり特殊で、学者がジョブアビリティ「白のグリモア」を使用した状態では白魔法の消費MPが10%減少(「黒のグリモア」を使用した状態では消費MP30%増し)、「黒のグリモア」を使用した状態では黒魔法の消費MPが10%減少(「白のグリモア」を使用した状態では消費MP30%増し)という特性を持つ。さらに、学者にはMP消費を半減する「簡素清貧の章」(白魔法系)、「勤倹小心の章」(黒魔法系)の戦術魔道書もある。なお、黒魔道士には、2時間に1度だけ使えるアビリティ「魔力の泉」があり、1分間の効果時間中、消費MPが0になる。また、黒魔道士がレベル20で覚えるジョブ特性「コンサーブMP」には時々消費MPが少なくなるという効果もある。 『FFVIII』においても、ダブル(トリプル)状態での魔法の消費個数が1個に抑えられるアビリティ「ダブル(トリプル)消費1」が類似の効果を持つ。 『CCFFVII』では特定のアクセサリを装備する事でMP消費を0にすることができる。 強化 基本ステータス値の上昇に依らず、魔法の単発の威力を高めるもの。『FFVI』のトランス状態や『FFVII』のマテリア「MPターボ」、『FFVIII』の「ヴァリー」状態、『FFX』の「魔法ブースター」、および『FFXI』のアビリティ「精霊の印」「女神の印」「ダークシール」「ブルーチェーン」「ブルーバースト」「意気昂然の章」「気炎万丈の章」などである。「MPターボ」「魔法ブースター」は消費MPも増加し、『FFXI』の各アビリティは条件に合った魔法にしか効果がなく、条件外の魔法を使った場合は効果が発生しない。また、対象となるのはアビリティ使用直後の魔法に限られており、次に使用した魔法には効果を及ぼさない。「ブルーバースト」はそれ以外にも連携発動直後に魔法が発動した場合のみという制限がある。『FFVIII』の「ヴァリー」はステータス変化の一種であり、この状態になると手持ちの魔法のうち、攻撃魔法とステータス魔法の中からランダムで1つ使用する。威力は通常の5倍となり、手持ちの魔法が消費されることはない。 作品によっては、ロッドなどを装備することで同属性魔法の威力を高めることも可能。 特殊なケース 「リフレク」状態で反射された魔法は、反射により効果の及ぶ相手が「リフレク」状態でも反射されない、という特性がある(『FFVII』は例外で、リフレクの効果が切れるまで魔法のキャッチボール状態となる)。これを利用すると、「リフレク」状態が解除できない相手に魔法をかけたりすることができる。『FFIV』ではメーガス三姉妹が「デルタアタック」と称してこの戦法を用いてきた(ただし、後のシリーズでは「デルタアタック」は全く別のものとなっている)。『FFIX』では「リフレク」反射時に魔法効力が倍増する「リフレク倍返し」や、「リフレク」状態を無視する「リフレク貫通」などのアビリティも登場する。
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