鬼灯の花言葉
鬼灯花言葉の由来
(1)「偽り」「ごまかし」「欺瞞」は実の状態が由来となっている鬼灯は独特の形状をした実が特徴であるが、その実は中身が詰まっているわけではなく、大部分が空洞である。袋状になっている萼(がく)に、小さな実が入っている形だ。そのため、外見によって中身が詰まっているように見せかけておいて、実は中身がないということで、「偽り」という花言葉が定着した。また、中身が詰まっているのかどうか、外からの見た目でははっきりさせない様子から、「ごまかし」という花言葉も生まれた。そして、「偽り」や「ごまかし」と同様の意味を持つ「欺瞞」も、鬼灯の花言葉として使用されることが多い。
(2)堕胎薬として使用されたことが由来となっている花言葉「浮気」
鬼灯の実には、人命に関わることはほとんどないものの、毒性がある。その毒には子宮を収縮させる作用があるため、鬼灯の実を妊婦が口にすると、流産しかねない。そして、その子宮を収縮させる性質を用いて、鬼灯は、現代のような避妊の手段がない時代から、堕胎の薬として重宝されてきたという歴史がある。浮気相手との望まない子供を身ごもった際に、鬼灯を用いて堕胎をし、浮気の事実を隠蔽したという例はいくつもあった。そのため、鬼灯の花言葉に「浮気」が加わった。
(3)「心の平安」の由来には諸説ある
鬼灯には「心の平安」という花言葉もあるが、その由来には諸説ある。そのひとつは、風習的な由来である。鬼灯は、日本の盆に仏壇や精霊棚に飾られることが多い。それには、先祖が迷わず現世に帰って来られるようにという意味が込められている。赤く熟した鬼灯の実を、提灯に見立てる形だ。そして、鬼灯によって先祖がしっかり帰って来られるため、安心できるということで、鬼灯の花言葉が「心の平安」になったという説がある。
また、鬼灯の実は味が良い上に、栄養が豊富な食べ物として知られる。鬼灯には酸味を伴った甘みがあり、単体でデザートのように食されることもある。そのため、鬼灯の実を食べることに楽しみを覚え、心の平安を感じられる人もいる。そして、栄養豊富な食べ物を口にするということで、健康への不安が少なくなり、心の平安を得られるという意味もある。そのような食べ物としての特徴によって、鬼灯の花言葉に「心の平安」が定着した説もある。
さらに、鬼灯は酸漿根という、解熱や咳止めの薬の材料として使用される。酸漿根で様々な症状を緩和できるという安心感が、「心の平安」という花言葉に繋がったというのも、ひとつの説である。また、浮気をして子供を身ごもったとしても、鬼灯を使った薬を使用することで、望まぬ出産や、浮気をしたことが知られずに済むという意味合いで、花言葉が「心の平安」となったという説もある。
(4)「半信半疑」
鬼灯は栄養が豊富な上に、薬の材料に使用すると、解熱や咳止めの効果が期待できる。しかし、その一方で、食した妊婦が流産をしてしまうリスクがあったり、堕胎の薬として用いられてきたという負の面もある。そのため、人にとって有用なのか、それとも悪影響を及ぼすものなのかわからないという意味で、「半信半疑」という花言葉も生まれた。
(5)実の味わいが元になっている花言葉「不思議」
鬼灯は食用として用いられることが多い植物であるが、独特の風味を持っている。単体で食した場合、トマトのような甘酸っぱさと、桃のような香りを感じられる。その、他の植物では感じられない特殊な味わいが、花言葉「不思議」の由来となっている。
(6)「自然美」は実の美しさが由来
鬼灯の「自然美」という花言葉は、見た目の美しさがそのまま由来となっている説が有力である。鬼灯の実は食用や薬の素材など、実用性が高いが、観賞用になる場合も少なくない。赤く熟した鮮やかな実が並んでいる様子や、日光によって萼が透け、中にある実が見える様子は、美しいと称されることが多い。その個性的な見た目が人工的ではなく自然にできたものだということで、「自然美」が花言葉になった形だ。
(7)「私を誘ってほしい」は鬼灯がカメムシに人気があることが由来
鬼灯の「私を誘ってほしい」という花言葉は、鬼灯の呼称が関係している。鬼灯の「ほおずき」という呼び方は、漢字の意味と無関係である。鬼灯は古くから、ホホというカメムシと繋がりの深い植物であった。成虫がナス科の植物の茎から汁を吸う習性があるホホは、ナス科の一種である鬼灯も餌とした。それ故、ホホが好いている植物ということで、「ほほずき」と呼ばれ、それが現代では「ほおずき」となった。
ホホというカメムシは、現代ではホオズキカメムシと呼ばれ、環境次第で大量発生することも珍しくはない。鬼灯の周りに数えきれないほどのホオズキカメムシが集まる様子は、よく見られる光景だ。そして、鬼灯がカメムシから引く手あまたとなっている様子から、「私を誘ってほしい」という花言葉が生まれた。大量のカメムシから求められる鬼灯のように、自身も大勢の人から言い寄られたいという願望の表れである。
また、赤く染まった鬼灯の色を、女性の頬に例えたとする説もある。「私を誘ってほしい」と相手の男性に促す際に、照れて赤みを帯びた頬が、鬼灯の実のように見えるという説だ。
鬼灯の英語の花言葉
鬼灯の花言葉を英語で表現すると、「lie(偽り)」「chicanery(ごまかし)」「deception(欺瞞)」「cheating(浮気)」「inner equilibrium(心の平安)」「wonder(不思議)」「natural beauty(自然美)」「half in doubt(半信半疑)」「invite me(私を誘ってほしい)」となる。鬼灯色別の花言葉の解説
鬼灯の花言葉は、赤、黄、白の場合は「偽り」「ごまかし」「欺瞞」「浮気」「心の平安」「不思議」「自然美」「半信半疑」「私を誘ってほしい」となる。鬼灯本数別の花言葉の解説
鬼灯の花言葉は、本数や実の数によって意味が変わることはない。鬼灯の怖い花言葉
鬼灯は、代表的な花言葉が、「偽り」や「欺瞞」といった良くない意味の言葉である。そのため、鬼灯を人に贈ると、その相手を信用していない、偽っていることを追及するという意思表明になる。その結果、お互いが攻撃し合うトラブルに発展したり、修復不可能な亀裂が入ったりという風に、怖い状況になる可能性がある。また、「浮気」という花言葉も、もちろん良い意味ではない。浮気をしている相手に鬼灯を贈った場合、浮気に関して知っている、浮気を追及するという意味合いになる。浮気をしている側は、浮気を追及する意味で鬼灯を渡されたら、恐怖するだろう。そして、「浮気」が花言葉になっている植物は、鬼灯以外にも数多くあるが、鬼灯の花言葉である「浮気」は、その中でも生々しい部類だ。せっかく誕生した命を堕胎によって絶つということが由来となっているため、人間的に怖いと言える。
また、鬼灯には「私を殺して」という、非常に物騒な花言葉があるとされる場合が多い。しかし、鬼灯には「私を殺して」という花言葉はなく、「私を殺して」という表現を鬼灯の花言葉だと認定している組織もない。花言葉の由来には、古文書の記述や過去のできごとが元になっていることがある。けれど、古文書の中に「私を殺して」という意味で鬼灯を贈った描写はなく、歴史的にもそのような例はない。現代の花言葉のルーツはトルコにある場合が多いが、トルコにも、鬼灯と「私を殺して」という表現を結び付けるような逸話はない。そのような根拠のない状況であるにもかかわらず、「私を殺して」が、鬼灯の花言葉として浸透しつつある。そして、中には、真偽を確かめることなく、鬼灯に「私を殺して」という花言葉があると信じている人もいる。花言葉の中には出所が明確でないものが多いため、「私を殺して」という怖い表現も、鬼灯の花言葉として定着する可能性は十分にある。
※ 花言葉の内容は諸説あります。
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