観賞用に
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/25 09:59 UTC 版)
観賞用に用いられることも多い。平安から鎌倉にかけては松の緑を背景として、そこに絡まって咲く藤の花の美しさが鑑賞の基準とされ、様々な所にそのような記述が見られる。例えば枕草子の84段には「めでたきもの」として「色あひ深く花房(はなぶさ)長く咲きたる藤の花、松にかかりたる」とある。 これを栽培する歴史も長く、庭の藤を愛でる言葉は万葉集にも見られる。 強い日当たりを好むため、公園や庭園などの日光を遮るものがない場所に木材や竹、鉄棒などで藤棚と呼ばれるパーゴラを設置し、木陰を作る場合が多い。天蓋に藤のつるをはわせ、開花時には隙間から花が垂れ下がるように咲く。変異性に富んでおり、園芸品種が多い。一才藤(いっさいふじ)として鉢植えや盆栽用に流通するのは、樹高50 cmくらいの一才物のフジである。 日本で有名なものに亀戸天神社(東京都)、牛島藤花園や長泉寺および久伊豆神社(埼玉県)、あしかがフラワーパーク(栃木県)などの藤がある。 藤まつり(亀戸天神社、2009年4月29日撮影) 藤棚(春日大社の銘木「砂ずりの藤」) 大正天皇、御感の藤(神奈川県小田原市) 大藤の棚(「迫間のフジ」、栃木県指定天然記念物、あしかがフラワーパーク) 藤棚の下で茶を楽しむ親子 大阪府の旧野田村 (大阪府西成郡)(現・大阪市福島区玉川・野田・吉野・大開など)はノダフジ(野田藤)と呼ばれる藤の名所で、牧野富太郎による命名のきっかけとなった。玉川に鎮座する春日神社には、野田の藤跡碑がある。
※この「観賞用に」の解説は、「フジ (植物)」の解説の一部です。
「観賞用に」を含む「フジ (植物)」の記事については、「フジ (植物)」の概要を参照ください。
- 観賞用にのページへのリンク