観賞用スイレン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/22 06:02 UTC 版)
観賞用のスイレンは、耐寒性の有無に基づいて温帯スイレンと熱帯スイレンに大別されることが多い。 温帯スイレン (温帯性スイレン, hardy water lilies) は耐寒性があり、地下茎が直立または横走。葉は全縁、花は水面に浮かび、昼咲きである。主な原種としてセイヨウスイレン (Nymphaea alba) やニオイスイレン (Nymphaea odorata) があり、ヒツジグサもしばしば交配に用いられる。以下に温帯スイレンの園芸品種の一部を示す。 'アーカンシェル' (Nymphaea 'Arc-En-Ciel') (下図6a)花弁は細く、淡いピンク色。開花2日目には花色がより薄くなる。葉に白やピンク色の斑が入る。 'ダーウィン' (Nymphaea 'Darwin')花弁はピンク色、基部ほど赤みが強く、枚数が多い。 'エスカボークル' (Nymphaea 'Escarboucle') (下図6b)花弁は鮮やかな赤。 'ジェイムズ・ブライドン' (Nymphaea 'James Brydon') (下図6c)花弁の幅が広く、濃いピンク色、枚数が多い。暑さにやや弱い。 'オドラータ・スルフレア' (Nymphaea 'Odorata Sulphurea') (下図6d)花弁は細長く、白色。 'ピーチ・グロウ' (Nymphaea 'Peach Glow') (下図6e)花弁はピンク色を帯びた淡いクリーム色、枚数が多い。真夏には花弁が傷みやすい。 'オールモスト・ブラック' (Nymphaea 'Almost Black')温帯スイレンと熱帯スイレンの交配種。黒いスイレンと呼ばれ、花の中心が赤黒い。 温帯スイレンの園芸品種 6a. 'アーカンシェル' 6b. 'エスカボークル' 6c. 'ジェイムズ・ブライドン' 6d. 'オドラータ・スルフレア 6e. 'ピーチ・グロウ' 熱帯スイレン (熱帯性スイレン, tropical water lilies) は耐寒性がなく、地下茎は塊状で直立する。葉は鋸歯があるものが多く、花は水面から抜き出て咲く。昼咲き (day blooming) の種と夜咲き (night blooming) の種がある。主な原種としてアカバナスイレン (Nymphaea rubra) や Nymphaea colorata がある。生育に適した水温は25℃以上であり、15℃以下になると生育できないため、冬には加温するか休眠させる必要がある。以下に熱帯スイレンの園芸品種の一部を示す 'アルバート・グリーンバーグ' (Nymphaea 'Albert Greenberg') (下図7a)昼咲き性。花弁の基部がオレンジ色で、外に向かってピンク色が濃くなる。 'ミッドナイト' (Nymphaea 'Midnight') (下図7b)昼咲き性。花弁は細長く濃紫色。 'ペルシアンライラック' (Nymphaea 'Persian Lilac') (下図7c)昼咲き性。中輪、花弁はピンク色で数が多い。 'ピンク・パール' (Nymphaea 'Pink Pearl')昼咲き性。中輪、花弁は淡いピンク色。 'サザン・チャーム' (Nymphaea 'Southern Charm') (下図7d)昼咲き性。花弁は青色で基部が淡黄色。 'ティナ' (Nymphaea 'Tina')昼咲き性。花弁は明るい青紫色だが、条件によって色は変化しやすい。ムカゴができやすい。 'レッド・フレア' (Nymphaea 'Red Flare') (下図7e)夜咲き性。花弁は濃赤色。葉は濃いブロンズ色。 熱帯スイレンの園芸品種 7a. 'アルバート・グリーンバーグ' 7b. 'ミッドナイト' 7c. 'ペルシアンライラック' 7d. 'サザン・チャーム' 7e. 'レッド・フレア'
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