風味と匂い
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/11 03:04 UTC 版)
臭い食べ物の代表例 Au: アラバスター単位、におい成分の成分量の単位である。においの強弱は、におい成分毎にヒトの感覚閾値との相乗値で評価され、純粋な「においの単位」ではない。 ドリアンの独特な風味と匂いは高い評価から強烈な嫌悪感まで様々な反応を引き起こす。1856年にイギリスの博物学者アルフレッド・ラッセル・ウォレスはドリアンの風味に関してよく引用される以下の記述を残した: 5つの部屋の中は絹のように白く、そしてたくさんの柔らかでクリーム色の果肉が詰まっており、それぞれがおよそ3個の種子を含む。この果肉は食べることができる部分であり、その濃厚さと風味は筆舌に尽くし難い。アーモンドで強く風味付けされた豊かなカスタードという表現がそれについての概要を最も良くつかめるが、クリームチーズやタマネギソース、シェリー酒、その他の似つかわしくない料理を思い浮かべる匂いを時折漂わせる。そして、果肉には他のものにはない豊かで粘りのある滑らかさが存在するが、それがその美味に加わる。酸味も甘味もみずみずしさもない; それにもかかわらずこれらの性質のいずれも無用であり、それ自身で完璧なのだ。吐き気やその他の悪影響は起こさず、食べれば食べるほど止められなくなる。実際、ドリアンを食することは東洋への航海で経験する価値がある新たな興奮である。東洋は比類なき極上の風味の食べ物を生む地だからだ。 ウォレスはその匂いのせいで最初は食べるのに気がすすまなかったと記したが、「ボルネオで、地面に熟した果実を見付けて、野外でそれを食べて、瞬時に病みつきのドリアン食いになった」。ウォレスは1599年のある旅行者を引用した: 「ドリアンを味見した者によれば、世界の全ての果物をしのぐほどの素晴らしい味である」。またウォレスは別の書き手を引用した: 「慣れていない者にとっては、最初は腐ったタマネギのような匂いに思えるだろうが、食べた後はすぐに他の食べ物全てよりドリアンを好む。先住民はそれに立派な称号を与え、賛美し、それに関する詩を作る」。ほぼ間違いなくよりとっぴな多くの食べ物を食べてみたことがあるにもかかわらず、テレビ番組『アンドリュー・ジマーンの奇妙な食べ物(英語版)』のホストであるアンドリュー・ジマーン(英語版)は、ドリアンの強烈な味に耐えられず、食べ切ることができなかった。 ウォレスは「熟したドリアンの匂いは確実に最初は不愉快である」と警告したのに対して、西洋人による後の記述は細部にわたってよりあからさまである。小説家アンソニー・バージェスは、ドリアンを食べるのは「便所で甘いラズベリーブラン・マンジェを食べるかのようだ」と書いた。紀行作家・料理記者のリチャード・スターリング(英語版)は以下のように述べた: その匂いは最も良い表現をしたとしても運動用の靴下で飾り付けしたブタの糞、テレピン油、タマネギだ。数ヤード離れたところからも匂いがする。現地で非常に人気があるにもかかわらず、生ドリアンはホテルや地下鉄、空港といった一部の建物(東南アジアの公共交通機関を含む)への持ち込みが禁止されている。 その他にはジャコウネコ(英語版)、下水、腐りかけた嘔吐物、スカンクが放つ液体、使用済み綿棒に例えられてきた。ドリアンの匂いに対する幅広い描写はドリアンの匂いそれ自身の変わりやすさと深い関係があるかもしれない。異なる種またはクローンに由来するドリアンはかなり異なる匂いを持つ。例えば、D. dulcis(赤ドリアン)はテレピン油香と深いキャラメル風味を有するのに対して、D. graveolens(赤身ドリアン)は焙煎したアーモンドの香りを放つ。D. zibethinusの品種の中では、タイの品種はマレー半島の品種よりも風味はより甘く、匂いは弱い。成熟の度合いも同様に風味に影響する。
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