風が吹けば桶屋が儲かるとは? わかりやすく解説

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風が吹けば桶屋が儲かる

読み方:かぜがふけばおけやがもうかる

風が吹けば桶屋が儲かるの意味

風が吹けば桶屋が儲かるとは、ある出来事一見関係のない所に影響与えるという意味のこと。風が吹けば桶屋が儲かる理由は、風により立った土ぼこりにより盲者増え盲者職業である三味線増産され、その材料である捕獲され、鼠が増えることで齧られやすくなり、売れるからである。このような因果関係示した話が由来とされるまた、実際に桶屋が儲かる可能性は低いことから、あてにならないことに期待するという意味もある。英語ではbutterfly effect表現される

風が吹けば桶屋が儲かるの語の類語や例文

風が吹けば桶屋が儲かるという言葉類語として、因果はめぐる糸車風が吹けば箱やが儲かるといったことわざがある。

ビジネスにおける例文として、「風が吹けば桶屋が儲かるとはよく言ったもので、猛暑背景新商品売り上げ伸びた」「営業行かず成績伸びるなんて『風が吹けば桶屋が儲かる』のようなことは起こらない」などが挙げられる前者は、猛暑という意外な事象によって巡り巡って売り上げ増加つながったという因果関係示しており、意外なことが利益もたらしたという因果関係を示す場合用いる。後者は、あてにならないことを期待している場合用いる。俗説として、棺桶であるという説がある。風が吹く火事起きやすくなり、火事によって死者増え多く棺桶必要になることで、棺桶屋が儲かる、と解釈することで俗説成り立つ。

風(かぜ)が吹(ふ)けば桶屋(おけや)が儲(もう)かる

読み方:かぜがふけばおけやがもうかる

意外なところに影響が出ること、また、あてにならない期待をすることのたとえ。風が吹く土ぼこりがたって目に入り盲人増える盲人三味線生計立てようとするから、三味線の胴を張る猫の皮需要増えるが減るとねずみが増え、ねずみがをかじるから桶屋もうかって喜ぶということ大風が吹けば桶屋が喜ぶ


風が吹けば桶屋が儲かる

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/12/09 07:08 UTC 版)

風が吹けば桶屋が儲かる(かぜがふけばおけやがもうかる)とは、日本語ことわざで、ある事象の発生により、一見すると全く関係がないと思われる場所・物事に影響が及ぶことの喩えである[1]。また現代では、その論証に用いられる例が突飛であるゆえに、「可能性の低い因果関係を無理矢理つなげてできたこじつけの理論・言いぐさ」を指すことがある[2]。 「大風が吹けば桶屋が喜ぶ」などの異形がある[3]

由来

江戸時代の町人文学、浮世草子の気質物(かたぎもの)が初出とされる。明和5年(1768年)開版の無跡散人著『世間学者気質(かたぎ)』巻三「極楽の道法より生涯の道法は天元の一心」において、三郎衛門が金の工面を思案するくだりの一部が以下である[4]

葛飾北斎作の富嶽三十六景「尾州不二見原」、桶を製作する江戸時代の職人

とかく今の世では有ふれた事ではゆかぬ。今日の大風で土ほこりが立ちて人の目の中へ入れば、世間にめくらが大ぶん出来る。そこで三味線がよふうれる。そうすると猫の皮がたんといるによって世界中の猫が大分へる。そふなれば鼠があばれ出すによって、おのづから箱の類をかぢりおる。爰(ここ)で箱屋をしたらば大分よかりそふなものじゃと思案は仕だしても、是(これ)も元手がなふては埒(らち)(あか)

— 無跡散人『世間学者気質』より、慣用句辞典 より転記。[5]

関連内容として、(1)大風が吹けば土埃が立ち、盲人などの眼病疾患者が増加する。(2)盲人などが三味線を生業とし、演奏方法を指導したり、門付で三味線を演奏するので、三味線の需要が増える。(3)三味線製造に猫の皮が欠かせないため、猫が多数減り、が増加する。これら鼠は箱の類(桶など)をかじることから、桶の需要も増加して桶屋が儲かるだろう。が挙げられている[6]

ここでは「風が吹けば箱屋が儲かる」などの成句の形はみえず、「」のかわりに「の類」となっている。また、『東海道中膝栗毛』二編下(享和3年、1803年)では、「箱」になっている[7]

江戸時代には、江戸並びに地方の城下では、桶屋町や指物町などの職人町が発達していた。庶民の手桶や商品製造用の商家桶(味噌桶など)を生業とした「桶屋」があり、また木を組んで木箱を組み立てた上で、その上に精巧な細工を施す「指物屋」などがあった[4]

俗説

一部の俗説では、「桶」は「棺桶」の意味で、何らかの理由で死者が増え、棺桶の需要が増えるとも言われる[8]が、これは間違いである。江戸時代の日本で成立した落語で、棺屋(こしや)を早桶屋と別称している[9]ことなどから、近代になって曖昧になったのではないかとされる[10][要出典]。しかし、先述したとおり、「桶」より「箱」が古い形である[4]

ほかにもいくつか俗説がある。また、冗談大喜利として新説が考え出されることもある。

これらの背景には、オリジナルの因果関係が突拍子もないこと自体のほか、当時の盲人が音曲を生業としていたこと、三味線に猫皮が使われることなど、当時の文化に関する知識が必要とされることがある。

近年では、北海道オホーツク海沿岸でこれに類する話が派生している。

  1. 北風により流氷が接岸する。
  2. 特に夜間には急激に気温が下がり、室内でも氷点下の気温となる。
  3. 漬物桶、風呂桶、漁具の桶が凍結し、破壊される。
  4. 桶の需要が増え桶屋が儲かる。

歴史上の様々な疫病を示唆される[8]。その所以は空気中の細菌やウイルスが風で伝播して人々に伝染り(エアロゾル感染)結果的に多くの遺体を棺桶(ひつぎ)へ入れることからともされている[11]

書籍

関連項目

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ 山内泰之 2001, p. 1.
  2. ^ 石川忠幸 2008, p. 42.
  3. ^ ライフスタイル編集部 2021, p. 83.
  4. ^ a b c 丸山健夫 2006, p. 10.
  5. ^ 原典は著作権保護期間満了につきPD。表記は文献により多少の違いがある。読み仮名は原典にはない。
  6. ^ 博文館編輯局 1895, p. 154.
  7. ^ 十返舎一九 1917, p. 68.
  8. ^ a b 影山教俊 2009, p. 265.
  9. ^ 十返舎一九 1908, p. 80.
  10. ^ 桶屋は小僧が頼んだ手桶の修繕を断り、「急ぎなら棺屋(こしや)に持っていけ、通称が早桶屋だから」と返答する話が落語にある。
  11. ^ 日南町 2021.
  12. ^ かきもち 2021, p. 43.
  13. ^ かきもち 2021, p. 41.

外部リンク


風が吹けば桶屋が儲かる

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/08 16:35 UTC 版)

週刊オリラジ経済白書」の記事における「風が吹けば桶屋が儲かる」の解説

あるニュースから、一見まったく関係ないことが起きということを、経済法則をもとに風が吹けば桶屋が儲かるのように論理つなげて説明していく。

※この「風が吹けば桶屋が儲かる」の解説は、「週刊オリラジ経済白書」の解説の一部です。
「風が吹けば桶屋が儲かる」を含む「週刊オリラジ経済白書」の記事については、「週刊オリラジ経済白書」の概要を参照ください。

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風が吹けば桶屋が儲かる

出典:『Wiktionary』 (2021/08/12 11:43 UTC 版)

成句

けば桶屋が儲かるかぜがふけばおけやがもうかる

  1. 何か事が起きると巡り巡って思いがけない意外ところに影響が出ること。また、当てにならない期待をすること。大風が吹けば桶屋が喜ぶ風が吹けば箱屋が儲かる

由来

風が吹く土ぼこりがたち、それが目に入ることで盲人増える盲人三味線生計立てようとするので三味線需要増える三味線にはの皮が張られることでが減る。が減るとねずみ増えて、ねずみにかじられる増えることから、を売る桶屋儲かって喜ぶ。というところから

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