非上場企業とは? わかりやすく解説

上場

(非上場企業 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/14 17:47 UTC 版)

上場(じょうじょう、英語: listing)とは、株式債券などの有価証券商品先物取引の対象となる商品(石油砂糖など)を取引所市場)において売買可能にすること。卸売市場で商品を販売する際、商品の属性(産地、荷主名、銘柄、等級、数量等)を説明し、販売意思を明らかにすることも上場という。

株式公開と株式上場

株式を企業の外部から募った新たな出資者に譲渡することができ、株主が不特定多数かつ広範囲に分布する株式会社を一般に公開会社英語: Publicly held corporation)という[1]。会社関係者のみの間で制限的に所有されていた株式を新たな出資者に譲渡できるようにすることを株式の公開という[1]

株式が公開されている場合、原則として株式の所有者は譲受希望者との相対取引によって株式の譲渡を実現することができる[2]。しかし、複雑化した現代社会では株式の相対取引は経済的合理性が失われるほど取引コストの負担が大きくなるため、株式投資に関する高い専門的知識を有する機関投資家間や銀行と融資系列企業の間など限られた場合にしか相対取引は行われていない[2]

一般人による株式の取引は公開市場(英: open market)で行われることが多く[2]、株式等が取引所が開設する市場で売買可能になることを上場という[3][4]

株式会社が上場することを新規株式公開(IPO)というが、会社法上、公開会社と非公開会社は譲渡制限の有無で区別される。従って、上場企業は公開会社であるが、非上場企業であっても譲渡制限が付されていなければ、公開会社ということになる。

上場廃止

上場廃止とは、上場により取引所の開設する市場において売買の対象とされていた株式等について市場の売買対象から除外されることをいう[4]。上場が廃止されるとその取引所の売買対象からは除外されるが、その会社の株式等の売買が一切できなくなるわけではない[4]。非上場となった株式会社が株式の譲渡そのものを制限するためには定款変更といった一定の手続が必要になる[5]。一方、上場会社が定款変更によって株式の譲渡制限を設けることとした場合、不特定多数による市場での売買とは相容れなくなるため上場規程等で原則として上場廃止の対象とされている[4]

上場のメリットとデメリット

上場のメリットとして、上場基準を満たしていることから一般人や金融機関の評価が高まること、それにともなって優秀な人材を採用しやすくなること、知名度向上による資金調達の円滑化、経営に対する規律の強化が挙げられる[6]。一方、上場のデメリットとして、投資家の短期的利益の追求によって長期的視点での会社経営が難しくなること、経営者の意思に拠らない買収リスクが挙げられる[6]。また、上場企業は利益が出たら配当する必要があり、これは企業の経営体力を削るとする指摘もある[7]

その他の主要上場品目

出典

  1. ^ a b 杉江雅彦ほか『証券論25講』晃洋書房、1989年、69頁
  2. ^ a b c 杉江雅彦ほか『証券論25講』晃洋書房、1989年、79頁
  3. ^ 証券用語解説集 上場”. 野村證券. 2018年9月19日閲覧。
  4. ^ a b c d 横山淳. “大和総研調査季報 2012年春季号 Vol.6「上場廃止について」”. 大和総研. 2018年9月19日閲覧。
  5. ^ 公開会社の株式に譲渡制限を付す方法”. BUSINESS LAWYERS. 2018年9月24日閲覧。
  6. ^ a b 株式上場のメリット、デメリット”. 日本証券業協会. 2020年7月28日閲覧。
  7. ^ DMM亀山敬司会長が若者の資産運用に持論「眠たいこと言うなよ」”. ライブドアニュース. 2020年7月28日閲覧。

関連項目


非上場企業

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サントリー」の記事における「非上場企業」の解説

東京証券取引所世界証券取引所上場しない非上場企業であり、発行済株式数の約9割を、創業家の資産管理会社である寿不動産所有している。非上場大企業代表として上場持株会社サントリー食品インターナショナル除き上場していない。 非上場理由として「酒の醸造には時間掛かり短期的な利益要求される株式公開馴染まない」「株主商品の味を左右されたくないから」または「直接的な利益に結びつかないメセナ事業リストラ要求されるため」と言われている。佐治信忠結果としてビール事業軌道に乗ったのも、株式非公開だったから」と述べている。 一方で2012年平成24年2月8日行われた2011年12月期の決算発表の際には、佐治信忠自らが記者会見で、自身勇退加えて会社資金調達の手段として「上場次の社長にやってもらう」と発言するなど、今後会社運営あり方含み残している(ただし、創業家から次期社長である新浪剛史になった後も、非上場のままで現在に至る)。

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