選定をめぐる問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 14:28 UTC 版)
「新語・流行語大賞」の記事における「選定をめぐる問題」の解説
流行語大賞は、その年に流行った言葉などから選ばれるが、世間を騒がせた事件・事故などの事案や著名人の不祥事・スキャンダルに絡んだ言葉が選ばれることもあり、マイナス面で流行った言葉を選定・受賞対象にすることは不適切であるとする批判が在る(後述の例のように、除外される場合も多い)。[要出典]ただし、今年の漢字でも2007年の『偽』のような縁起の悪い言葉が選ばれたり、トップ20という全体で見れば、マイナス面のある言葉も候補入りため、流行語大賞特有の問題というわけではない。ただ、今年の漢字や東洋大学現代学生百人一首などは、一般公募なため、広く意見が集まることや候補の漢字が得票数に左右されるという要因がある。それに対し、こちらは#概要の項目にも書かれているように読者アンケートに基づく選出という点では他と大きな差があるわけではないが、こちらは選考委員会が話し合いなどで絞り込むという仕組みとなっており、後述の2014年の「ありのまま」の一件のようにそのアンケート内に世間が認識する流行語の有無次第で結果が変わることや最終決定が得票数より選考委員の議論の結果で判断されるため、世論と選考委員の認識の乖離が発生することがある。 他にも最初の審査会が10月に行われる関係上、その年のそれ以後に流行した言葉はノミネートすら出来ないまま流行が終わってしまう(2015年時点)。例えば、公表とほぼ同時期に流行した2011年の「家政婦のミタ」、2016年の「逃げるは恥だが役に立つ」(略称「逃げ恥」)などは登場せず、それらノミネートから洩れた言葉が翌年に改めてノミネートされたり、新聞協会賞のように追加ノミネート、追加受賞が認められたケースも過去一度もない。だが、年間大賞選定以前の話ではあるが、1989年にはベルリンの壁崩壊を意味する「『壁』解放」が特別賞を授与されているが、この出来事は同年11月10日から始まったものであり、流行語の意味とは異なるものの、この場合は10月以降の出来事に授与された事例となる。その時とは選定内容が違うとはいえ、10月以降の言葉を選ぶ猶予がなかったと弁明するものの、あいまいな選考基準や追加枠を設けない姿勢については疑念を残す形となっている。 「日本新聞協会賞#概要」も参照 第三者からのコメントとしては、プチ鹿島は、流行語大賞がインターネットを中心に「そんなの流行ったのか?」というツッコミの対象になっているものの、スポーツ新聞にとっては重要なイベントであるとしている。鹿島は「流行語大賞とは『今年はこんな言葉が流行ったよね』という、おじさんによるおじさんのためのプレゼンだと思えばいい。で、そのあと『そんなの流行ってねーよ』とSNSからツッコミが発生するまでが流行語大賞なのである。そう考えると流行語大賞は『紙媒体』と『ネット』の温度差を確認できる貴重なセレモニーだともいえる」と述べている。また、伊集院光も自身のラジオ番組にて「もはやさ、炎上商法。しかも高度なテクニックを使った炎上商法にちょっと近いぞ」と論評している。能町みね子はユーキャン新語・流行語大賞のノミネートを見ると「毎年『現政権に反対し、スポーツ観戦(特にプロ野球)が大好きで、若者の流行に疎い50代くらいのおじさん』の像が浮かんでくる」と述べている。斎藤美奈子は新語・流行語大賞とは表彰式のためにある賞であって主催者である自由国民社は言葉の風俗的資料価値などには何の興味もない(のだろう)としている。室井佑月は「きっと、表彰式に出て来れる人の中から、大賞を選んでいるに違いない」と述べている。 そのうち、選考委員の一人であるやくみつるは批判の対象になることが多い。例えば、2019年のノミネートが発表された際に、惑星探査機はやぶさ2が小惑星リュウグウに作った「おむすびころりんクレーター」を「はやぶさ2の話題は偉業としてもてはやされたが、その後の言葉が定着してない。ここに入れることによって、そういう言葉もあったんだねと認知してもらう効果もある」と、流行した言葉でないのを分かった上で「新語」として自らが候補に「ねじこんだ」ことを明かした 際、「全く流行っていない言葉」「やくによる私物化」と、選考基準を疑問視する声ややくを始め選考委員への批判が起きている。2020年のノミネートに関しても、「うちで流行った」という理由でぼる塾のネタ「まぁねぇ〜」をねじ込んだことを明かしている。
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